かのん

創作大賞2024に応募するために久しぶりにnotoを再開しました。 初めて小説を書いた…

かのん

創作大賞2024に応募するために久しぶりにnotoを再開しました。 初めて小説を書いたので、読んでくれたら嬉しいです!

最近の記事

【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第8話『老人の正体』

第8話 老人の正体  奏太が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上だった。 夢と現実の区別がつかないまま混乱していた。僕は今まで体験してきたここ数日のことを思い出していた。母の意識不明から始まり、願いのコインを導いてくれた謎のおじいさん。過去の世界で出会った多くの人たち。全てが走馬灯のように蘇ってきた。  歴史は元に戻ったのか?そういえば以前、コインを手にした時に出会った占い師が言っていたことを思い出した。 『君は不思議な運命を背負っているようだね』 『コインに願いを叶え

    • 【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第7話『手紙』

      第7話 手紙    現代に戻った奏太と母は、歴史が大きく変わったことをこの時はまだ気づかなかった。母は、過去の世界で体力を使い果たしたため、ベッドに転がり込むようにそのまま眠ってしまった。僕もコインを見つめながら、あれから源次郎さんはどうしたのか気になっていたが、気づくと夢の中にいたようだ。 「奏太くん」 また、謎のおじいさんが現れた。 「あっ…」 僕は、おじいさんに過去の世界へ行ったことを話そうか迷っていた。 「奏太くん、歴史を変えてしまったようだね」 「えっ、歴史が変

      • 【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第6話『源次郎』

        第6話 源次郎    その夜、僕は眠れずにいた。 母の願いを叶えてあげたい、でも歴史を変えてはいけない。僕は葛藤の中で苦しんでいた。そういえば、母が襲われた理由を聞いていなかった。母は先祖から言い伝えられてきたコインの力を使って願いを叶えるために、自分の全てを犠牲にしてコインを守ってきたはずだ。ツインとなるコインをいつか僕が手にしてくるとわかっていたのではないか。  しかし、母がすでに2つのコインを持っていると勘違いした誰かが、母からコインを奪おうとして襲われた可能性もあ

        • 【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第5話『アオイ』

          第5話 アオイ  奏太は目を覚ますと、辺りは真っ暗でシーンと静まりかえっていた。 「ここは?」 奏太が謎のおじいさんと出会った公園だった。 「戻ってこれたんだ!」  立ちあがろうとした時、膝の痛みで思わずバランスを崩して転んでしまい、慌ててコインを探した。布に包まれたコインは、奏太のズボンのポケットに入っていた。「よかった…」そういえばここで出会ったおじいさん、いったい誰なんだろう。20年前の路上ライブでも出会い、僕を20年後のこの時代に戻してくれた人。  奏太は家に帰

        【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第8話『老人の正体』

        • 【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第7話『手紙』

        • 【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第6話『源次郎』

        • 【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第5話『アオイ』

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第4話『占い師』

          第4話 占い師    アオイの姿が見えなくなって、安堵のため息をついていたところだった。膝からはまだ血が滲んでいて痛みも増していたが、早く未来へ戻りたいと歩いていたところに、今度は女性占い師が話しかけてきたのだった。 「なぜ僕の名前を?」 奏太は警戒しながらも、その占い師に声をかけた。 「奏太くんだね。私は占い師。過去も未来も見通す事ができるんだよ」そう言うと、占い師は優しく微笑んだ。 「君は不思議な運命を背負っているようだね」 奏太は「どう言う意味ですか?」と、その占い

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第4話『占い師』

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第3話『奏太vsアオイ』

          第3話 奏太vsアオイ   奏太とアオイは、ゆっくりと薄暗い部屋の中に入っていった。ひんやりとした空気が漂い、古びた石畳が敷き詰められていた。壁には奇妙な模様が刻まれ、不気味な雰囲気を醸し出している。 「ここにコインがあるの?」 奏太は警戒しながら一歩を踏み入れた。アオイもまた、緊張した面持ちで辺りを見渡している。その瞬間、部屋の奥から不気味な声が響き渡った。 「よくぞここまで来たな!」 声の主は、黒いローブを纏った男たちだった。 「お前らか!何度もこの私を襲ったのは!」

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第3話『奏太vsアオイ』

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第2話『星の涙』

          第2話 星の涙 「ここが、20年前?」  奏太はしばらく辺りを見渡し、20年前の街を彷徨っていた。 見慣れない風景と行き交う人々の服装、そして父が昔聴いていたと言う音楽。奏太はタイムスリップしたことを確信した。全てが奏太にとって新鮮で、同時に不安でもあった。すると、1台の車が猛スピードで奏太の方へ近づいてきた。 「危ない!」 間一髪で避けると、車の運転席から若い男性が降りてきた。 「大丈夫ですか?」 男性は心配そうに奏太を見ていたが、奏太は大丈夫だと言って急いでその場

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第2話『星の涙』

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第1話『謎の老人』

          あらすじ  高校1年生16歳の奏太(そうた)。将来の夢はピアニストになること。  ある日母が何者かに襲われ意識不明となる。母がいつも持ち歩いていたコインは不思議な力も持つ「願いのコイン」だった。秘密を知る謎の老人と出会い、時空を超えて20年前の世界へ行く奏太の前に立つはだかる困難。そして次第に明らかになる母の隠された過去。奏太は運命に翻弄されながらも希望を捨てずに進んでいく。  「願いのコイン」の力を使って叶えた願い事で人は幸せになれるのか。 第1話 謎の老人 「ただい

          【創作大賞2024 ファンタジー小説部門】 奏太とコインの物語 第1話『謎の老人』