見出し画像

テレビに取り上げられるには

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.テレビ番組登場で一気にブレーク?

企業やお店が、テレビのニュース番組や情報番組に取り上げられると、認知度や一時的な集客のアップばかりでなく、長期的には企業の信頼性やブランド価値の向上にもつながります。

たとえば飲食店なら、グルメを交えた情報バラエティ番組、温泉旅館やレジャー施設なら、旅番組に取材してもらいたいところ。メーカーなら、自社の新製品を「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)の“トレンドたまご”コーナーなどで採用されると一気にブレークすることがあります。

地方のローカル局にも自社制作の情報番組がそれぞれあります。また、NHKを含め、ニュース番組の中には地域の企業や商品の話題を取り上げるコーナーもありますし、企業のトップにインタビューする番組も、たくさんの方々がご覧になっています。

でも、そうした番組に希望通りに取り上げてもらおうとすれば、周到な準備と根回しが必要です。

2.テレビ登場にはPR戦略が必要

全国ネットの番組ともなれば、そのハードルは非常に高く、相当な競争を勝ち抜けるだけのニュース性・話題性と、ちょうどその番組の企画趣旨にぴったりはまるという偶然がなければ無理です。

テレビに広告を出稿して、広告主の立場を使って番組に出演できるように圧力をかければいいのでは、という考え方もあります。でもテレビというメディアでは、広告主を番組内に露骨に出演させられないという縛りがあるので、残念ながらそれは困難です。

どうしても、というなら、テレビ通販番組のように、時間枠を丸ごと買い上げて自社だけの番組を作るしかありません。

各局が制作している情報番組、ニュース番組に「公益的な情報」として取り上げられるためには、企業としてはどうしてもPR戦略が必要になってくるのです。

3.番組を見て来たお客様を満足させられるか?

単純な従来型の「広告」から、より複雑で専門的なノウハウが必要な「パブリシティ」へと、マーケティング・コミュニケーションの重心が移りつつあります(10年以上も前からですが、近年その傾向が強まってきたということですね)。

しかし、パブリシティでメディアに紹介されても、その前後の対応がまずければ売上アップやブランドづくりにつなげることはできません。

たとえば、全国ネットの情報番組では、「話題のお店」として芸能人のグルメレポーターが紹介した瞬間から、店の電話が鳴り始めます。店は一気に大忙しで嬉しい悲鳴。でも悲鳴を上げてばかりでは始まりません。

「来てもらったお客様、注文してくれたお客様をどれだけ満足させられるか」が勝負です。番組を見て殺到する客層というのは、反応が早いだけに飽きっぽいお客さんです。別な番組で美味しそうな店を見つけたらすぐにそちらに流れます。

4.放送後の事態をあらかじめ計算しておこう

よくある例ですが、たとえば町はずれの静かでしゃれたカフェがテレビで紹介された。たちまち店には行列が・・・。

商売繁盛で結構なことですが、今までの落ち着いた雰囲気が気に入っていた常連客は困惑し、だんだんと足が遠のいてしまう。そして、飽きっぽい新規客の波が引いていくと、店にはやがて閑古鳥が鳴き始める・・・。

こういう反応を予想して、あらかじめ計算しておくことです。

番組の放送日時がわかっているのだから、新規客の増加や注文の増加を見越して販売数を増やす準備をするのか、入店や受注を制限して限定感、希少感を出すのか、スタッフと相談して決めておかなくては、いきなりパニックに陥ってしまいます。

5.期待し過ぎるのもよくないが・・・

また、逆にテレビの反応を期待しすぎて材料を大量に仕込んだりすると、あてが外れることも往々にしてあります。特にローカル番組の場合、爆発的に客が増えるケースはそんなにありません。

テレビへの露出を契機に新しいファンを増やして業容を拡大するのか、それとも3日だけ繁盛して元の木阿弥になるのか。この対応にセオリーはありませんが、いずれにせよ単発で終わるのはもったいない話です。

PRは継続しなければ意味がありません。

最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を読んで役に立ったと思ったら #スキ 、フォローなどを押していただけたら嬉しいです。

この記事の筆者が書いた本「地方の中小企業が全国ブランドになるための広報PR パブリシティ戦略」 ご興味のある方はクリックしてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?