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Uターン日記 2021年1月

1(金)
起床、母と法多山へ初詣をして厄除け団子を買って、帰りにおじいちゃんとペットのお墓に寄って帰宅。
帰宅して洗濯をしてから、父の墓参り。
帰宅して、法多山の団子を畑のS木さんとM本さん宅へ届ける。
帰宅して昼寝。
昼前に長女家族が来て、一緒に昼食。
昼食後に親戚の魚金へ行き、新年の挨拶。いとこ家族も集まり大人数だが、挨拶だけしてお年玉を渡してさようなら。
近所の猟師A一さん宅へ団子を届けて帰宅。
帰宅後に、長女家族とのんびり過ごし、夕飯もうちで食べて行くとのことなので、初めて鹿肉を振る舞うことにする。
いま同居している姉が、本当に鹿肉を美味いとお薦めしてくれたので、ここに漕ぎ着けたが、長女家族はこれまで一切ジビエとかに興味を持たず、食べたくなくないという感じだった。
うちで取れた野菜と猪のベーコンでシーザーサラダを作り、鹿のローストをバルサミコソースで出す。
初めて鹿肉を食べた姪3人が、めちゃくちゃ美味い!と言って食べていて嬉しかった。長女と旦那さんも喜んで食べてくれた。
これだけ皆が上手いと言って食べてくれるならもう1頭獲っても消費できたなあと思う。
というか、これだけ皆が上手いという鹿なのに、大部分が有害獣として駆除され、ゴミになっていることが本当にもったいない。まあ山に埋めていたり、そのまま放置しているなら、山に還るからいいと思う。がもし焼却処分しているようだったら本当に無駄だからどうにかしたい。
皆が帰り、片付けをして、風呂に入る。
彼女からもらった、バニラ&ハニーのソルトバス。この香り、都会の生活って感じで、久々で、リッチな気分になる。
元旦ものんびりしようと思って、お酒を飲みながら、テレビを見ながら就寝。

2(土)
起床。
雑煮を食べてダラダラ過ごす。
大晦日、元旦で荒れた部屋の掃除をする。
彼女が注文してくれた結婚までのHOWTO本が届いていたので読む。
友人が東京で開いていた結婚パーティーの費用とかを電話で聞く。
昼食。
梅ちゃんを放鳥してキャベツをあげる。
やっと作業をする気になって、去年の11/4に帰郷して以来、ずっと付けてきている日記を公開するにあたって、政府の公開書類のようにどうしても墨消ししないといけないところがあるので一通り目を通してチェック。6時間くらい掛かって終了。
夕食。
助成金実績報告書の作成。ETCカードのID、パスワード、秘密の質問の全てがわからず途方に暮れる。
ハムレット台本の確認。
助成金の実績報告書類作成。
まだ三箇日なので良いかと思いテレビをつけて就寝。

3(日)
起床。
朝食に猪鍋でお雑煮。
ETCカードの履歴確認の為、電話で問い合わせし、新規登録。
あまり興味はないが駅伝を見る。
創価大が往路一位ということで、なんかもやもやする。
創価学会、高校の同級生に創価学会で創価大に行った友人がいた。その友人は良いやつだった。
宗教だからと毛嫌いするというのもどうかと思うが、政教分離を考えるとちょっと気持ち悪い。
そしてスポーツの世界でも、と思うと気持ち悪さがある。創価大の生徒が創価学会ということではないだろうけど、なんか大人の力を感じて爽やかじゃない。
駒澤大学が一位になってくれてなんかホッとした。
昼食。
年末年始で荒れた部屋を片付ける。
ゴリラの着ぐるみを干して、押し入れの整理。
過去の演劇資料の整理をしつつ、ついでにドキュメンタリー用にボクシングデビュー戦のDVDを探し、見つける。
久々に、というか、初めて確認すると、思っていたよりしっかりパンチをもらっていて、これはTKOとられてもしょうがないなあと思う。
ETCカードの履歴確認が出来る様になったので、助成金の実績報告資料の作成。
次回出演作のハムレットの台本や映像を整理。受験勉強前の学生の様にともかく準備準備という感じ。
大掃除が出来なかったので、梅ちゃんの小屋の大掃除。
夕食に母が作ってくれた猪カツ丼を食べる。
iPadの整理。せっかく買ったので、次のリハーサルで使えるように、映像や台本のデータを入れる。
入浴。
まだ三箇日なのでと言い訳をしてテレビを見ながら就寝。

4(月)
起床、朝食。
梅ちゃんの水浴び、寒いのかあまりやらない。
ハムレットの映像、台本の確認。
冒頭の打楽器のかっこよさ、自分もこれに出演すると思うと身が引き締まる。
七間町ハプニングの打ち合わせの準備。
13時に興津駅駅に待ち合わせて、プロデューサーのY木さん、大学生のMさんと一緒に、K先生のお宅へ車で向かう。
駅から車で30分。
家に着くと、ヤギのそばで本を読むK先生がお出迎えしてくれた。
ヤギは角が生えていたのでオスだと思ったがメスらしい。角が綺麗で触っていたら頭突きされる。
お腹が痒そうにしていたので、ムツゴロウさんの動物と仲良くなる方法で痒いところをかいてあげると言っていた気がしたのでかいてあげると、更に強く頭突きをされる。
去年獲った鹿と同じくらいのサイズだったが、力が強く驚く。力に粘りがあるというか芯があるというか、四つ足強い。
ペットとして飼っていてミルクもとらず、犬猫も好きだが草食動物を飼ってみたくてヤギらしい。
綺麗に草を食べてくれるらしく、本当に草刈り入らずで、人に「草刈りさえしてくれたら」って借りてる空き地とかには最適だなって思う。
ニワトリが色んな種類が沢山いたが、食べる様でも卵用でもなく、種の保存、生物多様性の保全が目的で、珍しい品種らしい。
鑑賞用に鶏を飼うという考えがなく新鮮だった。
足までふわふわのやつ、トサカの部分がふわふわのやつ、でっかいやつ、足が長いやつ、いろいろ。
今は鳥インフルの問題もあり、横の繋がりもあまりないため、なかなか鳥を移動させることも出来ないので、自分のところだけで増やさないと珍しい種が絶滅ということもあるらしい。
お宅にお邪魔して、薪ストーブを見せてもらう。
家も半分セルフビルドらしい。聞くと半年大工をしていたらしい。俺もしたい。
色んなお話を伺う。 
パフォーマンスで使いたいと思っていたバードコールや鹿笛もたまたま持っていたのでコレクションを見せてもらう。色んな種類があって面白い。
ドキュメンタリー用に「幸せってなんだと思いますか」と聞くと「人と比べないこと」とのこと。たしかに!
3時間ほどお邪魔して車で帰りながら、3人で打ち合わせ。とりあえず落ちどころを見つけたので帰る。
静岡のサウナしきじに友人と行きたかったがタイミングが合わずそのまま掛川へ。
駅で、彼女の家へ挨拶に行く際持っていく菓子折りを買い、リハーサル用に通勤定期を購入。
帰宅して夕食。
風呂に去年作った乾燥柚子の皮を入れて入浴。あまり香りがせず、入浴剤の威力を知る。
疲れたので早めの就寝。

5(火)
起床、軽く朝食。
梅ちゃんの放鳥、小屋から出てこない。
10時からSPACの始業式朔会をオンラインで。芸術監督の宮城さんの今の日本の状況に対する考えを聞く。おもしろい。
人々が不安になると攘夷になる。外から入れるな。ニューヨークのパークアベニューで長く講演した時に、そこにいる経済的な成功者たちである観客はみな「私」というオーラがあり、他に頼っていないという感じがあり、もちろん国にも頼っておらず、「私は」この作品を良いと思った、「私は」このアーティストを応援したいからドネーションをする、と言った感じ。移民であり旅人である。そして、日本では、相撲取りがまさに旅人で、二日あれば土俵は作れて、日本中で相撲をしている。そして我々演劇人も旅人である。そして、こういう危機的な状況では、何百年後に意義のある作品というか何かを残すことが出来るかもしれない。「ハムレット」のハムレットも旅人である。
この話を聞いていて、僕はいま旅人ではなく、どんどん土地に根付こうとしている。そして作品を見せる相手は多くは旅人(アーティスト)ではない一般の根付いた生活をしている人だと思う。宮城さんはそこら辺をどう考えているんだろう。そして、根付こうとして荷物を増やしている俺のことをどう思うんだろう。
明日、彼女の実家へ挨拶に行くため、スーツなどにアイロンを掛けて荷造り。
姪が梅ちゃんに野菜をあげようと言うので、一緒に畑へ。
鹿の頭がハクビシンに掘り出されていたのを思い出したので、姪と一緒に埋めて、再び掘り返されない様に上にブロックを置く。
白菜を一枚取って、梅ちゃんにあげるが反応が良くないので小屋の中に入れて置く。
鹿と猪の肉を持って、この間取材を受けてくれたY三くんの家へ。
不在だったのでドアノブに掛けておく。
近くの公園で子供と遊ぶY三くんの奥さんっぽい人を見かけたが、目が悪く声をかけていいものか迷っていると、通り掛かりの車の人に「手袋落としてるぞ!」と言われてお礼を言っていたら、向こうから気付いてくれて奥さんだったので肉のことを伝える。
そのまま撮影クルーが使った旅館へ行き、間違っていた領収書の宛名を書き直してもらう。
駅の東海ツアーズへ行き、明日使う東京日帰りの新幹線のお得なチケットを購入。
帰宅して「ハムレット」のセリフを覚える。
昼食、昼寝。
起きて、「ハムレット」のセリフを再び覚える為、声を出しながら覚える。
一通り覚えて夕食。
夕食後、再びセリフ覚え。
入浴。
再びセリフ覚え。
就寝。

