見出し画像

インドのテクノロジー教育に圧倒された僕が、起業して資金調達をするまで

「You are useless.」

大学2年生の時、インターンでインドに出向して約1週間、一緒に働いていたインド人エンジニアにそう言われた。

インドでは誰もがエンジニアを目指している。
石を投げたらエンジニアに当たるんじゃないかと思うぐらいエンジニアが多い。そしてそのレベルは驚くほど高い。(もちろん玉石混交ではある。)

新しいエリート職業の一つとしてエンジニアが大人気で、テクノロジー教育への熱量も半端では無い。インドにはカースト制度という身分制度が根強く残っているが、エンジニアだけは努力次第で誰もが目指すことができる環境が整っているのだ。僕が一緒に暮らしていたインド人の弟は12才にしてJavaの本を読んでいた。(末恐ろしい。)

世の中のイノベーションの多くは、ここ、インドで起こっている。

米国の時価総額十億米ドル以上の未上場企業の創業者のうち、最も多い移民1世の出身国はインドである。そんなインドで起こるイノベーションを支えているのは、優秀なエンジニア達だ。

当時インターン先がインドの企業と提携をしており、その提携の強化、また、日本になかったグロースハックのノウハウを盗むために、僕は一人インドへ向かった。

慣れないインドでの生活、道路に佇む牛を避けての通勤。
日本と比べてありえないほど硬いベッド。クラクションでうるさい街中。
英語も流暢に話せず、コードもまともに書けなかった。

エンジニア大国のインドという土地に期待に胸を踊らせていたものの、待っていたのは厳しい現実。インド人の上司に「You are useless.」とまで言われ、僕は毎日胃が痛い生活を送った。

画像3

写真)当日の通勤ルート

画像4

写真)当時のオフィス

でもその頃僕は、まだまだ負けていられないと思っていたし、何より「インドに行ってくる」と周りに宣言して日本を出た手前、そうそうと帰国するわけにはいかなかった。

こうして僕のインド生活は「使えない奴」という烙印から始まった。

◆◆

インドで何が起ころうと戻るところのなかった僕は、この際インドというこの恵まれた環境にどっぷり浸かってみることにした。

インド人と一緒に寝て、一緒にサッカーをし、一緒に山に登った。こういう時に僕の適応力は素晴らしい成果をあげてくれる。
徐々に環境にもなれ、国内外のクライアントも担当するようになった。

そして、最終的には、「You are useless.」とまで言ってきたインド人上司にも認めてもらえるようになった。(その後、この上司が起業したスタートアップの立ち上げに駆り出されることになる。)

ちなみにこれは帰国直前のインド人にしか見られなかった僕。
こう見えて、当時若干21才だ。ちなみにインドに行ったら老けるらしい...

スクリーンショット 2019-09-27 10.26.35

そんなインドでの出向を経て帰国した僕は、日本とインドのテクノロジー教育に関する環境や意識の違いに愕然としていた。

日本は2030年に最大79万人のエンジニアが不足すると言われており、IT人材の確保は大きな社会課題だ。

それに伴って、プログラミングスクールや学習サービスも徐々に増加傾向にある。しかし、まだ充実しているとは言えず、企業の方々ともお話すると、学習を終えても企業の求めるスキルレベルとのミスマッチが生じているのが現状だ。(ここら辺の詳しいお話は、また別のnoteで。)

誰でもエンジニアになれる環境が整い、エンジニアが企業で活躍し、そして新しいイノベーションが起こっているインドに身を置いていた僕としては、この日本の現実はとても放っておけない気がした。

元々旅行が好きで、自分のアイデンティティを海外の人々と比較して日本人として捉えることの多かった僕は、この日本の現状を他人事とは思えなかった。

社会的ニーズの高まりや、個人のエンジニアリングに対する関心の増加が生じているにも関わらず、まだ新しいエンジニアを生み出す土壌が整っていないために、イノベーションに繋がらない。

そんな日本の現状に僕は歯がゆさを感じた。

そこで、すでに活躍するエンジニアのみなさんのお力をお借りして、「エンジニアが新しいエンジニアを育てるエコシステム」を作り、エンジニアの集合知を蓄積した学習プラットフォームを作ることが出来たらこの現状を解決できるのではないかと思った。

それで今立ち上げているのが、現役エンジニアが作った学習コンテンツで、作りながら学べるプログラミング学習プラットフォーム「Techpit」だ。

ありがたいことに、サービスリリース前から、Twitterで5,000いいね・1,000リツイート近くの反響があり、現在では全51教材を公開している。もっと色んなレベル・カテゴリーのスキルが学べる学習コンテンツを増やしていく。

画像4


また、150人以上のエンジニアが教材を執筆してくださっており、Rubyを中心にPHPの人気のフレームワークLaravelや近年人気も高まるReact.jsやVue.js、Goなどの技術も公開されていく予定だ。

執筆してくださったみなさんにも還元できるようプラットフォームの価値をさらにあげていく。

そんな経緯によって立ち上げたTechpitは、先日、総額3000万円の資金調達を実施した。この資金調達を通じて、さらにエコシステムを加速させていく。

「You are useless」と言われたあの日から、約4年。

これからも、Techpitというサービスを大きくして、皆んながものづくりを楽しみながら日本からイノベーションが興っていくことを願う。

少しでもTechpitに興味を持っていただいた方、もっと話を聞いてみたいという方、ぜひお茶しましょう!


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
21
株式会社テックピットCEO。 学生時代にインドのデリーにあるA/Bテストツールベンダーで働いた後、新卒でGaiaxに入社。今はCtoCのプログラミング学習プラットフォームを作っています。せっかくなので事業立ち上げの記録をnoteにまとめようと思っております!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。