カンバン10

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.10

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」
・「本物」は場所を選ばない。

ちょっとした、名言のような佇まいを感じさせる。堂々としたコピーに思わず頷きたくなる。コピーは、コトバ。コトバである限り、伝達のため文字に起こされたときの雰囲気(=佇まい)も大切だと思う。

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これまでの記事において何度も書いてきたように、そうなのだ、静岡県には「本物」と言える商品や製品(工業や農業を問わず)が多い。

裏付けとして、静岡県の統計を出典参照してみる。

よくもまあ(汗)、県の職員はこれだけの品目を探し出したな〜、と驚きとともに唖然とする。

世界遺産の「富士山」はわかる。でも、2個目の「韮山反射炉」は日本一じゃなくて『唯一現存する』というカテゴリーで、(一覧の数を増やすことを目的に?)掲載したこと自体が反則なんじゃないか?! と思ってしまった。こういう齟齬を県庁が主導することは、教育上もよくないよね……。(汗)

それはさておき、そういったものを除いた日本一の多いこと。(河口の幅とかもありますが…。)正直、地元民の私も把握できていません。それくらい「本物」(この一覧は本物とは言えないけど)があるわけです。

その立派さは、どこに出しても大丈夫。だから、場所を選ばない。文字通り、王道の立派なコピーができあがったのだ。

静岡から東京進出を目指す、企業や経営者や社員のみなさんの後押しになりそうだが、私はこう読む。
実は、静岡県の統計にある日本一を持つ事業体(農業含む)は、すでに東京進出を果たした事業体なのではないのか?! と。ならば、「本物」と言うキーワードは、これから挑戦する企業や経営者や社員といった受け手のみなさんの後押しにならないのではないかと。

東京進出は挑戦。
営業的にも広報・広告的にも、東京進出は、日本のマーケットの中心で「本物」と認めてもらうための活動になる。自らの会社や商品がメジャーかマイナーかと聞かれれば、マイナーである自覚を持ち、その上で挑戦を成功させてメジャーを目指す人たちだ。この人たちに投げかける安易な褒め言葉は、気休めにはなっても、むしろプレッシャーにしかならないのではないかと、今の時代の空気から感じるのである。

私なら、これは東京進出した実績のある企業の背中を押すコピーでなら、一つのアイデアとして書くこともある気がする。(そのときは、より堂々とさせるために「」を外し、『本物は、・・』と読点を入れて書くと思う。)

裏付けられた技術や品質、知名度。そのブランドの保証による「本物」は、国内外のどこに出しても「Made in Japan」品質を担保してくれる。この担保をベネフィットとするなら、この王道コピーは成立するはずだ。

どこに頂点を定めるのか。
マイナーでありながら静岡一を「本物」と仮定するならば、東京進出の後押しは不要なのかもしれない。この課題を読み解くとき大切に思えるコトは、どこに頂点を定めてプレゼンテーションしていくべきかということだ。夏の高校野球で言えば、東京は甲子園。全国の猛者達が集まる場所だ。その場所に赴くとき、背中を押すコトバをどのようにかけるべきか。このコピーは、あくまでも受け手の実感を持って考えていきたいことを教えてくれるコピーだと思います。

書き手への誘惑は、いろいろとある。その一つは、立派さだ。つい、名言のようなものを思いつくと満足してしまう。名言が名言であるのは、言った人もさることながら、時代・場所・受け手・タイミングが絶妙に噛み合ったからこそ。つまりは、5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)。どれが抜けても成り立たない可能性があるので、アイデアを練るとき推敲するときに使ってみると便利です。

やっと、課題1が終わった。まだ、5課題もある。私は毎日書かない人だから、1年くらいかかりそうな気がしてしまう。でも、10本書いたところでコピーの面白さが、さらに増しました。コピーが持つ、アイデアの面白さを確認する旅は、まだまだ続きます!(す)
※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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