6(水)
起床。
自転車で駅へ。荷物が多く母が車で送ってくれるとのことだったが、首にIKEAの袋に入れたスーツをぶら下げながら、東京ではこういうのが普通だったから、我を通して自転車で。自転車で行くことで、わずかながらでもエコに貢献して、自分に嘘をつきたくないってだけだったけど、そこで母と揉めたら良くないなあと思う。
心配してくれて車で送ると言ってくれた気持ちは十分わかるし、ありがたいと思うから、こういったちょっとしたすれ違いも今作っているドキュメンタリーを見てもらうことで理解してもらえたらいいなあと思う。
まずは問題意識を抱えているという自分ということが人に伝わるより、自分がどんな生活を送ることで幸せそうにしているかということが人に伝わることを今年は大事にしたい。
新幹線で東京を経由して、彼女の実家の郡山へ。新幹線はガラガラ。
動画を確認しながらセリフを入れる。
郡山について、スーツに着替えて、迎えにきてくれた彼女と実家へ結婚のご挨拶へ。
彼女の父親は「結婚を許すとかじゃなく、もう知り合ってから9年間経ち、ボクシングの試合も見たし演劇も見たし、仲間だと思っているから、信じているから」とのことだった。ただ、やはり二人助け合いながら生活を作っていくことにはなるだろうけど、男として大黒柱は自分が建てるという気持ちであってほしいとのこと。信じてもらったので頑張ろうと思う。
彼女とご両親と一緒に食事をする。
その後彼女と二人で、温泉に浸かってゆっくりして、タイ料理を食べてさようなら。
終電の新幹線で実家へ帰る。
風呂に入ってスーツなどの片付けをして就寝。

7(木)
起床、朝食。
昨日のことを母と姉に報告して、顔合わせや結納、式のことについて話をする。
父が生きていたら結納をちゃんとすると言っていただろうということで結納をする方向でたいうことになる。
会食、結納予定日が、父と母の結婚記念日だったらしく縁起が良いと母が喜んでいたので良かったし、僕も嬉しい。
台本を読んでセリフを覚える。
昼に眠くなり昼寝。
昼食。
昼食後またセリフを覚える。
ゴープロの修理など事務作業をする。
梅ちゃんの小屋掃除。レイアウトを時々変えると飽き防止でストレス解消になるということで、おもちゃや梯子の位置を変えたら、え?となって首を傾げていた。特に梯子の位置が変わったことにかなり戸惑いを見せて、首を傾げてはおもちゃに攻撃してを繰り返して、結局梯子を使わずに下に降りてきていた。
夕食。
七草粥のお茶漬けを食べる。青いものがちょっと入っているなあって感じの寂しいものだったので、せっかくなら山パラに探しに行けば良かったなあと思う。
テレビで緊急事態宣言のニュースで菅総理の会見がやっている。
お茶を友人のKちゃんと久々にする予定だったが、仕事が忙しそうなので明日にすることに。
猪のショルダーベーコンを塩漬けにしていたのを思い出し、水で洗って水に浸け塩抜き。
「ひとはなぜ戦争をするのか」が届いていたので、塩抜きをしている間に読む。アインシュタインとフロイトの手紙でのやりとり。
エロスとタナトスの意味がやっとわかった。俺が狩猟をして得ている喜びは肉を自分の力で得たという喜びだけではなくタナトスも含まれているのかもしれないと思った。そんな気は全然ないが、身体的本能として持っているのかもしれない。
戦争をなくすという問題に対して環境問題に触れられていないところに二人が生きていたら時代を感じた。
文化を推し進めることで戦争がなくなると信じて邁進しようと思う。
2時間掛かって塩抜きが終わり、外のからっ風に干し、明日朝からスモークしようと思う。
台本を読んで、再び入浴。
ビールを飲みながら「にほんむかしばなし」を見る。「火男」というのを見て、ひおとこからひょっとこが出来たことを知る。就寝。

8(金)
起床、朝食。
昨日から風乾していた猪肩肉をサクラチップでスモーク。60℃で4時間くらい。
スモークをしながら、ハムレットの上演記録映像を確認。音楽かっこいい。
昼すぎにスモークを終えてショルダーベーコンの完成。
GoProの修理をお願いしたいが、昨日今日と海外のところに連絡を入れるものの、ぜんぜん約束の折り返しの電話が掛かってこないので、日本の代理店に連絡を入れる。こういう作業が一番苦手で時間を食う。
昼食。
昼食後、友人のKちゃんと久しぶりにお茶。「農作業から一度離れたらやる気出ないわー」と俺が言ったら、「やる気なんて、やるまで出ない、やれば出る」と言われてなるほど!と思う。確かに台本も読み出すと読んじゃう。とりあえずやろうと思う。
ドキュメンタリーのインタビューをさせてもらう。
その後田んぼに行き、放置してあったワラを回収。
養蜂場へ行き、内検。
蜂に勢いがある時には見えないという巣が裸で見えるようになっていた。10匹くらい死んで転がっていた。昨日今日の寒波の影響かなあと思い、防寒対策として巣箱をワラで囲む。
帰りがけに、ビニールハウスにいるW子さんを見つけて立ち話。
近くの猟師さんのお宅へ行き、「俺は社会の顔だから撮ってもしょんない」と言われるがドキュメンタリーのインタビューを撮影させてもらう。この人が癌なんじゃなく、社会が癌なんじゃないかと思う。さすが俺が好きな猟師さんって感じの答え。セックスフレンドにもらったという次郎柿の変わった形の干し柿を頂く。
「まあ飲んでけ」と言われるが、奥さんが持病持ちで自分が年末に東京の撮影クルーと一緒にいたり、郡山へ挨拶に行ったりして東京を通ったので、もしコロナを持ってたら冗談にならないので、お茶とお茶受けの干し柿だけ頂いて帰る。
僕のわな猟はもう終わりにしたが、僕の休みと出猟のタイミングがあったら連れて行って下さいとお願いする。
ホームセンターで買い物をして帰宅。
帰宅して夕食。
その後、猪肉でひき肉づくり。4kgぐらい。
台所の床下収納の蓋が壊れていたので直して、風呂に入る。
そういえば、テンピュールの枕って寒くなるとめちゃくちゃ固くなるなあと思う。
にほんむかしばなしを見ながら、ビールを飲んで就寝。

