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【小春の着付教室】第22号●長襦袢:衿芯の取扱い

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

1.通すタイプの衿芯

今は安価で購入できるようになりましたね。
種類が豊富になってきていますので、選ぶ時はお好みのタイプを探しましょうね。

厚めの衿芯がお好みの方、薄めがお好みの方、または2枚入れるのよ~という方、三河衿芯と併用の方、様々ですね。

ちなみに私は、薄い衿芯1枚の使用です。
時々、三河衿芯に通すタイプの衿芯も一緒に使うこともあります。
私は暑がりですので、厚めの衿芯にはこちらのようにパンチで穴あけして涼しく快適に愛用しています。


2013/06/22 (Sat)のブログでご紹介していますので、その時の感動を(笑)よかったらご覧くださいませ(*^^*)


取扱いについてですが・・・
着物を着終えたら、長襦袢から取り出していらっしゃいますでしょうか?
そのまま入れておく方もいらっしゃると思います。
その長襦袢を明日も着るのよ~(*^^*)
という場合は抜きたくないですよね。特に以前にお伝えしたあの美しい半衿の付け方で縫われている長襦袢ですと、衿芯を通すのはちょっと大変かもしれませんのでね、お気持ち分かります。

そのままではダメなの?ってお声が聞こえてきそうです(汗)
ええ。ダメでは無いのですが、私はお勧め致しません。

理由は衿芯に変な折り線、癖がつくからです。
ハンガーに干す時も、衿芯は取り出します。
そうなの。ハンガーでも、癖がつくんですね。どうしても衿芯を抜きたくない場合は、衿芯についてしまうであろう癖を最小限に出来るようちょっとだけ気を遣うと良いですね。

綺麗なカーブ、美しい衿合わせを求めるのであれば、衿芯は綺麗な状態にしておかなければなりません。
保管方法は、クルクル~と丸めておくこれだけです。

ただね、丸めておくだけならたぶん多くの方が既にそうされていると思います。丸めた後、何で止めるでしょう?

輪ゴム? ×

セロテープ ×

輪ゴムは、気温の高いお部屋に放置しておきますと溶けます。すぐには溶けませんが数ヶ月、数年そのままにしておき、急に着物を着ることになって引っ張りだしてきたら輪ゴムの溶けに気付くということは割とあることです。

セロテープも同じです。粘着部分が溶けだします。ベタベタしてしまいますので、気持ちの良いものではありません。

衿芯そのものは安価ですから、新しく買えばいいわ!と思うかもしれませんが、その衿芯をしまっておいた周りのものにも影響してしまうことが多いのです。
溶けた輪ゴムやセロテープが、着付け小物についてしまっていた・・・など(涙)
伊達締めにベットリついてしまっていたら、もう使えません(汗)

実際に多いのです。出張着付けに伺うとそのような可哀相な状態を目にします。ひどい時は、帯揚についてしまっていたということもありました。
ですからお勧めできません。

私がお勧めしているのは、着付けクリップで留める方法です。
直径5~6センチ程の巻きにしまして、巻き終わりをクリップで留めます。そして、そのまま立てた状態にしてしまいます。

寝かせてしまいますと万が一衿芯の上に力が加わった時に衿芯が折れてしまいます。
立てた状態でしたら衿芯の上に力が加わっても衿芯が折れることはありません。綺麗な状態を保ったまましまっておけますので安心ですね。

着付けクリップをお持ちでない場合には、錆びにくく跡が残りにくい洗濯ばさみやお洒落なクリップでも良いですね。
紙ひもを使っても良いですね。紙縒り(こより)だったら素敵ですね~(*^^*)

留めるのも面倒でしたら、盆や引出しの隅に巻きが崩れないように置いておくだけでも大丈夫です(*^^*)

