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じぶんの好きのおすそわけ。原作を読んでないけど、映画『マチネの終わりに』を観て①

映画を観て、「ああ、この世界観や雰囲気、好きだなぁ」と思った事はないでしょうか。言葉には落とし込めていないですが、妙に余韻に浸ってしまう時ってありませんか。理屈とか抜きで、良い悪い、面白い面白くないとかではなくて、じぶんは好きだなぁって感覚です。

久しぶりに、映画館で映画を観て「好きだなぁ」と思える映画に出会えました。

『マチネの終わりに』

平野啓一郎原作の『マチネの終わりに』を映像化したものです。僕は、以前原作を買っていたのですが、結局に読まずに、映画を観ました。読まなかった理由については、買った時は読もうって思ってたんですけど、すぐ読まなかったからだと思います。読まなかったのも、知り合いがこの原作は良いという感想を聞いていたり、映画のポスターを観た印象の影響から、せっかくだから、原作読んでみようぐらいの感覚でした。めっちゃ読みたいって感じじゃなかったからだと思います。

映画の告知解禁で、主演が福山雅治、石田ゆり子というのを知って、このキャストなら観たいかもというのが、大きな観る動機になってました。公開直前、直後では、テレビのCMや特集番組などで、やたら作品が取り上げはじめられて、ようやく映画を観に行こうって思うぐらいの温度感だったと思います。

でも、ただただメディアへの露出影響だけで、観に行こうと思ってたわけではありません。ニワカですが、原作者の持つ世界観や言葉の美しさに惹かれるところがありました。

原作『マチネの終わりに』の後に刊行された『ある男』を、知り合いの紹介をきっかけで読んでみたら、一時ハマりました。

登場人物(主人公の城戸)に、じぶんを投影して、物語を主人公と一緒に1ページずつ進んでいく感じになって、じわりじわり世界観と物語に没入していきました。じぶんごとのように、主人公の心情をあれやこれやと考えたりもしました。原作者の紡ぎ出す言葉に美しさを感じ、僕は、こういう作品、言葉の世界は好きだなぁと思うようになりました。

ニワカなので、この作品が「好き」というのをじぶんからは言いにくいのですが、今回映画を観て、素直に「じぶんは、この作品好きだなぁ」と思いました。帰りに、主題曲にあたる『幸福の硬貨(組曲)』を即行でiTunesで購入して、ループ再生しながら、映画館のあった新宿から渋谷まで、余韻に浸りながら、夜、歩いてました。

映画の主演2人の存在と、音楽の力、描かれる映像美によって、作品の世界や雰囲気が好きだなぁと感じてしまっているところもあるので、純粋に作品だけの魅力に惹かれているのかは正直分かりません。補正が入ってるかもしれません。じぶんの中でも、偏見が入ってるのも否めません。

あらためて、映画を観た後に、原作を読んでみます。間に合えば、原作読んで、映画をもう1回観たら、どんな感覚に見舞われるのか、試してみたいと考えています。

今回、好きだなぁという気持ちは、感覚的な話なので、もう少し、どういうところが好きなのか、良かったのかを、これから掘り下げてみます。

続く。



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