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お店の魅力を引出す 4つの撮影テクニック

お店の写真を撮るときのコツ、ぼくが意識していることを紹介するこの記事。前回は、3つのシーンを軸に書かせていただきました。

今回はもう少し具体的な撮り方や技術的なことを。
引き続き、いろんなお店を巡るのが好きな方はもちろん、ご自身でお店を運営されている方にも役に立つような記事になれば嬉しいです。

今回紹介するのは、この4つのテクニック。

・ボケ感を生かす
・手前ボケを試してみる
・人気(ひとけ)を感じる写真
・シーンを作る

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ボケ感を生かす**

まず、全般的にオススメしたいのは、ボケ感を生かせるレンズを使用しての撮影。建築物をきれいに抑える竣工写真とは別で、ここでは印象的にお店の良さを伝えることを大事にしたときのお話です。ぼくは、ボケ感を撮影者の視点の強調だと思っています。どこに魅かれて撮っているか、なにを伝えたいかをより強調してくれる方法。

だから、今回のテーマで言えば、そのお店や空間の中で撮影者がいいと思うポイントを引き立たせてくれる。その立たせ具合はボケ感の度合いによりますが、強調したいときは、f1.4 - f3.2くらいで撮れると良いと思います。このくらいの焦点距離で撮れると、正面から平面的に撮影した写真や少し遠くから広い範囲を写した写真でも、引き立たせたい箇所が比較的立ってくるようになります。見る人の視線を誘導することができます



手前ボケを試してみる

ボケ感あるレンズをオススメするもう一つの方法。ちょっとした演出を入れることができるようになる方法です。先ほど書いた通り、ぼかすことは撮影者の視点を強調してくれます。それを生かして、あえて手前に異なるなものを入れてみます。それが写真として切り出した時に、写真に奥行きとちょっとした変化を与えてくれるんです。

こんな感じですね。これをなしで撮ることももちろん可能です。ただ、なんだか自然な感じがしませんか?パキッとしすぎず、少しおしゃれな感じさえしてくる。少し単調に感じてきて変化を出したい時に、手軽な方法です。これがボケが弱いと、手前のぼかしたい箇所にもピントがあってきてしまって、うるさく邪魔なものになってしまう。ボカすことで馴染み、視点をより強調してくれる演出となります。ぜひお試しください。


人気(ひとけ)を感じる写真

空間を撮る時に、光や風、そのまわりの環境と掛け合わせることで写真がより良くなると一つ前の記事にも書かせていただきましたが、何枚も撮ってくると、とはいえ、似てきてしまうこともあります。その時に、アクセントして、人を感じるような写真を撮ってみましょう。
大事なのは、人気(ひとけ)、あくまで気配です。ショップの紹介をしたいということであれば、スタッフさんたちにフォーカスした写真を撮るのももちろんありです。
ただ、ここではお店の「空間」としての一面を紹介するときの写真ということで、あくまで空間を演出するための気配です。
気配といえど、見る人に与えてくれる効果はとても大きい空間に動きや、温もりを与えてくれます。手元や、足元だけでもいいですし、よくシャッタースピードを少し遅くして、あえてブレをいかして撮る方法もありますね。動きの速さにもよりますが、1/2秒から1秒くらいでもわりと狙った効果が出ると思います。


シーンを作る

より演出性が強くなりますが、あえてシーンを作るというのも良いと思います。特に飲食系、食べ物だとより伝わる絵になります。写真は良くも悪くも静止画。動きを収めることはできないですが、「動きを感じる瞬間」を撮ることはできます。
ただ、瞬間なので、なかなか意図せずに撮ることは難しい。だから、その動きを感じる瞬間を作ってあげること。垂らすとか引っ張るとか、切るとか。顔まで写ってしまうと表情まで自然にというのが難しくなるかもですが、意外と手元だけであれば、わざとらしさはなく仕上がります。

以上が、空間をより魅力的に見せてくれる、具体的な4つの方法です。

すべてに一貫して言えるのは、できればボケ感をコントロールできるカメラを使うこと。表現の幅が一気に広がります。iPhoneなどスマホカメラの場合は、距離感は限られますがポートレートモードなどをうまく活用することもおすすめです。

そしてなにより一番大事なのは、伝えたいことを自分の中で明確にして撮ること。

なんとなくきれいとか、美味しそうとかでカメラを構えるのではなく、もう一歩だけ踏み込んでみる。窓から差し込んだ光がテーブルを照らし綺麗だとか、ケーキの上にデコレーションされたこのイチジクの断面がより美味しく見せてくれてるとか。
細かくなくてもいいんです、魅かれたそのポイントをまず自分で把握する。あとはすぐに構えずに、どうやって撮ったらそれが伝わりやすいかなと、ちょっとでも考える癖をつける。そうするだけで、どんどん写真は良くなっていくと思います。

写真は偶然性が強いもの。でもこうしたことを意識していくと、たまに撮れるベストな一枚の確率がだんだん上がっていきます。思うように撮れる回数が増えてくるとどんどん楽しくなってくると思います。必要なのはこれらをちょっと意識して撮っていくことだけ。ぜひお試しくださいね。


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