9(土)
起床、布団の中でセリフを寝起きに言ってみたら一通り言えたので一安心。
朝食。
ボイラーの調子が悪くお湯がでない。凍結が原因だったのでお湯をかけてとりあえず使えるようにする。
凍結防止のカバーをつけようと思う。ここでも、友人のダクト工事屋で手伝っているのが役に立った。
山パラへ田んぼから持ってきた藁を運ぶ。
今年は頂き物のみかんがたくさんで、畑にみかんの木に採らずにそのままだった青島みかんが、綺麗に鳥に食べられて皮だけになっていた。鳥は時期を知っているなあと思う。去年が分けてあげなかったから、今年は一個も取れなかったけどまあいいかという気持ち。みんなのみかん。
駅に彼女を迎えに行く。
帰宅して母、姉、姪に結婚する心算を報告。
父の墓参りを皆でする。彼女が「あ、結婚したらここに入るのか!」と驚いていた。確かに。骨が一緒になる。家族だ。
魚金へ、皆で食事に行く。いつも自分が配膳しているご飯を初めて食べてよかった。
客側になると色々気付く。もっと丁寧に説明をしようと思う。
美味しかった。
帰りに龍尾神社にお参りをして、神前式のことを聞く。
帰宅。
温泉に行き、夕食を駅前で食べて、駅に送ってさようなら。
ホームセンターへ行き、凍結防止のパイプカバーを買って帰宅。
貸し衣装のお店などをチェック。友人の写真がホームページに載っているのを見つける。
入浴。
結婚の話から、母が僕に残してくれたお金は、僕は「僕の子供のために手をつけずに残しておくつもりだ」という話から、同居する姪世代の未来の話になり、今まで母とは話さなかった話、姪世代(z世代?)が大人になる頃には地球環境も変わり、貧富の差は広がり、普通の世帯は今のように好きなものを季節を問わず食べることはできなきなると思う(肉の代わりに虫を食べたり、季節外れの果物とか食べれないとか)という話をして、だから揚げ物に使う安い食用油もどこかの国の誰かの幸せの搾取だからオイルポットを使って大事に使い回して欲しいと伝えると、「あんたなんか宗教にでも入ってないらねえ、暗い話はやめて、油も今は自分の健康のことを第一に考えているから使い回していない」と言われ、なんと言っていいかわからなくなった。
にほんむかしばなしを見ながら就寝。

10(日)
起床。いっぱい寝た。
朝食。
ボイラーの凍結防止にカバーを取り付ける。経年劣化でかなりカバーがボロボロになっている。
山パラへ行き、グリンピースの誘引。
風に煽られていたミモザアカシアを竹で誘引し支える。
大根の周りの草刈り。
枯れたアスパラガスの刈り倒し。
帰宅してホームセンターへ行き、ビニールテープを買って、ボイラーの仕上げ。
昼食。
長姉に神前式の日取りを伝え、予定を空けてもらう。
結納式予定の旅館に問い合わせ。
電車で演劇を観る為に静岡のやどりぎ座へ。
親子2人でやっている「銀河鉄道の夜」を観劇。
子供の声の出方が不思議でだった。その子は素性を知っている子ってのもあルカもだが、なんか子供っぽくないなあと思う。もっと子供っぽくてもいいのにと思った。
終演後に子供の歯か大人の歯か聞いたら大人の歯らしい。シュタイナーの本を読んでから、それで判断するようになっていて、大人の歯ならあんな感じでいいのかなあとの思った。
自分の4歳の姪を見ている時の、まだ体が借り物感というかそこに収まっていない精神というかが面白いから、出演していたTちゃんがあまりに大人でというかなんか寂しかった。大人のやっていることがまだそこまで上手にはできない大人としてのTちゃんって感じで、まだ子供なんだから別の立ち方をしてもいいんじゃないかなあと思った。
帰りに七軒町ハプニングでの移動ルートやパフォーマンスを考えるために界隈を散策して、電車で帰宅。
礼服を選択して、結納をする旅館の予約をして、神前式後の会食のお願いを親戚の魚金にして夕食。
SPAC宮城さんの『最弱の体』の説明動画を見る。
初めて一緒にやるのでどんな演出をするのかわからないが、宮城さんが大事にしているであろう事が色々出てきて興味深かった。
みかんを食べると、皮がかなり乾いて硬くなって剥きづらくなっていた。去年豊作でたくさんとった山パラの青島みかんのことを思い出す。去年は保存していたみかんがたくさんで、乾いてやはり皮が硬くなっていた。それを輪切りにして畑に持っていって鳥たちに食べてもらった。
入浴。
映画の「ハムレット」でレアティーズが出るところだけ少し観る。
あのセリフ群が普通に言えていて驚く。
就寝。

11(月)
起床。
台詞覚え。
梅ちゃんの暖房付きバードハウスがボロボロだったので取り替える。
最初は元々の家に固執していたが、5分ほどで新しい家に馴染む。
電車でリハーサルのためSPACへ。
今回の座組みの俳優陣はほとんど知らない人なのでドギマギする。
アンダースタディチームのハムレット、D道さんが思っていた感じの人と違って、見た目が軟派な感じで驚く。
静岡芸術劇場で顔合わせ。感染症対策の話。宮城さんからハムレットを今やることについての話。
シェイクスピアの時代はペストが流行していて、俳優が濃厚接触していたはずがない。今より衛生状況も良くなく、劇場に照明が入ったのもここ100年のこと。今の演技スタイルも100年。それより前にもっと長い青天井の劇場での演劇があった。
シェイクスピアの独白は独白ではなく、お客さんとの対話だったという話がめちゃくちゃ面白かった。「このままでいいのか、いけないのか、それが問題です。」とお客さんに聞いていると思うととても有機的で面白い。楽しみだ。
昔、モスでハーゲンダッツをおじさん二人が食べながら「人生ってつまらないものだよね」と言っていて、これは対話だから成立していた。という話。
リハーサル質でリハーサル。過去映像を確認しながら変更点を洗っていく。
僕がやるレアティーズのオリジナルキャストのN口さん。端正な顔立ちで、動きもダンサーの様で美しく、楽器も堪能ないっこ下。
ドキドキする。
この座組みには、僕と同じくらいの年齢の人が多くいてなんかドキドキする。
初めての宮城さんとのリハーサルは興味深く面白かった。
大前提として台詞を言う時に、その台詞をいつ思いついたのか予習としてプランニングするというのご面白い。当たり前のことかもしれないけど、演技の素養がない僕としては今回色々成長できそうで楽しみだ。
リハーサル後、楽器の準備と自主練を皆が始める。僕は特にできることがなかったので、他の人の自主練を見ていて、人となりを観察していた。D道さんがしっかり台詞が入っていて、見た目は軟派でやんちゃそうだが、ものすごく真面目な方なんだなあと思って好きになる。
帰りがけに、俳優のO野さんとお話ししていたら、僕の高校時代のサッカー部の監督と知り合いだそうで、先日会った際に何かを見て、こいつはあいつじゃないかとたまたま聞かれたらしい。S村先生に今の僕の活動が届いたことが嬉しかった。がんばろう。
今回は自主稽古がとても多くなりそうだ。でも、これがSPAC恒例らしい。
電車で帰宅。
高校の時の同級生で売れっ子カメラマンDちゃんから電話があったので、電車を降りてから駅の喫煙所で掛け直し話す。
ちょうど一年前に掛川で食事をしてからちょうど一年だったから電話をくれたらしい。一年前になぜ俺が今こうなっているのかを2時間半掛けて話してやっと伝えられたところから、人に伝える為にnoteを始め、一人で伝えられることに限界を感じて、今ドキュメンタリーを作っている。これが僕の一年の変化だ。
帰宅して、夕食、風呂、就寝。

12(火)
起床。
体温を測ってから、梅ちゃんの小屋掃除。古いバードハウスを捨てる。梅ちゃん的には前に一緒にいたきいちとの思い出とかが詰まっているのだろうか。
朝食、荷造り、雨なので駅まで母に送ってもらって電車でリハーサルへ。
電車の中で、聾者が離れた向かい合わせの席で手話で会話をしているのを見て、すごいなあと思う。
リハーサル室へ。数人が静かに準備体操をしている。
去年関わった「妖怪の国の与太郎」の時と全然違う空気、慣れたら違うかもだけど。
1時間半ほど、台詞を覚えたりしてから、初のSPACトレーニング。
見様見真似で先輩のアドバイスを受けながらやる。ビシッと決まっている方はすごいなあと思う。
昼食休憩。
Y見さんが自分のディジュリドゥを持ってきて貸してくれる。音を出すことが出来たのでとりあえずほっとする。練習してもっと遊べる様になりたい。
劇場でリハーサル。美術、照明、音響込みで最初からリハーサルできるなんて凄く恵まれている。SPACすごい。
あと宮城さんは連帯修飾語とか言って頭いいなあと思う、こんなこと言うと馬鹿みたいだけど、学校で勉強したし覚えてはいる。
こういう細かいというか台本の言葉を細かく分析した上での演出が初めてでおもしろい。
演奏稽古のあと、Dチーム初めての読み合わせ。皆がどんな人なのかわからないが、台本を読むことで少しわかった気がする。
当然だけど、今は個、個という感じ。
相手の演技を受けて、自家発電せずにやりたい。久しぶりのストレートプレイをSPACで宮城さん演出でやれることで自分の新しい扉が開けそうで楽しみ。
ともかく台本の読みこみ方が新鮮だったので、その頭で台本をちゃんと読みたい。
駅から歩いて帰宅。
台詞を確認しながら歩く。外なので目に入る世界が広いし、室内では無い発見があり楽しい。
風呂、風呂は自分で熱くするからいいと母には伝えているが、いつも帰りが遅いと熱くしておいてくれる。心遣いでありがたいが、うちはボイラーが灯油で、僕は地下資源の無駄使いだと思ってしまうので難しいところ。熱々に我慢して入るくらいなら、ぬるすぎくらいに入ります。贅沢な悩みだけど。
夕食を済ませて、就寝。

