31. ペップトーーク!
こんにちは。コウです。
今回は岩崎由純さんの、心に響くコミュニケーション「ペップトーク」を紹介します。
指導スキルの向上やビジネスにも役に立つ本です。
ちなみにタイトルをアメトーーク!風に書いてみました。
はい。
それではいきます。
ペップトークとは?
ペップトークとは、「やる気を引き出す話」のことです。
スポーツの現場では「短い激励のメッセージ」として使われます。
アメリカでは「あの子元気ないからペップトークしてあげて」というように日常で使われるそうです。
コミュニケーションのレベルを合わせる
なぜペップトークが必要かというと、コミュニケーションを円滑にするためです。
特にスポーツにおいては作戦や目的などを、同じレベルで情報共有することが重要です。
しかし、さまざまな障壁がコミュニケーションを阻害します。
ここでは、指導者と選手の面から考えましょう
指導者のジレンマと選手のジレンマ
指導者のジレンマ
・選手が言うことを聞かない
・選手の気持ちが理解できない
・自分の考えが伝わらない
→選手が育たない、結果が出ない
選手のジレンマ
・指導者の言っていることがわからない
・指導者の気持ちが理解できない
・自分の考えが伝わらない
→技術が伸びない、結果が出ない
このように、コミュニケーションが円滑に取れないと、選手、指導者ともに、ジレンマを抱えることになります。
ペップトークはこのような障壁を乗り越えるために発展してきました。
リスクを背負いながら戦うために
スポーツはリスクの連続です。プレーに失敗はつきものですし、果敢にプレーしようとすれば怪我のリスクも高まります。
しかし、ほんのわずかなチャンスや可能性に身を投じた結果、大きな感動や成果が得られることも多いです。
つまり、
リスク(恐れや不安)を力に変えて、
最高のパフォーマンスを引き出すことが、
ペップトークの役割
だと言えます。
コミュニケーションの阻害要因
上で説明したように、コミュニケーションが円滑に取れることが、ペップトークの条件となります。
そこで、コミュニケーションの阻害要因を4つ紹介します。
①事実と解釈の違い
一つの事実に対する解釈は無数にあります。
例えば、試合に引き分けたとしましょう。
A 強いチームに引き分けたから価値がある
B 引き分けは勝ちでも負けでもない
C 私たちは負けてはいない
D 勝てなかったのだから負けと同じ
というように、それぞれ解釈があります。重要なのはどれも間違いではないことです。
しかし、チームとして課題を克服していくためには、解釈をある程度統一することが必要です。
②脳の構造の違い
論理思考の得意な左脳派タイプと、イメージ思考の得意な右脳派タイプがいます。
また男性脳、女性脳と言われるように、マルチタスクが得意か不得意かといった特徴も各個人で違います。
そのため、同じ話をしても、脳のタイプによってコミュニケーションの度合いが変わります。
③傾聴力の違い
話を「聞く」のと「聴く」のが違うように、傾聴力にも差があります。
どんなに素晴らしい励ましでも、相手がまったく聞けていなければ、コミュニケーションの度合いは落ちます。
話す側の要点がまとまっていなかったり、話が長すぎてしまうと、相手の傾聴のスイッチを切ってしまうこともあります。
④言語理解力の違い
当然ながら、中国語が理解できない相手に、中国語でペップトークしても意味がありません。
他にも世代によって理解が異なる言葉があります。
例えば、「ヤバイ」はもともと「危険だ」という意味で使われていましたが「素晴らしい」という意味でも若者には使われています。
このようなコミュニケーションの阻害要因を理解した上でペップトークを行うことが必要になります。
また、阻害要因には複合型もあり、①×②のように複数の要因が重なって、意思がうまく伝わらないといったことが起こります。
では、どうやってペップトークをするのかを少しだけ紹介します。
ペップトークの3つの柱
ペップトークには3つの柱があります。
①ディレクション(演出)
②シナリオ(脚本)
③パフォーマンス(役者)
この3つが三位一体となることで「ペップトーク」が成功に近づきます。
3つの柱にはそれぞれの重要なファクターがありますが、ここで紹介するのはそれぞれ1つずつにしておきます。
①ディレクション(演出)の法則
〜肯定的な言葉や表現〜
ペップトーカーはポジティブシンキングです。例えば、
「赤いきつねを想像するな!」
と言われても、ほとんどの人が、カップ麺の赤いきつねか、赤い毛の生えた狐を想像したと思います。
これをマイナス表現にすると、
「ミスをするな!」
は、ミスを想像させてしまう言葉だとわかりますよね。
つまり潜在意識にとっては
「ミスをするな」=「ミスをしろ」になります。
ですので、ペップトーカーは肯定的表現をする必要があります。
②シナリオ(脚本)の法則
〜送り出し〜
あえてペップトークの最後の部分、「送り出し」を説明します。
試合直前のミーティングの最後の言葉がこれに当たります。
・暴れてこい
・力を出し切ってみせろ
・最後までやり抜こう
などが挙げられます。
せっかくの良い励ましも最後が締まらないと、選手は勇気を持って踏み出せません。
避けたいのは曖昧な表現です。
例えば締めが、
「君たちなら勝てると思うよ」だと、
勝てるとは思っているけど負けるかもねという意味が含まれます。
勇気付けとしては、弱いですね。
送り出す時は、相手が振り向かないように、ポンッと背中を押すような言葉がけが必要です。
パフォーマンスの法則
〜表現を工夫して全ての脳に訴える〜
脳の構造の違いで説明したように、同じ話でも脳のタイプによって受け取り方が変わります。
それをカバーするためには、全ての感覚に訴えるように話を伝えなければいけません。
例えば、成功へのイメージを喚起したいとしましょう。
・聴覚派に訴えるためには、同じ言葉を繰り返し使ったり、キーワードを強調して言います。
・視覚派には、話しながらジェスチャーを使って、成功の場所と、現在の地点を手で表現するのもいいでしょう。
・感覚派には「みんなの体の中心からエネルギーが湧き上がって来るのを感じて」というのも良いでしょう。
このように、基本的にはどんなタイプの人も、同じ話を聞いてワクワクし勇気付けられるように、脳に訴えかけることが必要です。
ペップトークに正解は無い
ペップトークは誰もが使えるように、体系化されています。
しかし、様々なコツはありますが、これが絶対正しいということはありません。
ですので、気になった方は日々の生活に自分なりにどんどん取り入れてみてください。
ちなみに、自分自身に訴える「セルフペップトーク」もあります。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
ペップトークかなり奥が深いので、勉強してみるのも面白いと思います!
また、自分自身にも使えますので、是非読んでみてください!
ではまたヽ(^^)
本紹介マガジン強化のためにサポートお願いします🤲 サポートのお金は全て本に使わせていただきます📗