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ちはるのファーストコンタクト(2017年)

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2017年に書かれたマガジン「ちはるのファーストコンタクト」の記事をすべて収録しました。300本以上あります。
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#読んだ本

【本】C. ファデル、M. ビアリック、B. トリリング『21世紀の学習者と教育の4つの次元』→これから何がどう教えられるべきかのビジョンを与えてくれる

木曜日はお勧めの本を紹介しています。 C. ファデル、M. ビアリック、B. トリリング『21世紀の学習者と教育の4つの次元』(北大路書房, 2016) ■要約21世紀の子どもたちが学ぶべきものは次の4つである。 ・知識 (knowledge):何を知り、何を理解しているか ・スキル (skills):知識をどのように使うか【創造性、批判的思考、コミュニケーション、協働】 ・人間性 (character):どのようにふるまい、世界とどのように関わるか【動機づけ、レジリエン

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【本】ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか 対立を超えるための道徳心理学』→道徳心理学の進展から社会と政治と宗教を見る本としてお勧め

2017年2月23日 (木曜日はお勧めの本を紹介しています) ■要約道徳心理学(Moral Psychology)を知ることで、人間の営為の中でもっとも重要であり論争の対象となる、政治と宗教について新しい見方ができるようになるだろう。 (1) 道徳心理学の第一原理「まず直観、それから戦略的思考」。道徳的な直観はすばやく自動的に起こる。そのあとに起こる道徳的な思考は、戦略的にでっちあげられた正当化であることが多い。自分の意見に賛成しない人は愚かで、偏見に満ち、非合理である

【本】リッチ・カールガード『グレートカンパニー』

2017年1月20日 (木曜日はお勧めの本を紹介しています) リッチ・カールガード『グレートカンパニー』(ダイヤモンド社, 2015) ■要約会社が存続し続けるためには、戦略とハードエッジとソフトエッジの3側面で優位に立つ必要がある。システムとプロセスであるハードエッジは『イノベーションのジレンマ』で示されたように、優位性は長くは続かない。人間らしい価値としなやかさであるソフトエッジが鍵である。ソフトエッジとは、信頼、知性、チーム、テイスト、ストーリーである。 ■ポイ

【本】唐木元『新しい文章力の教室』

■要約いきなり書き始めてはいけないよ。何について書くか、どれくらい書くか、どの順番で書くかの見当をつけてから書こう。あとは言葉づかいのクオリティをあげるためのコツを教えます。 ■感想私自身も、文章を書くための本として『200字の法則 伝わる文章を書く技術』(永岡書店, 2014)を出しています。この本は文章の構造パターンを習得して、わかりやすい文章を書けるようにします。それに対して、唐木さんの本はアイデア出しと表現技法を習得して、伝わる文章が書けるようになります。 という

【本】ちきりん『マーケット感覚を身につけよう』

2017年1月6日 ■要約論理的思考とマーケット感覚の両者を身につけることがこれから大切だよ! ■ポイントマーケット感覚とは、「価値とは何か」ということを見抜くこと。マネタイズは後から付いてくる。たとえば、書店は、本を売るということが価値なのではなくて、その人向けの本を選べる場所になっているということが価値だ。だから、その価値を伸ばしていけば、生き残る。 プライシングは、相場ではなく、自分の価値基準を作ること。マーケットの中の誰に売れば高く売れるかということを考える。

【本】ちきりん『自分のアタマで考えよう』

2017年1月5日 ■要約考えるとは、要素に分解して、その組み合わせを考えること、そして比較すること。 ■個人的な展開個人的には「仕事の4分類」が面白かった。同じ部門や職種であっても、この4つの仕事があって、お互いに全く違っているということ。 1. 成長の仕事 (典型例)ベンチャー立ち上げ 2. 支援の仕事 (典型例)会計士、コンサルティング 3. 維持運営の仕事 (典型例)公務員、大企業 4. 再生の仕事 (典型例)事業再生、買収 このアイデアは、ちきりんオリジナル

【本】松丘啓司『人事評価はもういらない 成果主義人事の限界』 (+教育への示唆)

2017年1月3日 ■要約No rating(ABCで評価しない)が広まるよ。年度単位の評価ではなく、リアルタイム評価でコラボレーションを促進することで会社全体のパフォーマンスを上げるんだ。 ■核心部分社員のパフォーマンスは正規分布(2:6:2)しない。それはABCで評価するからそうなるだけ。実際は、大部分のローパフォーマーとわずかなハイパフォーマーが8:2(パレート分布)でいるだけだ。それを業績評価で切り分ければ、大部分の社員はやる気を失うだけだ。 そうではなく、ロー

【本】リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット『ライフ・シフト』

2017年1月2日 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済, 2016) ■要約寿命が延び続けるため、「教育→仕事→引退」の3ステージモデルは過去のものとなる。そこで、新しい生き方のモデルを考えたよ。 ■核心部分見えない資産に注目しよう。それは次の三つ。  1. 生産性資産:仕事の生産性を高めて所得を増やすもの。    ・スキルと知識:教育は投資である。    ・仲間:自分のまわりにどんな人がいるかが重要。同じ志

【本】結城浩『数学文章作法基礎編』:分かりやすい文章を書くための基本

結城浩『数学文章作法基礎編』(ちくま学芸文庫, 2013) 【要約】理系の文章に限らず、分かりやすい文章を書くための技術が書かれている。 その一例。 1. 変化させる  ・抽象的な話をしたら、具体例を挙げる。  ・具体的な話をしたら、まとめる。  ・文章が続いたら、図・グラフ・表を出す。 2. 短文化する  ・……が、〜〜     →   ……。しかし、〜〜  ・……であり、〜〜   →   ……。また、〜〜  ・……だから、〜〜   →   ……。よって、〜〜  ・

【本】ちきりん『自分の時間を取り戻そう』

ちきりん『自分の時間を取り戻そう』(ダイヤモンド社, 2016) 【要約】生産性を上げよう! これからは生産性が物差しになる。生産性とは、成果を投入資源(人員、土地、時間)で割ったもの。学校もテレビも、かけた時間に対して成果が小さすぎるので生産性が低い。その意味では、動画よりもテキストの方が生産性が高い。 チームプロジェクトの生産性はまだこれからの課題だ。 ポイントは、  ・過度に民主的にしないで、意思決定プロセスを決める  ・こまめにアウトプットして、やる気を維持する