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これからのコーヒー店の役割とは

ROKUMEI COFFEE CO.の井田です。
スペシャルティコーヒー専門のコーヒーロースターの会社の代表です。

私達は、奈良市内に2つの店舗の運営を行っています。

新型コロナウイルスの影響で、4月から私達の店舗も店内飲食やテイクアウトドリンクの提供を中止してましたが、先日から、先週からテイクアウトドリンクの提供を復活させ、奈良本店では、本日から店内飲食もスタートさせました。

常時換気、出勤メンバーの体調管理、アルコール消毒、席の間隔を広くとるなど、感染をさせないための対策はしっかりとってスタートします。
100%感染しないとは、誰も言えない状態だと思いますが、Withコロナ時代に突入していく中で、お店の意義を考え、再スタートさせることにしました。

そこで、コレからの店舗の役割や存在意義を考えてみました。

店舗紹介

まず2つの店舗紹介をさせて下さい。

ROKUMEI COFFEE CO. NARA

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こちらは、父が1974年に始めたときと同じ場所にある本店です。1974年から喫茶店を始めて時代に合わせて何度もリニューアルをしてきましたが、場所は変わらず近鉄奈良駅徒歩1分の好立地に位置しており、『小西さくら通り商店街』という奈良市内で2番目に通行量の多い商店街に位置しています。​(2017年度調査なので、現状は変わっているかもしれません。)

『小西さくら通り商店街』と並行して、『東向商店街』という商店街が東側に通っています。こちらが一番通行量があり、アーケードもある奈良市のメイン商店街になります。
『東向商店街』は、お土産屋さんや大手の飲食店なども多数出店しており、観光客の割合が多い商店街になります。なので、こちらの商店街は今は通行量が激減しています。

一方、『小西さくら通り商店街』は、スーパーマーケットがあることもあり、地元の方が使う商店街になります。
そのため、観光客の方たちの利用も多いのですが、地元のお客様がメインになります。3月から出だした新型コロナウイルス影響でも、3月の売上がそこまで下がらなかったのは、近隣の方にも多く利用して頂いているからでしょう。

2010年に自家焙煎を始めたのもこの店舗になります。その頃は、『coffee beans ROCOCO』として、2019年の1月4日まで、こちらの名前で営業していました。その後、リニューアルを行い、2019年3月に『ROKUMEI COFFEE CO.NARA』としてスタートしました。
ブランド名の統一や私達がそもそも「何を提供すべきか」「何を表現すべきか」を考えた結果、まだまだ使える状態ではありましたが、リニューアルを決めました。

駅前であり、通行量の多く、約50坪ほどある店舗は、カフェ利用が中心です。コーヒーの他に、店内でクロワッサンと焼き菓子を作って提供しています。こちらのクロワッサンもこだわって作っているので、別記事で紹介します。

通常売上比率は、店内利用が60%、テイクアウト5%、コーヒー豆やドリップバッグ、グッズなどの非飲食(小売)が残りの35%くらいの割合になっています。

カフェ中心の店舗にしては、小売比率が高いですね。それは、ロースターをしていることにより、コーヒー豆やドリップバッグのオリジナリティのある商品が多いからです。コーヒー豆という商品の特性とドリップバッグなどが、お土産や贈り物として買ってもらえるいうこともあります。

バリスタが、ハンドドリップやエスプレッソを提供し、本当に美味しいコーヒーを提供し、スペシャルティコーヒーの魅力を伝えています。
最高のコーヒー体験をしてもらえるように、サービスや雰囲気作りをしています。


ROKUMEI COFFEE CO. TOMIO ROASTERY

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2店舗目はこちら。

2017年に『ROKUMEI COFFEE CO.』としての初めての店舗です。

TOMIO ROASTERYは、焙煎所兼コーヒースタンドで、コーヒー豆やドリップバッグなどのグッズ販売がメインの店舗になります。

売上比率は、店内飲食が25%テイクアウトドリンクが5%小売70%位の比率になっています。

3年前に、出店するときは、僕にとっては、かなりのチャレンジでした。今までは、駅前で、カフェ中心の店舗経営だったのですが、TOMIO ROASTERYは、最寄り駅の富雄駅から徒歩15分。。。店の前は、車は通りますが、人が歩くことはほとんどありません。わざわざ目的を持ってきてもらわなければならないのです。しかも、カフェではなく、コーヒー豆の販売がメインなので、経営が成り立つのかと。

このお店でチャレンジしたかったことは、家庭でスペシャルティコーヒーを楽しむ文化の創出です。そのためには、スペシャルティコーヒーを手軽に淹れる事が出来ることや、魅力を伝えなければなりません。十数種類あるコーヒーの試飲やワークショップを行うことによって、
この文化を創っていきました。(新型コロナウイルスの影響で現在は試飲とワークショップは休止中)


2店舗の比較

全く立地も形態も違う店舗を2店舗経営を行うことによって、私にはすごく勉強になっています。

①立地
奈良本店:駅前商店街  TOMIO ROASTERY:郊外

②メインの利用動機
奈良本店:カフェ利用  TOMIO ROASTERY:コーヒー豆の購入

③顧客層
奈良本店:地元客&観光客  TOMIO ROASTERY:リピーター

④客単価(2019年10月〜2020年3月)
奈良本店:1,100円  TOMIO ROASTERY:1,500円

利用目的が変わると客単価も、リピート率も変わります。商圏の広さも全く違います。2つのお店では、売れるものも違いますし、提供したい価値も違います。

特徴を捉えそれぞれのお店で戦略を考えるのは楽しいですね。売上を上げていく方法も全く違いますからね。同じコーヒーでもどのように売っていくか。色々工夫はできますよね。

これからの店舗は?

今までになかった状態を経験し、今までと価値観や行動が変わった人たちが大半だと思います。今までに戻るものと、戻らないものがでてくる。その中で、店舗を利用する動機が今までより減る可能性はありますよね。

インバウンドに頼り切っていた店は、復活まで時間がかかるだろう。スペースだけで使われていたカフェは、テイクアウトだけになったときにコーヒーをその店で買ってもらえるのだろうか。コンビニのコーヒーと明らかに違わないとコンビにの100円コーヒーに負けます。私たちの場合は、コーヒーにこだわって、バリスタがクオリティの高いコーヒーを提供しています。店内利用を中止しても、テイクアウトしてもらえる価値を提供できています。

このように、今までより、どの店舗でも今までよりも戦わなければならない相手は増えている。ネットショップもそうだ。コーヒー豆を買いに行くよりAmazonで購入して、翌日届く便利さに気づいた人も多いでしょう。

今までもそうだったけどこれからはより、本質的なものを提供できなければ厳しい状況になっていきます。

カフェという需要はなくならないが、そこにただ席があるだけでは難しい。ただ、リモートワークの導入も増えてくるだろうからその需要を取りに行くコンセプトのカフェは良いかもしれません。ただ、そこにもしっかりしたコンセプトが必要で、ブレてしまうと中途半端になってしまう。

どのようなお客様に来てもらいたくて、どんな体験をそこでしてもらうかぶれないコンセプトを作っていくことがこれからの店舗には必要です。

そして、ネットでは得られない人とのリアルな関わりを求めることもあるでしょう。人との触れ合いやぬくもりは、ネットでは変えられない部分もあります。そこに行くことによる空気感。
コーヒー店の場合、美味しいコーヒーを提供できるのはもちろんそのような空気感やサービスを創り出せるかはバリスタの価値になってくるのでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ROKUMEI COFFEE CO.の事業にについてはこちらをどうぞ。

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