「え、細いのやだ、太りたいよ~」側に体験入会した話

先日、扁桃炎になった。

それまで扁桃炎なんでお世話になったことがなかったからめちゃめちゃびっくりして、あれって熱が40度とかでるんですね(※人による)、やばい病気だ...しぬんだ...って思って田舎のおっかあに電話しちゃったわ。21歳。

扁桃炎ぐらいでおおげさな、って思ったでしょ?!
40度の熱が一週間薬なしじゃ下がらないとか、一日中ベッドの上だから何もしてなさすぎて虚無、ってだけじゃないんだよ、あいつの恐ろしいところは...

いうよ?

ごはんが食べられない。

ほんっとにこれつらい。真剣に。
朝起きるのが苦痛だった。仕事や学校に行きたくないからじゃなくて、起きたら一日が始まって、3食たべなきゃいけないから。(じゃないと薬が飲めない)

普段なら朝ごはんを食べながら、先一週間の朝ごはんを妄想できるほど食べることが大好き(私の数少ない能力「千里眼」である)な私だが、こんなに苦痛に感じるとは思わなかった。
そのときゼリー(49kcal)を食べながらはじめて、「もう食べられない...。いっぱい食べられる人がうらやましい...。」と思った。

あれ?この言葉、どっかできいたことあるな?
そうだ、中学のときのAちゃん...

みなさんも覚えがあるかもしれない。
みんなと同じ量の給食が全然食べられなくて、昼休みまで残ってる子。
見るからに細くて、「うらやましい~」と言われると「太りたいよ~」って返して大多数の女子から心の中で「は?」って思われてた子。
Aちゃんはそんな子だった。

あのときは私も「そんなわけないじゃん」って思った。
だって、「太るのより痩せるのは難しい」「痩せてるのは食べるのをガマンしてるから」って思ってたから。

でも違ったのかもしれない。
”食べることができない人“はこの世に存在して、“小食で辛い”はありうるのだ。

今回私は扁桃炎になってたまたま反対側の世界を知ることができたけれど、この世には他にもたくさん、自分側しか見えていなくて、反対側を想像できていないことがあるんじゃないだろうか。

例えば、

お酒を飲める人ー飲めない人
タバコを吸う人ー吸わない人
結婚が女性の幸せだと思う人ー思わない人

自分が当たり前だと思い込んでいた世界は、反対側からみたらありえないと思われていて。
想像できないと、知らず知らずのうちに傷つけているかもしれなくて。
経験しないと想像できないことも多いのが悲しいけれど、「は?ありえない」と思う前に、
相手を理解しようとすること、
話をきくこと、
想像すること。

そうすれば、お互いに傷つくことなく、「こっち側」「あっち側」の境界線は薄まって、みんな生きやすくなるんじゃないかなあ。多様性ってそういうことかも?

Aちゃんは自分が普通じゃない、って泣いたのかもしれない。そうじゃないかもしれない。
いまとなっては分からないけど、これからは理解しようとしてみます。

パクチーを食べられる人のこともな。

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