2.三河衿芯

こちらは簡単には外せませんね。

三河衿芯は外したらまた縫いつけなくてはなりません、当然ですが(汗)
出来れば外したくない・・・という方は、上手に仕舞いましょうね。
通常のようにたとう紙に入れる場合には、一番上に置きます。

何故かと言いますとね、長襦袢をたたんだら衿のところに帯枕を当てるから。帯枕は、お太鼓用です。
こうして帯枕を当てておくことで、衿と衿芯に折り線を付けずに済みます。

出来れば、たとう紙には入れずに、引き出しの中の一番上に置きます。そしてその長襦袢の上に薄紙をかけるくらいで良いと思います。
綺麗な風呂敷でも良いですね。

帯枕が良い仕事をしてくれるのです。(*^^*)
おおよそではありますが、たたんだ長襦袢の衿の隙間と帯枕の横幅が同寸でして、ピッタリと納まるのです。衿の形を綺麗に保ってくれますので有り難いです(*^^*)

帯枕を余分にお持ちでない方は、ここに帯枕を使っていることをお忘れなく~(*^^*)
次にお着物をお召しの際、帯枕が無い!と慌てることになってしまいますのでね(笑)

この方法は、移動時にも使えます。
お稽古でお教室に通う時、結婚式場で着物を着る時等、長襦袢の衿に帯枕を当てて持って行きます。
出来ればお荷物の一番上に置きたいところですが、長襦袢の上に何かを乗せたとしても、衿芯が潰れることはありません。無事に移動でき、移動先でも美しい衿元でお着物をお召しになれます。知っていれば安心ですね。

もし、この三河衿芯の中に、通す衿芯を入れるのでしたら、通す衿芯は別にクルクル~と丸めて潰れないように立てておき、着物をお召の時に通しましょう。

いつもお伝えしていますが、ホント見えない部分の扱いはとっても大切なのです。
衿芯ひとつでも、考えてみるとなるほど~って思いますでしょう?

出張着付けに伺って、衿芯が折れていたり、前回お召しの状態のまま通されていて、折り線くっきりついていたり、どうしてこのような状態になるの?ととても悲しい状態の衿芯を多数見て参りました。
信じられないかもしれませんが、美しい状態ではない衿芯は本当に多いのです。

「あらら。。。(涙)」と悲しくなります。
着付け師さんは着付けをされる際に、衿芯についてこのような知識をお客様にされると、綺麗な状態に保てる方が増えると思いますので、お声かけを一緒にして参りましょう(*^^*)

おわりに

半衿のつけ方は、もうバッチリでしょうか?
得意な方、不得意な方、いらっしゃるでしょう。
大好きな着物の為、どうしたら簡単に綺麗な衿元を作れるのかを常に考えて
着物を着るようにしてみましょう。
繰り返し行うことで必ず慣れます。不得意と思われている方はご心配なさらず好きな音楽を聴きながらテンション上げて頑張ってくださいませね。

美しい衿元を作り上げるには、衿芯の役目もとても大切です。
せっかく美しく半衿を付けることが出来ても、衿芯の扱いがよろしくなければ半衿付けの苦労が反映されません。悲しいことです。

現在の衿芯が美しくない状態でしたら、今回ご紹介した方法を今すぐ行ってみてくださいませ。
通す衿芯でしたら、キツキツに巻いて癖付けをすればおおよそ元の状態に戻ります。

三河衿芯でしたら、お洗濯後綺麗にアイロンをかけてもう一度衿芯と半衿を付けて、帯枕の活用をされてくださいませ。
お着物を着る時に感動して頂けます(*^^*)

他にも方法はあると思います。
「これってありかも!?」と思えることが突然閃くかもしれません(*^^*)

ひらめきって大事でしょう。
ぜひ素敵なアイディアをご自分のものにされてくださいね。
もし、「小春さんにも教えてあ・げ・る~♪」と思いましたら、ぜひご連絡くださいませね。
楽しみにお待ちしています(*^_^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*長襦袢:寸法について(1.長襦袢丈)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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