13(水)
起床、朝食、おむすびを作ってリハへ。
トレーニング。難しいがSPACの舞台に立つためだし、これまでやったことのない感覚だから面白いし、これをしたらどう変わるのかも楽しみ。
昼食休憩。ディジュリドゥの自主練。
12:30〜18:00リハーサル。
宮城さんの演出が面白い。シェイクスピア、何で今も上演されてるのか今までわからなかったし、興味を持てなかったが、こういう風にちゃんと時代背景やなんかを加味して、細かくセリフを見ていくとなるほどなあと思って面白い。
ただこれをやるのはめちゃくちゃ大変だとも思った。
バシッと舞台に立ちたい。
18:00〜19:00演奏稽古。初めてパンデーロというタンバリンみたいな楽器を触ったが、出来なさに危機感を感じる。
19:00〜読み合わせ。昨日の続きで最後まで。一通り、いま他の俳優がどんな感じなのか知れてよかった。
台本を読んで、プランは立てていたが、それをやるのはまた別の話だった。
あと立って、人と対峙してやらないと恥ずかしい。やっぱり技術を磨いてこなかったから嘘がばればれで丸裸にされた気分。
帰りがけ30分ほどパンデーロを練習。N口君の手の動きを撮らせてもらった動画を見ながら真似たら、さっきよりできる様になった。
成長、楽しい。
練習すれば出来る様になるって単純でいいな。
毎日朝から晩まで通いだと大変だなあと思うが定期を買ったので宿舎にはとまらない。やることは沢山あるけれど、今回俺は初めてSPACで宮城さんとやるので、結婚後の掛川での生活のひとつの支えとしてSPACの仕事は続けたいので、今回頑張りたいと思う。
帰りの電車、劇場内ではやることが沢山あるのと電波が悪いのもあって全然確認できていなかったスマホを確認すると彼女の兄夫婦に子供ができたというLINEが来ていた。おめでたい。普通に自分たちの子供は〜とか話せることで、結婚を決めたんだなあと感じる。
掛川駅から自転車で帰宅中に、向かって走ってくる自転車のやつがスマホで話しながら気付かず対抗車線を向かってきて急ブレーキを掛けるが挨拶もなく通り過ぎたので憤る。
俺もおっさんになったなあと思う。
帰宅して夕食、風呂。
押し入れの奥にあったトランペットを明日劇場に持っていくために取り出す。
ゴリラの着ぐるみや鹿の毛皮と一緒の天袋に入れていたので匂う。ケースをファブって就寝。

14(木)
起床、放鳥、台本を読む。昨日読み合わせをしてみて、上手く流れなかったのでどうしたら流れるか考える。自分の役のところだけ考えても次に繋げないと思ったので、次に繋げるにはどんなテンションで行くといいか考える。
台本を齧りたくて机の上をチョロチョロする梅ちゃんがかわいい。
パンデーロの手の動きを同じくらいのゴミ箱で練習。ちょっと体が覚えてきた感じがして、毎日練習すれば間に合いそうだなあと思いほっとする。
朝食、母が朝から紫芋で饅頭を作っている。
電車で台本を通しで読みながらリハーサルへ。
トレーニング。
先輩方が、俺が出来ていないことを親切に色々教えてくれる。なんでこのトレーニングをしているのかわかると面白い。
昼食後にディジュリドゥとパンデーロの自主練。パンデーロは難しいけど昨日よりは出来る様になっている。
リハーサル。
宮城さんが「悲劇とはー」とか話しだしておもしろい。こんな風に分析というかずっと向き合って考え続けているのはすごいことだと思う。
劇団の中で代表として宇宙人でありたいと宮城さんはエッセイで語っていたけれど、自分が舞台に立たずに外から見ているとそんなに訳のわからないことは言っていないし、おもしろいと思っていることも通じていると思うからそんな宇宙人じゃないかも。
一度ゆっくりお茶でもしてみたい。
「妖怪の国の与太郎」の舞台監督のO川さんと三島の河原で初めてゆっくり話していた時に、「宮城さんの創作現場にいるのは、世界的アーティスト(既に亡くなっている誰かの名をあげていたが忘れた)の仕事を見ているような感じで面白いと言っていたが、そんな感じ。この劇場も海外の有名劇場であるかのように思えてくる。実際そういうことなのかもしれない。
ふと劇場の客席からリハーサルを見ていると、一つ一つの客席の背もたれから空調で風が出ていることに気付き驚く。感染症対策として工事したのかと思ったが、聞くとそうではなくもともとらしい。
主演ハムレットを演じるT石さんが、めちゃくちゃ愚直で、うちの父のようだと思う。
本人に愚直でいいですねと言うと、「ディスってんだろ」と言われるがそんなつもりはない。
同じ役のN口くんが全然ダメ出しをされないから、物足りない。宮城さんがどんな風に考えているのかレアティーズに関しても聞きたい。
K島さんに、セリフの音色とかのことを聞く。ともかく単語、台詞に対して豊かなイメージを持つことだと教えてもらう。音色から考えてやるのではなく、イメージを豊かに持てば音色も出てくる。
リハーサル後、演奏稽古と自主練。
初めて立って、国王クローディアス役のY見さんと合わせる。
自分の息の続かなさで、ブレスを入れたくないところで息継ぎが必要になったり、鏡に映る自分が所在なさげで驚く。
「これまでちゃんとした芝居をやってこなかったから、こんなですみません」とY見さんに言うと、「鈴木忠志さんのところでやれば鈴木さん風の芝居だし、宮城さんのところでやれば宮城さん風だし、ここにいるみんなそうだよ」と言われて確かにそうだなあと思う。自分が今までやってきたことに自負を持ちつつ頑張ろうと思う。
パンデーロの自主練。1時間ほどやるがなかなか演奏にはならない。ともかく演奏できるように早くしたい。これからやるべきことはどんどん山積みになるだろうから少しずつクリアしていかないと。
帰りの電車で、芝居のプランに迷ってきたのでもう一度台本を読みこむ。イメージを豊かにしよう。
帰宅して夕食、風呂。
英語「ハムレット」を見て、台詞が浮かずにやっている俳優達がどんな風にやっているのか見る。と言ってもこれは日常的な演技がベースで媒体も映画なので、宮城さんがいま目指している演技とは違うだろう。でも、イメージを持つために、ばっちり作られた城や城内を見れたのは良かった。
就寝。

