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人気noteリスト

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はじめての方にぜひ読んでいただきたい主要なnoteをまとめています。
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記事一覧

石田康平の自己紹介と博士論文テーマ

石田康平の自己紹介と博士論文テーマ

石田康平と申します。東大の博士課程で建築の研究をしています。

このnoteでは、今研究していることや、そこに至る経緯を少し自己紹介できればと思っています。

プロフィールはざっくりとこんな感じです。

もともと「テクノロジー×建築」をテーマに研究このnoteでは、少しだけ経緯を振り返りたいと思います。

僕はもともと東大の建築学科に在籍していたのですが、学部のときからテクノロジー×建築をテーマと

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受賞論考の全文公開〜夢の中で暮らすことから始まる都市の公共性のこれから

受賞論考の全文公開〜夢の中で暮らすことから始まる都市の公共性のこれから

この論考は、僕が2021年5月から7月にかけて書き上げたものだ。

「新建築論考コンペティション」というコンペが開催されることを知り、それに参加するために執筆した。

結果としては1等(最優秀作品)に選ばれ、『新建築』という雑誌の2021年10月号で巻頭論文を飾ることとなった。

このnoteでは、その論考の全文を公開している。

コンペのテーマと審査員論考は、論文よりもゆるく、エッセイよりも硬い

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受賞論考の全文公開~Experiential Facadeという概念の提示と考察

受賞論考の全文公開~Experiential Facadeという概念の提示と考察

この論考は、僕が2019年の10月ごろに1か月ほどかけてちまちまと書いたものだ。

「片岡安賞」という論考の賞に入選したので、せっかく書いたし、ひとまず全文公開してみようという気持ちになった。

僕はすごく力を入れて書いたし、近しい人たちからはかなり好評だったけれど1万3千字もある真面目な都市についての論考を一体誰がnoteで読んでくれるのかしら、とは思っている。

それでも、きっとUXに関わるデ

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香りと単位と風土〜ながれる時間というインフラを考える

香りと単位と風土〜ながれる時間というインフラを考える

1. お香で時間をはかる文化について江戸時代、人々はお香で時間を測った。お香の燃えるスピードが一定であることを利用して、おおよその時間を測ったのである。

寺の住職はお香を絶やさずにたき続け、少しずつ香りを変えることで人々におおよその時刻を知らせた。香盛という。それは江戸時代の住職の極めて重要な仕事だった1)。

お香によって時間を測れるのは、それだけ香の練り物が高いクオリティで作れたからである。

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タイポグラフィがもたらす音像

タイポグラフィがもたらす音像

少しだけ、文字見本について書きたい。

デジタルが広がった今では自由に好きなフォントを使えるけれど、活版印刷の時代には文字を印刷するためには金属などで作られた文字のセットを工場に所有しておかなければならなかった。

そのためどれほどたくさんのフォントを所有し、使いこなせるのかということは組版職人や工場の重要なひとつの評価指標だった。利用頻度や専門性の偏重、職人としての心意気が、もっているフォントセ

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#Takramcast 出演回まとめ

#Takramcast 出演回まとめ

こんにちは、石田です。

これまでたくさんTakramcastに出演させていただきました。

TakramcastはデザインファームであるTakramが主催するPodcastです。

各回2000回~4000回ほど再生されています。Takramcastは膨大な数があるので、今回はその中から出演させていただいている回をまとめました。「聞いてほしいぞー!」と思っても紹介しづらかったため。

テーマは建

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研究とアートの橋渡し〜オラファー・エリアソン展の感想

研究とアートの橋渡し〜オラファー・エリアソン展の感想

個人的にオラファー・エリアソン展はとても刺激的で衝撃だったのでそれについて書きたい。

1. 研究とアートの橋渡しへの示唆オラファーエリアソンの作品群は、とけだす氷河や太陽、自然破壊といった自然と人間の関係性をテーマとし、入念で丁寧なリサーチに基づく知見を軸としながら、光と幾何学などを駆使することを通して作品としての審美性と自然への批評的なまなざしを共存させる表現を行ったものである。

科学者のよ

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最高のデジタル本棚のつくりかた~ノウハウまとめ

最高のデジタル本棚のつくりかた~ノウハウまとめ

僕は東大の博士課程の研究者で、研究のために毎月けっこうな量の本を買う。

狭い家に大量の本があふれる。書き込んだメモもばらばらに存在している。なんだか効率が下がるなあと思っていた。そういう人は多いと思う。

このnoteでは、その解決策のノウハウをまとめてみた。

研究者の悩みの種となりがちな大量の本にまつわるいろいろな問題を、かなり解決できていると思う。

デジタル空間に本棚を構築し、文献の整理

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これから修論や卒論を書く人へ~修士論文の製作ノウハウ&Tipsまとめ

これから修論や卒論を書く人へ~修士論文の製作ノウハウ&Tipsまとめ

こんにちは、石田と申します。このnoteは僕が2020年の1月に書いた修論について、その執筆、印刷、製本などにおけるノウハウをまとめたものです。

ちなみに僕の修士論文はこんな感じです。

この修士論文では、東京大学大学院で建築学専攻長賞を受賞できたほか、多くの方からわりかし良い反応をもらうこともできました。

このnoteでは、修士論文を製作したときのノウハウやTipsを全公開すべく書いていきま

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AR時代の広告論〜暖房からおしくら饅頭へ

AR時代の広告論〜暖房からおしくら饅頭へ

スマートグラスの普及への期待も相まってか、最近AR広告に関する記事をよく見かけるようになった。退屈を覚えるものも多い。

なぜ退屈かというと、ARが普及した世界に対するイメージが、なんら意味的なイノベーションを孕んでいないからだ。ほとんどが近代の焼き直しをしているに過ぎない。

このnoteでは僕なりに、ARが普及した世界観を提示しつつ、次の世代の広告論に向けた基本的な補助線を整理してみる。ここで

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