見出し画像

包丁の使い方 暮らしのなかの道具の使い方

一生の間、日々の暮らしのなかで何度となく繰り返し使用する道具ほど、より無理のない快適な使用方法を身につけたいものです。

無理な使用を積み重ねていけばやがては身体に支障をきたすおそれもあります。しかしその逆に、無理のない使用を積み重ねることは身体を健全に保つことに役立つことにもなるでしょう。

ということで今回は、身体により負担のかからない包丁の使い方についてのお話をします。ただし前提として、まな板に対して刃を垂直に立て、まっすぐ前方へ滑らせながら刃を下ろすという切り方でのお話です。

1.包丁の握り方

包丁の握り方は何をどう切るのかその使用法により別があることは当然です。しかし、基本的な握り方は誰でも自分と同じようだろうなんて、ついこの間まで思い込んでいました。

この間、包丁の使用法のアドバイスとして「半身になる」ということをお伝えしたのですが、実際にプロの方はどのように指導されているのかと調べてみました。

すると、まず「握り方」の指導がされており…… あららら? 自分の握り方がない。という流れで、自分の握り方が一般的にはされていないようだということを初めて知りました。

① 一般的な握り方
一般的には、以下の写真のように「親指と人差し指で刃を挟み、他の3指で柄を握る」のだそうです。

包丁:握り方1

刃を挟んで持つことにも驚きましたが、ここでの要点は、たとえ柄を握るにしても親指と人差し指で挟んで握るというところです。

これはつまり、包丁の上側から握るという"腕を内旋して手の甲側を上に向けている握り方"です。

② 自分の握り方
自分は以下の写真のように「親指の腹(写真の赤色部分)を上側に当て、他の4指で柄を握る」という握り方をしています。

包丁:握り方2

これはつまり、包丁の側面から握るという"手の甲側を外側に向けている握り方"です。

③ 比較
肘を曲げ、手の甲を上方へ向けたときと外方(右)へ向けたときの肉体的違いを感じてみるとどうでしょう。

・ 手の甲を上方 : 苦、不快
・ 手の甲を外方 : 楽、快適

ちなみに、左手の向きも苦、不快を感じないように斜めに向けています。

2.包丁を使用する姿勢

包丁を使用するさいの姿勢は、まな板を置くための台の高さや、まな板に対してどの方向へ刃を入れるのかなどによっても変化します。

① 身体の向き
先ほど「半身になる」という話をしましたように、一般的にも半身になることを指導されている方もみえました。

包丁:向き

私的には上のイラストのように、身体を右方向へ45度ほど回転するくらいがよいと思います。

② 足の位置
足の位置については一般的な指導は不正確、不十分のようにみえました。

包丁の足の向き

私的には上のイラストのように、先程の45度回転した姿勢から右足を踵方向へ少しさげ、左足先をさらに少しだけ内(右)に向けるくらいがよいと思います。

上半身は軽く前屈みになり、左足の踵の内側(イラスト黄緑色の点)に重心を乗せます。右腕の前腕部(イラスト赤色の線)は身体に触れています。

包丁の使用法 : まとめ 

包丁の使用法

前提条件として"台の高さが自身に合っていること"こそが、無理を起こさないための最も重要なポイントと言えるかもしれません。

日々の暮らしのなかで何度となく繰り返し使う道具だからこそ、妥協することなく、横着することなく、自身に合わせる努力を怠らないことが快適な暮らしにつながることでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?