15(金)
起床。昨日途中で観ながら寝てしまった「ハムレット」のレアティーズが出てくるところだけ見る。
梅ちゃんを放鳥。手を出したら噛みつかれて離さなかったが、手が冷えていたからか我慢できる程度の痛みだったので気が済むまでそのままにする。
同じレアティーズで、同じ台詞でも、演じる人によってこんなに印象が変わるものなんだなあと思う。このレアティーズは少し性根がいやらしい感じがある。
朝食。
姪にコーヒー豆を挽いてもらい、時間がなかったので淹れ方も教えてやってもらう。ちゃんと教えると結構上手にやるのでそのまま任せて、洗い物を済ます。
今日は姪ひとりでコーヒーを淹れ、俺を姉に持っていき、10円もらっていた。
いつもままごとでコーヒー屋さんをやっているが、本当に淹れられるようになった。
ままごとというのは、遊びだけれど、実際できないことを遊びにして消化しているだけで、本当にそれが出来たらその方が楽しいんじゃないか、今世界の超分業化で、自分が仕事で何をやっているのか、作り出しているのか、それがどう自分が生きることに繋がっているのか、実感を得づらくなってきているから自分という存在自体もぼやけてしまうと服部ぶんしょうさんの本で読んだが、姪もこういうコーヒーを自分で淹れてママが美味しいと喜ぶとという実感を得たのはすごく嬉しそうだった。
そして美味しかった。
姪はよくyoutubeで子供チャンネル?子供がままごとしてる様子を真剣に見ているが、コーヒーの淹れ方の動画を見せても同じように真剣に見ると思う。明日の朝見せてみようかな。
電車でリハーサルへ。
自主練は特に人と関わる練習がなかったのでパンデーロの練習。N口くんに教えてもらって練習。最初はどうにもならないかもと思ったが、なんとか出来そうな感じがしてきたので一安心。
昼食休憩。
トレーニング。
足踏みの際、腰が落ちていると言われる。左右のブレは意識していたが上下は無自覚だった。
宮城さんが、演技について話し出して、とてもおもしろくて勉強になり、ふとこんな環境でこんな話を聞けて、しかもお金ももらっているということがなんて贅沢なんだろうと感じる。お金払わないといけないんじゃないかと思うくらいで、払ってでもここにいたい俳優もいるだろうと思うくらい、面白い。
これはこの後の劇場でのリハーサルでもずっと思う。ともかく面白いし、実践したい。
冷静にこんな風に話を面白がれるのは、自分がいまアンダースタディとしてずっと外からオリジナルキャストの演技を見ながら話を聞けているからだとこと思う。
宮城作品に関わる第一弾としてはとても良い状況でラッキー。
でもいざ実践しようと、自分の役について台本を感情でざっくり捉えるのではなく、言葉で論理的に読んでみようと思うとどうやっていいかわからず、先輩のK島さんに聞く。
聞いたり発したりする言葉があって、感情が生まれるのはその後と言われて、へーと思う。
親切丁寧に教えてもらい、その場ではわかったが、いざ台本に戻るとやり方がわからない。
再び稽古後にK島さんに、台本を持ってレアティーズの台詞を考えるには、どう台本の台詞、言葉を論理的に読みこめばいいのか具体的に教えてもらう。
実践しながら教えてくれたのでなるほどと納得もいくし、自分がやった事のない作業だったので、感情ではなく言葉に身を任せたらどうなるのか楽しみ。任せる為にはイメージが貧弱すぎることもわかる。
そのあと、コロナ禍のアンダースタディチーム用に小道具を作る作業。
こういう作業が、宮城作品だと残業で色々あって帰りが遅くなるというものかと思った。
今日準備してくれた木材で作れるところまで作って終わる。
自分はこういう作業は好きだが、今は楽器練習も台本の読み込みも全然足りていないので正直に言えばやりたくないけれど、これはこの演劇を成り立たせる為には必要な作業だからしょうがない。
作っている時に、今使っている木材も税金で買ってきたものだと思うと、切り出しかたも無駄や半端が出ないようにしないとと適当にできない。
自分は俳優として、こういう作業や楽器演奏ばかりをやるとなった時に、それでもSPACに関わりたいと思うのだろうかと、未来のことを考えるが、まあ今回やってみてだよなーと思ってとりあえずは考えないことにする。
パンデーロの自主練。昼の時よりも下手になっている。
早く覚えたことは早く忘れる。
電車で台本を論理的に細かく読むようにトライしながら帰宅。まだ受け売りでしかないが、前よりは少し読み方がわかった。
自転車に乗りながら台詞を言ってみる。言葉を口に出すことを信じてみる。
口に出してみることで、言葉が意味を教えてくれるというか、あるセリフでそういう解釈の仕方もあるのかと気付きうれしい。
帰宅して、風呂、夕食。
シチューが作ってあって嬉しかった。
もう一度台本を読んでみて就寝。

起床。
姪がわがままを言っていたので、コーヒーを淹れるっていう仕事を与え、コーヒー豆とミルを渡す。
山パラへ行き、キクイモが好きだという同じ座組みの女優さん用に収穫。
帰宅して、姪にポットとお湯を渡してコーヒーを淹れてもらいながら朝食。
姪のコーヒーを飲む。4歳になったばかりなのに豆から挽いてちゃんとフィルターでコーヒーを淹れられてすごい。「T子のコーヒー屋さん」という名前らしい。
給仕までやって一杯10円、安い。姉が払っているので明日からは俺もちゃんと払おうと思う。
9:00の電車でリハーサルへ。
自主練でパンデーロと、台詞をちゃんと声を出して練習。
声を出してやると自分のブレスの続かなさで全然プラン通り行かない。
廊下で「父を返せ。」という台詞を言ったら、廊下の端で同じく自主練をしていた先輩のT野さんが走ってきて「その、父っていう響きはもっと低い方がいいんじゃないかな、軽蔑してる父じゃないよね?」みたいに言いにきて、僕が「父」というと「押すんじゃなくて」と言われる。どんな「父」なのかしっかりイメージしてそれにあった響きを探した方がいいとのこと。
凄いなと思う。これまで自分がどれだけ無自覚に感情みたいなものに任せて(その感情ってものもただのノリくらいなやつ)台詞を言っていたんだろうと思い知った。
と言ってもなかなかイメージが掴めない、というかイメージを持つことができない。難しい、どうしたらいいのかわからない。
トレーニング、リハーサルとするなかで色んな人にどんな風にやっているのか聞きまくって情報過多になってきた。
考えすぎて良くなるタイプではないのでどうしたものかと迷うが、今回は宮城色に染まろうと決意して参加しているので、そこにトライ。
リハーサル後、自主練をしてから出演者のY見さんと小道具作り。
Y見さんと色々話しながら作業をして色々わかった。Y見さんは鈴木忠志さん時代のSPACからやっていた人で、鈴木さんのいう「演劇にまつわる事はスタッフ出演者関係なく全てやれるのが演劇人」という意味での演劇人で、それを楽しめるし、俳優、スタッフと別れてサラリーマンの様にやるのが嫌なんだなということがわかって良かった。
一番舞台上で絡む人だからY見さんのことが知れて良かった。
22:30の電車に乗って帰宅。遅くなった。このリハーサルが始まってから演劇のことしか考えていないなあと思う。これからもっと演技や演奏で追い詰められてあと一月くらいは演劇漬けで他のことに手がつけられなくなりそうだ。
風呂、夕食、ビールを飲みながら映画の「ハムレット」を見ながら就寝。

17(日)
起床、「ハムレット」の続きを見る。
朝食、眠る。
昼食、眠る。
おやつ、眠る。
夕食、眠る。
風呂、彼女と電話。
夜、使い切ったペンの替え芯を買いにコンビニまで散歩がてら外に出る。
台詞の練習をしながら歩く。歩くと頭が働くということを期待して。
どう台本を読み込んだらいいのかわからなくなっていたが、ふと思い返せば、当初より色んなイメージが付いてきていることを感じる。これまではそういうやり方は向かないと諦めて、そういう作業はしていなかったからやり方もよくわからないし時間は掛かるが少しずつ、少しずつイメージを豊かにしていこうと思う。
帰宅。
お酒を飲んで就寝。

18(月)
起床。
台本を読む。
朝食。姪にコーヒーを3人分お願いする。
YouTubeで美味しいコーヒーの淹れ方動画を見せるが、あまり良い動画ではなく、大人用なので子供にはわかりづらいというのもあってあんまりという感じ。
出来るだけ手伝わずにやってもらう。
姪に10円を払って、コーヒーを飲みながら就寝。昔見た「美味しいコーヒーの真実」を思い出し、うちがインスタントコーヒーを飲むことと、豆から挽いて飲むこと、普段朝はコーヒーを飲まない母も飲むことで、コーヒーの消費量が上がってどこかの国の人が苦労することになるのかもしれないと思うとT子のコーヒー屋さんを続けることはどうなんだろうと思う。ほんと、俺はめんどくさい男になったものだ。
日本人なら自国でとれるお茶を飲んでいるのが一番ということはわかっている。せめてフェアトレードの豆を買ってこようか。
電車でリハーサルへ。
トレーニング。
昼食。
リハーサル。
初めてDチームも冒頭をやる。初めて宮城さんの前で台詞を発するが特にダメ出しはなし。まあ、一言しか発していないので言いようがないかもしれないけれど(ってそんなことはないだろうけど)、何か欲しかった。
とりあえず、一番懸念していたパンデーロの演奏がどうにか出来そうと思えたので良かった。楽器の演奏と二言の台詞とちょっとした動きだけなのに、それを全て同時にやるとなると難しかった。当然だけど実際に体を動かして練習していかなければと思う。
別のシーンで、初めて宮城さんが「良かった」と言っているのを聞いた。
休憩中に母から、1年ほど前に流行った幸運になるというチェーンメールみたいな沖縄で現れたというフェイクの雲の手の画像がLINEで送られてきて、なんか切なくて胸がギュッとなる。なんで返していいものか迷っているうちに送信が取り消されて、きっと誰かに指摘されたんだろうなあと思う。
動揺していたら、先輩のK島さんが「まあ、がんばれよってことでしょ」と言ってくれてそうだよなと納得する。
トイレでO野さんに会って、「どうですか?」と聞き、「どうですか?」と聞かれ、「まだ演技に関しては台本の読み方からトライ中って感じです」ってことを伝えると、「まず熱演でしょ」と言われて、うんと思う。けど、おれはすぐ精神論とかノリでやってしまうので、考えた上でというか、考えた結果熱演できるようにしようと思う。
リハーサル後に自主練で楽器練習。パンデーロ、ディジュリドゥ、トランペット。
トランペットのファンファーレのフレーズが決まったので1年ぶりくらいに吹いてみる。思ったより音が出たのでほっとする。
F子さんが鍵の借り方返し方を教えてくれる。SPACの一員になった感。
彼女から母の雲の手のLINEが彼女にも来たが、同じく削除されていてなんかせつなかったと連絡が来ていて、ともかく幸せを願ってくれた気持ちには純粋に、「ありがとう」と返信しておく。
殺陣の練習。難しいし、金属でできた剣なので重いし、ちょっとしたミスで怪我をさせてしまいそうで怖い。要練習。
帰宅して風呂、夕食、就寝。

