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恋バナが好きすぎて仕事にしたのはなんでなんだろう

恋バナが好きすぎて、毎日恋バナできたらいいのにと思い2017年に恋バナを仕事にした。

人の恋バナを聞いて、聞く対価をいただく。

最初はそんなバカなって自分でも思っていたけど、深刻な恋バナほど、家族や友人に話せなかったりするものだ。

まったく知らない第三者に聞いてほしいと思うこともある。

それは、自分でもそうだ。

恋バナの何がおもしろいのか?

若いときは、もしかしたら現実になるかもしれない下ネタにドキドキするのも好きだった。

大人になってからは、そうではなくなった。

絶賛恋しているにしても、今つきあっている相手といざこざがあったとしても、騙されて別れたとしても、そこには本人の本音が存在する。

なかなか誰かに本音を伝えるのは難しい。

ただ、恋というフィルターがあると、人は本音を語りだす。

僕はそこにおもしろみを覚えた。

恋は正直だ。

自分に嘘をついていると、恋愛成就は難しくなる。

自分が傷つかないように、本音をオブラートに包みながら誰かに想いを伝えようものなら、それは届くことはない。

人は、あまりにも予想に反して、あまりにも大きな力によって心を揺さぶられ、以前なんとも思っていなかった人のことすら好きになる。

そのことを知っている人は、どうやら少ない。

僕はそういう、まだ人間があまりわかっていないのではないかと思う恋愛メカニズムが好きなのである。

ところで、僕は小さいころから人間にもイルカと同じようなテレパシーを伝える術があると信じている。

内向的な人は、自分の想いを言葉にせずとも、どうにか届くことはないだろうかと考えたことがあるだろう。

僕は好きな子に向かって100回くらい「好きだ」と心で叫んだことがあるけれど、残念ながら伝わらなかった(ちなみに告白したらフラれた)。

テレパシーは、「空気を読む」に近い。

「空気を読む」の先にあるのは、相手がいる位置がわかるとか、相手の呼吸をつかめるといったものだと思っている。

小学校の頃、バスケで息の合った友人がいて、見なくてもそいつがどこにいるのかわかった。

だから、その方向に投げればそいつがいて、パスが下手な自分でもうまく見えた。

最高のチームメイトだった。

阿吽の呼吸とも言うのだろうか。

大学生の頃の親友と、友人の結婚式でコントをした。

なんとなくお互いに次の行動が見えたりして、台本があるかのようにシンクロしたことがあった。

僕は偶然ではなく、テレパシーだと思っているのだ。

話を戻そう。

恋愛には、テレパシーが働いているのではないかと思っている。

以心伝心しているカップルは、距離が離れていようともお互いを思い合っている。

思い合うというのは、ずっと相手のことを考えているわけではない。

地球に酸素があるように、すぐ近くで繋がっているということだ。

それは「信頼している」とも少し違っていて、世界の反対にいる人たちと私たちがなんらかの抽象的な繋がりを持っているようなものと思っている。

テレパシーに範囲があるかはわからないのだけれど、実は無限に繋がることができるのではないかとも思う。

深い友情ないし愛情によって人間のテレパシー能力が開花すると考えると、まだまだ人間も探求しがいがあるというものだ。

恋バナのどういうところが好きなのか。

まずは本音だった。

そして表情もそうであろう。

照れくさそうにすることもあれば、怒りが出てくることもある。

思わずにやけてしまうこともあれば、涙が出てくることもある。

それらは理性でコントロールできるものでもなく、心から全身に伝わり、なんらかの反応を示す。

恋愛というのは温かくもあるけれど、絶望的に冷たくもある。

誰かを好きになれば、心はその人で満たされる。

逆を言えば、心をその人に支配される。

諸刃の剣と言ってもいい。

自分の心を自分でコントロールしているつもりが、実は誰かに動かされていることがある。

恋愛には恐ろしい力がある。

恐ろしいことがわかっているのに、僕たちは恋愛をすることにそこまで抵抗はない。

よほどトラウマにでもなっていない限りは恋し続ける。

結婚したとしても、不倫をする人が後を絶たない。

なんて恋愛が好きな動物なのだろう。

人は元々、性欲によって誰かと一体化しようとした。

ところが、性欲の次に知識欲が生まれた。

それが、一体化の前に複雑で難解な壁を乗り越えていく気持ちよさを生んだ。

いつしか人と繋がるために知識欲を刺激しようとする行いは、恋愛と呼ばれた。

そんなところだろうか。

僕はよく、「悩みたいから悩むんだよね」と言う。

その原点は、そもそも知識欲を刺激したいから恋愛するんだよね? ということだ。

あぁ、恋愛はおもしろい。






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