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アラオス「人材採用の手引き 決定版」

恒例のアラオスの論文抄訳。『人選力』の要約となる、やや長めの論文。 

(1)ニーズを予測する。欠員対応として都度採用活動を行うのではなく、常時、積極的に、将来発生しうる採用ニーズを予測しようと努めること。重要ポジションについては後継者候補の母集団形成の状況を常に把握・評価すること。事業戦略とひもづいた中長期の採用ニーズ予測を定期的に行うこと。

(2)職務内容を特定する。当該ポジションに求められるスキルや経験を特定し、詳細な職務記述書を作成すること。その際に、当該ポジションにつくものが参加する予定のチームの状況、雰囲気、構成についても記載すること。

(3)候補者の母集団形成に取り組む。社内、社外を問わず、取引先や顧客、元社員を含めた幅広い対象から候補者を探しだすこと。社内人材の登用検討にあたっては、特に本社から離れた場所で活動するものに十分な注意を払うこと。有力な候補者には、他の候補者の紹介・推薦を依頼すること。

(4)候補者を評価する。評価の精度が高く、訓練され、厳選された評価者のみによって評価を執り行うこと。この際に、役職者が必ずしも評価者として適切な訓練を受けているわけではないことに注意すること。行動結果面接など、構造化された面接手法を厳密に採用すること。複数のレファレンス・チェックを実施すること。必要に応じて社外取締役などに対して評価への協力を仰ぐこと。

(5)内定承諾を獲得する。内定者の側の利害関心や評価基準を理解し、それに沿った情報提供等の支援を積極的に行うこと。課題や懸念材料となりえる事項、リスクについても明確に知らせること。内定承諾のためのコミュニケーションに際して、経営陣からの協力を取り付けること。賃金平等(同一価値労働同一賃金)に十分に留意し、既存社員に対してフェアな給与提示であるかどうかを慎重に検討すること。

(6)入社後の活躍を支援する。社内事情に精通した高業績者をメンターとして配置する。入社後数ヶ月は特別な問題が起きていない場合でも、直属の上司、メンター、人事担当者との個別面談(チェックイン)を必ず実施すること

(7)監査・評価を行う。採用の間違いが発覚した場合は、1年以内に対処すること。定期的に採用選考プロセスの見直し、評価をすること。評価の精度の高い担当者を特定し、顕彰すること。すべての評価者が自らの評価の質・精度の向上につとめるよう促すこと。

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