19(火)
起床、朝食、梅ちゃんの小屋掃除。
準備をしている間に姪にコーヒーを淹れてもらう。
ふと、自分がいまやっている演劇での作業が、ただの優等生的な取り組み方でこれでいいのかなあと思う。
ただSPAC色に染まろうとしているだけでいいんだろうか、俺自身はやったことないことで興味津々だが、観る人はどうなんだろう。
「妖怪」と同じく、俺が出演するのは中高生鑑賞事業。初めての観劇体験という子が多いだろう。
レアティーズはふざけようが無い感じがするから、真面目に愚直に取り組むしか無いのかもしれないけど。
彼女から、結納で福島を訪れる家族にるるぶが送られて来ていたのを見つけたので、母に渡す。
リハーサルへ。
トレーニング。
今日は宮城さんが不在で、K島さんが指揮を執ってくれ、僕ができていないことを都度指摘してくれありがたい。
昼食休憩中、殺陣の振り写しをしてもらう。
まだ決まっていないところもあるが、一応一通りさらえた気がする。
リハーサル。
Tチームが最後まで行き、冒頭からDチーム。
今日までは見学のつもりだったので準備不足は否めないが宮城さんからどんなダメ出しをもらえるか楽しみにしていたが、僕の出番のところまでは回ってこず。
「俳優がずっと取り組むべき課題は〜」とか、「これは素人が無自覚に一番陥りやすいことなんだけど〜」とか宮城さんが言い出しておもしろい。
なかなかそんなことを言い切る演出家もいないから、鵜呑みにする僕としては、なるほどメモメモという感じ。前も思ったがお金をもらってこの場にいられるって本当ありがたい、税金だし、その分県民に舞台上でお返ししなければと思う。
リハーサル後、Dチームで今日やらなかったところを明日の予習としてやる。
実際立ってやると色んなことを同時には出来ず、全然立てない。稽古、稽古が必要。
台詞を状況のイメージを持ったまま言えるように自主練。全然言えないし、まだイメージが曖昧すぎて、揺らぐし、これだ!というものも見つからない。
台本を読み込みながら電車で帰宅。
隣に座っている夫婦がうるさい。特に初老のおっさんの口が悪くて、奥さんはよくこんなトーンの声を毎日ずっと聞かされて耐えれるなあと驚く。
他の駅で女子高生4人が自分の前に立って恋話をしていて、おっさんの罵声と女子高生のキャピキャピでなんとか中和されて耐えられたが、今の稽古場での感染症対策から考えると、絶対コロナウイルス浴びてるよなあと思う。 
自転車で帰宅。風呂、夕食。
明日のリハーサルがいつもより遅くなる旨のメールが届いたので彼女のお父さんに頂いて残っていたウイスキーを全部飲んだら相当酔っ払う。
これだけ酔えば脳の疲れもリフレッシュされそう。酔っ払うって楽しい。演劇のことを考える。そもそも一緒に立つ共演者のことを信頼していないのがいけないと思う。まあ、まだ個人練ばかりでほとんど一緒にやっていないからそりゃそうなんだけど。
信用して、自分も信用されるような、信じられるような演技をしようと思う。
就寝。

20(水)
起床。
昼くらいに劇場入りしようと思うので、のんびりした気持ちで台本を読む。日進月歩。
朝食を食べ、昼前まで台本を読む。イメージの乏しさは否めないから、とりあえず代わりにどういう体になっていて、どこに向けて台詞を言っているのかを考える。
電車でリハーサルへ。
楽器と殺陣の自主練。
トレーニング。
リハーサル。
Dチームの最後の方を通してやる。
初めて宮城さんに見てもらったからノーツを楽しみにしていたが、時間がなくて特になし。
他の人が受けていたノーツで、台詞を覚える時に内容で(まとまりで)覚えるんじゃなく、ネックレスのように単語で細かく覚えた方がいいということと、発する言葉で相手に影響を与えなければならないと考えると、言葉によって持っている重さが違うから投げ方も変わると言っていて、おもしろかった。
昔ほかの人に言われたアドバイスとかが、今回色々繋がる。こういった方法論がちゃんと確立されてて言葉にできるって劇団の強さだよなって思う。
劇場に移動して場当たり。
美術の鉄の塔の存在感がすごくてかっこいい。
場当たり後、Dチームの劇中劇の部分の自主練。
電車で帰宅。
いつものことながら、帰宅した時には、母は布団に入ってスマホを見ている。そして「今布団に入ったところだよ」というが、何か先に寝ていることに引け目を感じているのだろうか。
毎度、「別に気にせず先に寝てていいよ」というのだが。
夕食、風呂、就寝。

20(木)
起床。
甘酒を飲んで、台本と昨日のリハーサルの記録映像の確認。
思っていたより全然言葉が粒立っておらず団子状態だった。イメージが足りないし、状況もわかっておらず、場がスカスカな感じ。
朝食。
台本を読んみながらリハーサルへ電車で向かう。
劇場前でK島さんに会ったので、昨日のリハーサルで僕が演技しているところを見てもらってのアドバイスをもらう。
とりあえず腹から声は出てて嘘の声じゃないからそこはいい、台詞もプランがあるというのはわかった、あとは言葉に対するイメージをもっと細かく持つことと、舞台上の相手と観客との双方向の関係性を体でしっかり繋げて積み上げていくことじゃないかとのこと。
とりあえず、それを聞いて五里霧中から少し指針ができた気がしてほっとする。
殺陣の自主練。
締め太鼓のフレーズを教えてもらう。
トレーニング。
その後自主稽古でチームDの通し。昨日よりはいい感じ。
シーン毎の自主稽古をして、締め太鼓の演奏練習をして電車で帰宅。
夕食、風呂、演奏の練習をして就寝。

22(金)
起床。
母から、昨日畑のM浦さんが色々野菜を持ってきてくれて、2月末くらいにまた畑の耕運をしてほしいといっていたと聞く。
あと新聞に猟師のA一さんっぽい人が喪主の通夜が載っていたと聞き、確認すると奥さんの亡くなったのが名前だったので今夜の通夜に行くことにする。
朝食を食べて、姪にコーヒーを入れてもらい、今日通夜に行くならリハーサル後の自主練ができないから早めに劇場に行って自主練をすることにする。
締め太鼓の練習。
演奏を主に担当するチームのリズム練習に混ぜてもらう。みんな色んなリズムを刻んでいて素敵。ただ僕は一定に叩いているだけなのにめちゃくちゃ気持ちいい。
Fさんに一昨日の僕を見てどう思ったか感想を聞く。
声が嘘というか、作っているとは感じなかったと言われてほっとする。
あと前にバーンと出すエネルギーの時は良いけど、それ以外の時もちゃんと丹田にエネルギーはあるべきで、それをどう使うのかっていうのを探っていくといいと思うとアドバイスをもらう。
K島さんに、エネルギーを丹田に、とか言うけどそれって感じるものですか?と聞くと、ちゃんと実感があるものらしい。
でも体に力が入っていると感じられないらしいから、まずは力が入っているところを意識して抜いていくことだ。
トレーニング。
宮城さんの、美しさを判断できるようになるには美しいものを見るしかない、自分で美しいものを作れるようになるにはさらになぜそれが美しいと感じるのか考えないといけない、という話から、音楽の話になって、いつもトレーニングに掛けているプレイリストは宮城さんが、美しい、一流と思ったものらしく、そう聞くとありがたいなあ、もっと意識して聴いてみようと思う。
そして、最後はセリフの言い方の話になり、全ての音をセンシティブに聞いて演奏しているからこの曲は100年後にも残っていると思う、言葉を発する時もそうあるべきだという話。
あと「肩に力が入っていたら絶対上手く言えない!」と言い切られると、そうなのか、じゃあ肩の力を抜こう、と思う。
Dチームの自主練。
色んな意見があっておもしろい。どんなことが気になるのかで役者感がわかってきておもしろい。
通夜に行くため、リハーサル後、片付けをせずに帰らせてもらう。
自主練しないとめちゃくちゃ帰りが早い。
帰りの電車で、メールを確認すると文化庁の継続支援の申請が通ったと連絡が来ていた。思えば今朝、農業に特化した感じで申請したからやっぱり通らなかったかー、という夢を見たことを思い出した。
帰宅。
礼服に着替えて猟師A一さんの奥さんのお通夜へ。
お線香をあげて、A一さんと話す。大晦日に会って、3週間ほどでなくなってしまった。脳の方に水が溜まったとかで1週間ほど前に入院したらしい。まあ癌からの何かだろうと。お顔を拝見するがまあ普通。若い頃の写真が飾ってあったので「若いですね」というと皆が笑っていた。僕が知り合ってからは2年くらいだが、口では毒を吐きながら愛を持って接してくれていたので寂しい。結婚する彼女を連れて挨拶に行くと約束していたのにできなくて悔いが残る、正月明けにきたときに挨拶に行けば良かったと思うが、ほんと後悔先に立たず。俺が素敵だと思う夫婦を彼女に見せたかった。
「また落ち着いたら、サシで飲みましょう」と伝えると、「明日だよ、明日」と言われるが、告別式の会食には今のコロナ禍で演劇が控えていて行けないのでお断りするが、残念。きっと掛川で昔から住んでいる荒いノリの人のそういう場に行けたら色々面白かったろうなと思う。
帰宅して夕食、風呂。
お菓子を食べながら、文化庁の助成金で買うものをチェックして就寝。

