No.25 作品展と「コンピュテーショナル・シンキング」
なんと一年ぶりの投稿です。
今後は以下でお話する理由で、より頻繁に書いていきたいと思います。
2022年9月の入園説明会で、園長として挨拶した時のことです。
そこで私は、「これからの「のぞみ」は、予測不可能な未来を出来る限り予測し、それに適した教育を行う」と宣言しました。
「のぞみっこの未来に最適な教育」。
それが国際バカロレア(IB)教育であることは、今も変わりありません。
あれから二年。
この間、「のぞみっこの未来」を左右する第四次産業革命(インダストリー4.0)が本格化しました。
AI(人工知能)の急激な進化と、それに伴う社会の隅々へのAIの浸透です。
その結果、IB教育の目標も一層鮮明になりました。
IB教育は、「コンピュテーショナル・シンキング(computational thinking)」という、「のぞみっこの未来」において不可欠な能力・資質を育むことを、最も重要な目標とします。
「コンピュテーショナル・シンキング」とは何か?
簡単に言えばそれは、「ある目的を達成するための、最も効率のいい手段を論理的に導き出す能力・資質」のことです。
IB教育はこの能力・資質を、「自由にのびのび遊ぶ」ことを通して育みます。
そして、「コンピュテーショナル・シンキング」を育むために最も適した「自由でのびのびとした遊び」が、芸術作品の制作です。
作品展まであと一週間。
子どもたちの「自由でのびのびとした遊び」の成果を御覧いただきながら、それがどのようにお子さんの「コンピュテーショナル・シンキング」を育んだのかを考えてみるのも楽しいかもしれませんね。
「コンピュテーショナル・シンキング」とは何か、なぜそれが子どもの将来を左右するのか。
それを今後、詳しく説いていきます。
一早く知りたい方には、『シン・デジタル教育』(松井弘治、2021年、かんき出版)がお勧めです。
しばらく前の本ですが、以下のような強烈、かつ、マトを得た副題からうかがえるように、今の時代にぴったりです:
「10年後、わが子がAIに勝つために必要なこと」
「親のITリテラシー格差が子の格差を生む」
「超・デジタル社会で群を抜いて活躍する子の育て方」
最後の副題は少々語弊があります。
「コンピュテーショナル・シンキング」は、「社会で群を抜いて活躍する子」だけのためのものではありません。
これからさらに深化する「AIの時代」。
この能力・資質がなければ、我々大人が子どもたちに望む幸せを彼らが享受することが困難となるであろう「生きる力」です。
子ども達の幸せ(ウェルビーイング)。
全てはそのためだけにあります。
(続く)