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仕事は自分を遠くへと連れてってくれる

4月だ。
勤めてる会社は新卒採用が無く、年度の変わり目をとくに意識することもなくこれまで過ごしてきた。
だけど子どもが4月に生まれて、保育園にも通うようになってからは、4月という月に節目をひしひしと感じるようになった。
誕生日やクラスの進級などイベントが続いて、息子はどうだろうか、親はちょっと疲れてます…

毎日が切れ目なく続いていくけれど、
こうして仕事を続けられるのは、家族みんなが元気なおかげだとしみじみ思う。
夫、息子よ、ありがとう。

主に内勤、オフィスワークの私だが、先日久しぶりに外出の機会があった。
こちらがクライアント、発注者という立場で、新商品の打ち合わせに行く。
そこで憧れともいえるデザイナーさん本人に会う流れとなった。

まさか打ち合わせにご本人が登場すると思っていなかったので、かなり緊張してしまった。
もう10年以上は好きなブランド、憧れの人だからだ。
大学の友人とトークショーに行ったのも懐かしい。

打ち合わせでは、トークショーで話されていたその頃の印象と何も変わらない。
知的好奇心旺盛で、フラットで、頭の中で次から次へとアイデアが湧いていて、話しが次々と出てくる。

いろんな質問に、まるでこちらが試されているかのような。でもその場の楽しさが損なわれないユーモアがあって、本当に魅力的な方だ。

打ち合わせの後は、若干放心状態になった。
何年も前の自分からしたら、こうしてビジネスの場で対面してるなんて、すごいことだと思った。
こんなシーンを思い描けてただろうか?
いやいや、全然無い。

仕事で何を実現したいか、というのはよく問われることだと思う。
仕事をする私。母親としての私。
どこに主体があるかといえば、「私」を軸に語られがちで、「私」が何をしたいか、何をするかが重要…?

でも、本当の私はちっぽけだ。
仕事を辞めてしまっていたら、今回の打ち合わせは誰か別の社員が行ったまでだ。
ただの一個人だったら、この人と、こんな風にたくさん話しをすることなど無かった。

私は、仕事の役割に便乗して、会社の名前をお借りして、自分の憧れの世界にちょっと踏み入れたのだ。 

その事がとても幸運で、久しぶりに、いまの仕事を続けてて良かったと思える瞬間だった。

子どもが生まれると、とにかく自分の時間が無いように感じてしまう。
生活のために働いていると思っているし、子どものために母親業をしてると思う。その側面は否定できない。

でも子どもがいなければ、あえてトミカ博やプラレール博に行くこともないのだ。
母親という役割が、私をこれまで知らない世界へと連れてってくれる。

仕事も子育ても、役割という推進力を得て、自分を遠くまで運んでくれる。

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