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シン・ニホン 安宅和人

 これから日本が進むべき道標が分かり、かつ自分がこれからどう生きていく必要があるのかじっくり考えさせられました。内容としては、現在、日本以外の諸外国が驚くべき成長を遂げている中で、日本が圧倒的に遅れ、負けているということを具体的な数字なども交えながら説明されています。とにかく日本は今のままではダメなんだ、ということがよく分かりました。

 じゃあそれで、どうしようもない。もう日本終わりなのか。というとそうじゃない!!まだまだ日本に勝ち目はある。これからが大事だ。と本書は続きます。

 歴史を振り返ってみると、日本という国は、諸外国から伝わってきたものを上手に発展させ、独自のものとしてきた。仏教が伝わってきた時も、国内で発展させ絶対的なものと今ではなっている。産業革命期の自動車や家電などもそうである。日本はそもそも何かを生み出す。ということはほとんどやってこなかった。オリジナルを発展させて、さらに素晴らしいものにするということをやってきた。

 それが今まさにこようとしている。IT革命が為され、一気に世の中は、データ×AI化。スマホなど一気に新しいものが生み出された。それをどのように日本流に発展させ、社会に適応させていくか。まさに日本の勝負どころとなっている。

じゃあ、そんな中で、個人としてどのようなスキルが求められてくるのか。自分が大切だと実感したことは、

・一つの領域の専門化よりも、夢を描き、複数の領域を繋いで形にする能力。

・何もかも自分が詳しいということはあり得ないからこそ、自分が仕掛けようとするどんな話題でも相談できる人、すごい人を知っているということ。

・新しいアイデアを生み出す上で、知覚した内容を表現する能力。

ざっくりと自分が共感したことが以上三つだった。一つの専門化ではなく、複数の領域を繋ぎ、それを自分なりのものへと発展させる。そういったものをつなぎ合わせるために、様々な専門分野の人と繋がりを持つ。また、学んだことや感じたことを、色んな表現ができる。

 生産的に、そして画一的に同じものを生み出すことができる能力は、既に時代遅れ。一昔前はそういった能力が必要だった。でも今の時代は違う。世界が一気にオープンになり、機械が圧倒的に人間にとって代わって色んな仕事を効率よく行ってくれるこの時代に、必要な能力は変わったのである。仕事とは、意味のある変化を生み出すことだと、筆者は述べる。つまり人の役に立つことであると。時間を売ることが今までは仕事の成果とされることが多かったが、これからはアウトプットがより大きな仕事の成果となる。と、書かれている。

 これからはAIにできない、人間にしかできない価値を生み出せるかが、今後私たち、個人として必要なスキルとなるということを学ぶことができました。この本を読んで、現状に満足せず、常に先を見据えて行動することを改めて実感しました。

 最後に、本書の第2章の初めに書かれていた毛沢東の言葉が印象に残ったので、それも共有させていただきます。

そもそも様々なこ創造的な仕事をなしとげる三つの条件がある。
それは、
①若いこと、
②貧乏であること、
③無名であることだ
毛沢東の言葉

最後までお読みいただき、ありがとうございました。ぜひ、何かのお役に立てていただけたら幸いです。

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