多様性のジレンマ
今朝、何気なくテレビをつけていたら、「お節介ハラスメント」という特集が流れてました。
もう、ここ何年も朝の情報番組をまともに見なくなったので、今朝はホントたまたまだったのですけど、こんな特集が朝から流れるほど今は世知辛い世の中になっちまったんだなぁと何とも言えない気分になりました。
個人の時代といわれるようになったものの、それ以上に浸透していると思う言葉に
多様性
があります。僕は個人の時代と多様性の根っこは同じような意味になると思っているので、
1人1人を大事にしましょうね
という事では、どちらも同じ意味を持っていると思います
僕は、何でもかんでも今みたいに「○○ハラスメント」という風潮が好きではありません。
というのも、本来の「ハラスメント」の意味を逸脱して使われてしまうケースもあるからです。
今回の「お節介ハラスメント」もその1つだと思います。
本来、「ハラスメント」という言葉の意味は、
嫌がらせ
イジメ
という意味です
パワハラ=力による嫌がらせ
セクハラ=性的嫌がらせ
モラハラ=倫理的嫌がらせ
などは、言葉の通りですが、
スメハラ=臭いによる嫌がらせ
お節介ハラスメント=お節介の嫌がらせ
贈り物ハラスメント=贈り物の嫌がらせ
こうして文字にしてみると違和感を感じるので、なんでもかんでも「ハラスメント」とつければ良いという話でもないと思います。
こうした違和感を抱く事自体が、僕自身の未熟さなのかもしれないけれど、僕はそう感じてしまうんです。
ただ、臭いや、お節介、贈り物など、時と場合や関係性によってはそれが相手にとって負担(嫌な事)になるということがあるのは理解できます。
なので、こうした事の本質は
相手にとって負担になるかならないか
でしか図れない事だと思うので、その為にはやっぱり
相手との関係性が全て
なのじゃないかなと思うんですよね
という事は、やはり回りまわって
1人1人を大事にしましょうね
ってところを大事にできるかどうかって事になると思うのですが、これの何がジレンマなのかというと、
スメハラだ!臭いをどうにかしろ!
お節介ハラスメントだ!お節介やめろ!
贈り物ハラスメントだ!送り物やめろ!
と大勢が一様にして声高に叫ぶのは
多様性を求めながら、多様性を否定している
という事になるのではないかという事です
もちろん、セクハラ、パワハラ、モラハラの類は犯罪の温床にもなりえるので、否定されて然るべきだとは思いますが、臭い、お節介、贈り物と言ったものに関しては
多様性
として本来認められてもよいのじゃないのかと思うからです。
コロンはオシャレでつける人もいれば、本当に体臭が気になって悩みを軽減する為にしている人もいます。
オシャレでつける人を否定するのは、自分のオシャレを否定される事と同じだし、体臭で悩む人が悩みを軽減する為にしている事を否定するのは、自分の悩みを否定されるのと同じだと思います。
お節介をする人の本質は「良かれと思って」という純粋な愛情表現の一種である人もいれば、「自分が気が利くと思われたい」という利己的な場合である事もあります。
贈り物をする人にしても、「喜んでもらいたい」という純粋な気持ちがある人もいれば、「自分を覚えてもらいたい」という利己的な場合である事もあります。
そうした人の想いをごっちゃにして否定するのは、自分の想いや行動を否定される事と同じ事だと思います。
であるならば、この類の人達に「ハラスメント=嫌がらせ、イジメ」と強い言葉で声高に叫び数で攻めるのは、それこそ「ハラスメント=イジメ」行為になるのではないかなと思うんです。
じゃ、そのジレンマから抜け出すにはどうしたら良いかというと、
あなたのスタンスは理解しました
あなたの価値観は理解しました
と一定の理解を示したうえで、
『ただ、私の場合はそれを好まないのでご遠慮ください』
という意志表示をすれば良いだけではないかなと思うんです。
それでも続けてくるようなら、そっと黙って距離を置くという事もできると思います。
それすらも、『僕の価値観』でしかないので共感して頂ける方だけどうぞお願いしますというモノに過ぎませんが、日本人らしさって本来そういうところにあるんじゃないかなって最近よく思うようになりました。
こうした事はハラスメントだけに限った話じゃないので、あなたの周りにも「多様性のジレンマ」ってきっとあるのかもしれません。
だけど、そうしたジレンマをどう乗り越えるか
そうした事を自分なりに考え答えを出す事で「自分らしさ」という魅力がついてくるのだと思うので、考える事をやめずに、共に考え、共に見出し、共に歩いていけたらなと思って今回はこのような話をしました。
結構、ジレンマ抱えてる人いると思うんだよなぁ~(笑)
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