23(土)
起床、朝から大雨。
色々農作業をしようと思っていたが諦めて朝食、父のお墓参りも明日にするという事なので、寝る。
昼過ぎに起きて、昼食。
助成を受けて買うものを買いに、ホームセンターをはしごしてワークマンへ。
助成金をもらえるから、一気に買い物をしないといけないが、普段買い物をしないから、すごく迷ってしまう。
父の肩身の登山用リュックを、狩猟用に使っているが狩猟には使い辛いから買うかどうかとか、肩身のノースフェイスのボロボロになったレインスーツをまだ使うかとか、チェーンソーや草刈り機はどれがいいかとか、もうとにかく迷って時間が掛かりまくる。
帰宅して夕食。その後ネットで色々購入。
風呂に入って、台本を読んで就寝。

24(日)
起床、朝食。
朝から姪がオセロをやっている。勝つと上機嫌だが、負けそうになると泣き叫びだし、途中でやめてずっと泣き喚く。いつもこうなのでどうにかならないかなあと思うが、姉が悔しくてやめたらそれで終わりで強くならないよと何度も言っていて、なるほどなあと思う。
母が駅方面に車で行くというので、朝食を食べたばかりでしんどかったので、ついでに乗せてもらう。
電車でSPACへ。
電車に乗っている時に、養蜂仲間のAさんから久しぶりに連絡があり、ミツバチの越冬具合はどうか聞かれて、不安になる。
日曜で空いていて、集中して台本が読めた。
ふと演奏の時ふんどしがいいんじゃないかと思う。提案してみよう。
トレーニング。
相変わらず、先輩方が丁寧に指導してくれありがたい。このトレーニングをちゃんと今回活かせるようにしたい。
自主稽古で、劇中劇部分の練習。とりあえずフレーズが固まって良かった。
ここで一度稽古を終えて、別のSPACの座組みの「病は気から」を観劇に行く。
モリエールの舞台は初めてなので楽しみ。浅草の母に前世はモリエールと言われてからずっと気になっていた。何か感じるだろうか。
観劇。いつぶりの観劇だろう。一年ぶりとか?これは中高生鑑賞事業としていいだろうな、中高生は楽しむだろうなあと思う。
あと、SPACの俳優さんはこんなお芝居もできるんだーと単純に新線で驚いた。失礼な話だけど。
俺がでたら、どんな風にやっていたんだろう。ああいうお芝居できるのか?
期待していたモリエールとはちょっと違った。笑えはするけど、今自分がハムレットをやっているからか、もっとゴリゴリにハードなモリエールが観たかった。というか本来がああいう感じなのか?「人間嫌い」とかいう戯曲しか読んでないからわからないけど。
最後のお医者さんが沢山出てくるところは、今自分が感じている世の中への問題意識に通じた感じはした。
どのくらい戯曲に書いてある以外のことをやっていたのかわからないのでなんとも言えないけど、まあ読んでみればわかるか。
帰りの電車で、演出のノゾエさんのことを調べたら、「はえぎわ」の人だとわかった。
むかーし一度観たことはあった。あと劇団員の鳥島さんとは共演もしたし、山口くんは快快の公園で対戦相手になってもらったことを思い出した。
劇場に戻って、観劇前に練習したところの復習と、今日やるレアティーズの自主練。
何度かレアティーズのシーンを返させてもらうが、途中で自分のついている嘘に耐えられなくなってしまう感じ。
やっと他の人から、見て意見をもらえて嬉しい。まだまだだ、というか全然稽古してないし、でも本番はすぐやってくる。
劇中劇でふんどしでやりたいと思っていたところを皆に見てもらう。
反応はよかった。これは自分の劇団の快快でやってきたような立ち方なので得意分野で頭が働く。
太鼓の自主練をして帰宅。
ふんどしを探して、夕食、風呂、就寝。

25(月)
起床、朝食、劇場へ。
トレーニング。
宮城さんから直接、丹田の位置をもう少し後ろに引いた方が良いと言われる。
なるほどという感じ。丹田を感じやすくなった。
リハーサル。
ふんどしを巻いて劇中劇シーンをやる。
見ていた方々から拍手をもらって嬉しい。
尻を太鼓にして叩いてみたら、また皆が喜んでくれて嬉しい。これは得意分野だし、皆に自分のことを知ってもらえて良かった。
その後レアティーズのシーンをやる。迷い出す。
休憩中、再びAさんから連絡が来て、今日は暖かいので給餌したら飲んだとのことだった。明日自分も暖かいから給餌と内検をしに行こうかなと思う。
衣装合わせ。
皆が衣装に着替えると、世界観が見えておもしろい。オリジナルキャストと全然違って、ヤクザ感がすごい。
ドキドキしながら、今日衣装さんに提案した劇中劇のふんどしの衣装も普通にこれが衣装ですという顔をしていたら、宮城さんからおっけーをもらえたのでほっとした。
太鼓の自主練をして帰宅。
夕食、風呂、就寝。

26(火)
起床、梅ちゃんの小屋掃除。
給餌に行こうと砂糖水を作る。
朝食後、軽トラに積んだままだった買い物した荷物を下ろして、ギリギリ間に合いそうだったので急いで山へ向かう。
内検するために下の板を外すと20匹ほどミツバチが落ちていたので全滅か?と思ったが、すぐに羽音がブオンブオンと言い出したのでホッとして中の写真を撮って確認すると、以前より勢いがある感じでびっしりいたので良かった。
砂糖水をタッパーに入れて巣箱内に入れて、急いで帰宅。
なんとか自転車で急いで電車に間に合い、劇場へ。
トレーニング。丹田の意識が当初よりはできてきた感じがする。
リハーサル。
通し稽古。とりあえず、セリフを言う前に息をたくさん吸うことを意識する。
レアティーズがうまく流れない。言葉を大事にしたいのに、結局感情っぽいものに頼ってしまうのが良くない。
通し稽古後、初めてハムレット役のY也さんがアドバイスをくれる。感情に頼らずにやる方法というか、興味深い。が、どうやったらいいかまではよくわからない。
正直なところ、言葉を信じて二週間やってきたが、行き詰まった感というかこのままの方向でいって自分が納得行く形で舞台に立てるのか不安になり出したところだったので、頭が働くようなヒントがほしい。
共演者の方々に、何を考えて何を指針にやっているのか聞く。
皆色々だなあと思う。
もっと頭を柔らかくして、自分の頭が働く方法を見つけるため、もう一度台本と向き合おうと思う。
雨が降っているとのことで姉が駅まで車で迎えに来てくれる。
沢山届いている荷物から植物だけ梱包を解く。
夕食。風呂。
台本を読んで考え直す。
演技というのが、その役をそのままと演じて、舞台上でまるで人生を送っているように(映画の演技、日常的な演技を)見せるというやり方が観客にベストなのではなく、演劇なんだから観客にどんな影響を与えたいのかで変わるなと思って、気が楽になり頭が働き出す。観客のために演じようと思う。感情論から抜け出せた感じがして、言葉に向き合えそう。
就寝。

