朧月

ありとあらゆるものが静寂に包まれている。言葉は失せ光は連続性を失い尽く人情が悲しみに溢れていた。もしかすると、世界は永劫にこの静寂の中に沈むかもしれないとすら思った。誰も彼もが深い沈黙を守っている。
ただカーテンのみが微かな風に揺られ、幻聴のように衣擦れを奏でているようだった。
自ずから感じられるのは、正常を微かに残したまま酔いに負け、異常が嫌に背筋を伸ばして存在を誇示する現状だけだった。

私は酔いに負けたのだ。
これまで1度としてそのようなことは無かった。
酒を酒で割ろうがショットグラスとジョッキを間違おうが、ひたすら正常を見つめ、考え拙くも真摯に寝床まで歩いた。

音楽と食べ物と自然よ。そして人よ。 http://twitter.com/syoji_kaede