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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.27

課題3:社会貢献したくなるコピー
 ・子どもは、かたたたき券。
  大人は、社会貢献。

お父さんの誕生日に発行される、子どもからの肩叩き券。うちの子は、なぜか有料の肩叩き券を渡してくる・・・。そこには、感謝の気持ちが有りや、無きや。(泣

個人のことは放っておくとして、子どもにとっての社会貢献は、家事の手伝いがはじめの一歩になるのかな? と想像した。

赤ん坊から幼児の間、お手伝いなんか、ほぼできない。じぶんのことをできるようになるのが先決なのだ。両親に面倒を見てもらいながら、着実に成長していく。

小学校に入ると、社会性を学ぶ。もちろん、幼稚園や保育園でも、その学びは始まっていくのだが、子どもから大人までいる男女構成や年齢差を考慮すると、社会の縮図となる組織は、小学校からのように思うのだ。学校では係や委員といった役職を担いながら、義務や責任といったことを体験し、家庭でも家事の手伝いを受け持つ機会が増えていく(と思う)。

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我が家以外では、肩叩き券は両親に対する無償のお手伝い(ボランティア)を宣言する証書として手渡される。つまり、擬似的ではあるが、家庭という小さな社会における「社会貢献」の宣言だ。

その宣言に応じて、両親は肩を叩いてもらい、子どもがくれる無償の愛情に感謝をする。感謝の気持ちは子どもに伝わり、よい行いをすると行った人の気持ちまでハッピーになること、社会貢献の価値でもある効用の循環を学ぶのだ。

コピーを読んでいくと『券』と『献』のリズムがよく、『子ども』と『大人』の対比もユニークだ。審査の時も、このコピーに一票を入れた覚えがある。深い意味がない代わりに、読んで脳にインプットされる時のフィーリングにベネフィットを感じとれる。理屈でないところにコピーの強さがある。

ただし、文章としての磨きは今一つ。漢字とひらがなのバランスを考えて、パッと見た瞬間、目に飛び込んでくる組み合わせにする配慮は欲しいと思う。

コピーというのは、基本的に消耗品だ。1回伝われば、あとは無用になるケースもある。感動や教訓などの新しい価値を持たないコピーは、より短命だ。反芻する必要がないから、読後の短時間しか記憶に残らない。このコピーは、そういう消耗品コピーの代表の一つなのだと思う。

だからこそ、読後にクスっとさせ、受け手を満足させ、心を緩ませ、社会貢献に対する気持ちを少しだけ動かしてくれる。だが、体までは動かせない。それが、入賞に至らなかった理由なのだと思います。


※作品(コピー)の版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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