27(水)
起床。
朝食。
トレーニング前に自主練がしたいので早めに家をでる。
稽古場にK島さんがいたので、別チームで何事もなければ共演する予定は無いが、練習のために相手役をしてもらう。
体感として、役の関係性が感じられたのでとても良かった。ありがたい。
トレーニング。役に活かせるよう意識する。
トレーニング後、俳優T野さんに演技に関して迷っていることを相談する。
セリフを朗読しようと思ったのは、良いと言ってもらってほっとする。特にシェイクスピアは詩だからとのこと。
あと色々やろうとしなくても、立ち姿も声も良いから、ちゃんと言葉をお客さんに想像してもらえるように伝えればいいと思うと言われた。信じる。
別チームの劇場でのスタッフワーク込みの通し稽古を観劇。
映像みてかっこいい!と思ったSPACのハムレットが見れてよかった。
ハムレットのT石さんが、チーム毎に分かれて稽古してる間にすごく良くなっていた。
自主練を挟んで、宮城さん込みのリハーサル。
見て欲しかったレアティーズのシーンまではいかなかったが、おもしろかった。
明日休みなので、自主練はせずサクッと早めに帰ることにする。
帰宅して、夕食。
沢山届いていた荷物の荷解きとそれの領収書を助成金用に整理。
明日作る養蜂の巣箱の設計を整理して就寝。

28(木)
起床、朝食。
雨なので車庫で午前中いっぱい買ってきてあった木材で巣箱を作る。
山パラへ買った一輪車を置きにいく。ついでに今の畑の状況を確認。
タマネギがあまり育っていない。土がまだできていないのか。
グリンピース、ソラマメ、エンドウマメは順調に育っている。
ライ麦がかなり大きくなっていて驚く。
唐辛子は枯れて乾燥していたが、雨に濡れていたので乾いたら収穫しようと思う。モロヘイヤの種も乾燥したら収穫しないと。
帰宅して昼食。
ホームセンターへ行き、木材を買いたかったが、カットして欲しいので昼食時はスタッフさんも薄そうなので迷惑にならないよう時間をずらそうと思う。
時間潰しにミツバチの給餌用に砂糖水を作って、成長があんまりなタマネギ用に油粕を水と混ぜて液肥をつくる。使えるのは発酵して1ヶ月後。
砂糖水を持って、ミツバチの様子を見に山へ。一昨日外に置いて置いた砂糖水は全て無くなっていたが、巣箱の底板に大量のミツバチが死んで落ちていた。
砂糖水が外にあることを知りを飲みに外に出て、昨日一昨日は暖かくて良かったが、昨晩から寒くなっても外に砂糖水を求めて出てきて死んでしまったのかもしれない。
巣箱の中の砂糖水はあまり減っていなかったのが意外だったが、ちょっと通り道が狭くてアクセスしづらかったのかも知れないと思いそのままにしてあと数日様子を見ようと思う。
ジャンボエンチョーへ木材を買いに行くと、狩猟を始めた時に、買った罠を手本にそれを作る為の手ほどきを親切にしてくれて大好きなスタッフのY桁さんがいたのでほっとする。
めんどくさいカットをお願いしたが快く丁寧に応じてくれたし、色々やり方が賢い。
Y桁さんだったのでやる気が出て、追加で木材を買って工作室で予定していなかったものも頑張って作ることにした。
帰宅して巣箱作りの続き。今日やる予定じゃなかった巣箱の別の部分も作り出したせいでかなり時間に追われるが、目標より沢山作れた。
夕食。風呂。
七間町ハプニングのオンラインでの打ち合わせ。
構造がシンプルになって頭が働きだしたので良かった。
ハムレットの台本をじっくり読んで作戦を立てる。
色々新しい発見があり、まだまだイメージは固まらないがなんとかなりそう。
就寝。

29(金)
昨日ゆっくり湯船に浸かってから寝たからか、ぐっすり眠って、ギリギリに起きる。
にもかかわらず朝食をしっかり食べて、おにぎりを作ってとやっていたら、強風で自転車でダッシュしても間に合わないかもという時間になってしまったので、母にお願いして車で駅まで送ってもらう。
道が空いていたので、駅でタバコを一服する時間もでき、少し落ち着いた気持ちになる。
東静岡についてから、朝コーヒーを飲む時間が無かったので缶コーヒーを自販機で買って一服。
トレーニング。
新たに宮城さんから足踏みに対してアドバイスを受ける。
今回の作品で具体的に欲しい体があるので、トレーニングも有意義な気がする。
Dチームで自主のリハーサル。
劇中劇部分の稽古と通し稽古とみんなで車座になってフィードバック。
僕が今日トライしていた観客のために台詞をいうということが伝わったようで、よかったところもあったと言ってもらえてほっとする。まだまだ出来ていないが目指すところへの指針が立ったので良かった。
昔チェルフィッチュの岡田利規さんがリハーサルで、クッキーを食べている女優さんに「もっとお客さんのために食べて」と言っていたのが印象的でずっと心に残っていたが、その意味がやっとわかった気がする。
電車で掛川へ。
駅から歩いて家まで帰りながら、台詞を声に出していたら、ワンフレーズがこれだ!って言い方が見つかった。こうやって一つずつセリフを言えるようになって埋めていく地道な作業なんだなと思う。俳優って大変だ。
歩くと頭が働く気がする。
夕食、風呂、就寝。

30(土)
起床、梅ちゃんの放鳥。言葉は通じないけれど好きだということを伝えるため、ここ2ヶ月ほどキスをするようにしている。
最初は噛み付く素振りを見せていたが最近は受け入れてくれるようになって、伝わったと思う。
朝食。
駅前で一服。
タバコは最近では、二次の受動喫煙より更にハードルが上がって、三次の服や髪についた匂いすら有害物質がと言われるようになったというニュースを見た。
掛川の駅前にはすぐわかるところに3箇所も喫煙所がある。最近では出先の駅で喫煙所を見つけることさえ難しいのに、掛川いいなと思う。
関係ない人からになるほど受動喫煙は気になると思う。大都市になる程関係がない人が増えるから喫煙所がどんどんなくなるのかなと思う。
なんて思って、広い心と思っていたのに、電車内にうるさい婆さん2人が乗ってきて、ずっと大きな声で世間話や体の不調のことを喋っていると、そんな話は聞きたくない、だまれ!と怒りが湧いてくる。コロナの影響か、大きな声で喋っておいてコロナに関しては1番敏感で、ニュースで何人感染とかを細かくチェックして出歩く人を批判する。この鈍感さに腹が立ったのか。
まあつまんないから忘れよう。愛を。
トレーニング。
昼休憩。
リハーサル。
国王とレアティーズのシーンを見てもらいながら稽古。関係が見えてきた。
黒人のデモの様子の動画を参考に見せてもらう。切実さと引き裂かれ。
Tチームのゲネプロ観劇。
メガネを忘れたので正直あまりよくわからなかった。
Dチーム通し稽古。
うまくいかない。迷走しだした。本当にこれでいいのか揺らぐ。もう一度確信を得るため考えよう。
帰宅。
風呂、夕食。
今日と昨日の通し稽古の記録動画を確認。
うーん、良くない。こうやりたいという確固たるイメージが掴めていないので、見たところで良くないということしかわからない。
就寝。

31(日)
起床、朝飯前に台本を読む。
朝食、劇場へ。
今日はTチームのプレビュー公演で、コロナ禍で、久しぶりの宮城演出の作品が静岡芸術劇場で、受け入れ体制になっていて、なんか高揚感がある。劇場はやっぱりお客さんが来て初めて息をしだすって感じがした。
トレーニング。
昼食。
リハーサルでDチームの前半を通す。
Tチームの観劇。
お客さんがいる劇場はやっぱりいいなあと思う。
本番中もお客さんの様子が気になり3F席だったのでやたらと見てしまう。
寝ているお客さんが多い気がする。
観劇後、ラスト前までの後半を通す。
本番後で空いている劇場を使って、オープニングとラストシーンの通し。
リハーサル室と違って、当然だけど客席があって良い。空間が広くて、リハーサル室の状態では自分の声もスケールも届かないことを感じる。
掃除をして帰宅。
風呂、夕食。
明日はオフ。とりあえず溜まっていた宅急便で届いた荷物の荷解きをして、領収書の整理をして、お菓子を食べながらアニメを観ながらのんびり過ごして就寝。



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