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黒丸大根の種とり物語

まだ、大福(♂2才)がブランケットにくるまっていたころ
黒丸大根がとう立ちし始めた。
可愛い可愛い大根を1つも収穫することなくタネを取るために育ててきた。

収穫したい気持ちをぐっと抑えて
ここからぐんと背が伸び始めた

自分の身長はゆうに超えた黒丸大根の茎は小さな白い花を咲かせた。
大根には悪いがわたしは花を楽しむ余裕なく早く種がなってくれと時がたつのを願う。

なぜなら、伸びた長い茎を支えているのは、拳ほどの大根だからだ。
大丈夫かい?
なんとか持ち堪えてちょうだい。

大根本人が一番びっくりしているのはではないかと思うほど
頼りない、黒丸本体に声をかける。

種とりをすることで、植物の始まりと終わりを見ることができた。

心配した通り春の強い風で苗が全部倒れてしまったが、
支柱を使いなんとか種が成熟するのを待ちいよいよタネを取るときがきた。


一つ一つ見てみると
中で腐れていたり、虫が侵入していたりで実際に綺麗なタネが取れたのは1/10ほど。
それでも10月にタネをまくには十分なほどだったので一安心。
次回への改善点としては、とう立ちしたあと倒れないように支柱をしっかりしておくこと。
早めに収穫し感想させながら追熟すること。
この2点を頭に入れて、3代目を繋いでいこう。

ほとんどが虫によって穴があいて、雨が降ったことでタネは腐れていた
タネとりした後の残渣は、イヌたちのかみかみ道具に
無念。春の強風で支えきれなくなり倒れてしまった
育ててみて初めてわかる野菜の本当

秋に植える黒丸大根2世たちのために
犬たちが遊び終えた残渣は元の畝にもどす。

梅雨の合間に黒丸大根の畝に行ってみたら残渣から落ちた種が発芽していた。

よくない種だと見切って捨てた種が
わたしに向かって、何か言っているようだった。
せっかく発芽してもこの夏の暑さですぐに溶けて無くなってしまうだろう。
だけど野菜の力と本当の姿を半年以上見守るなかで教えてくれた。

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