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ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研… もっと読む
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹… もっと詳しく
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#ライフスタイル

【アドラー教科書】(2) アドラー自身の著作から理論の全体を探る

2024年4月23日(火) 前回は、「アドラー心理学の本の構成からその特徴を知る」と題して、アドラー心理学の入門書の構成をいくつか示しながら、その特徴を捉えようとしました。 そのまとめとして次のように書きました。 では、アドラー自身の著作はどうなっているのでしょうか。アドラーの代表作と言っていい『生きるために大切なこと』(The Science of Living, 1928, 桜田直美訳, 2016, 方丈社)を見てみましょう。 第1章 生きることの科学 第2章 

日々のライフタスクでの決断の選択肢は自己理想に沿うように決める(ライフスタイル論#04)

2017年3月13日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の3回目として次のことを書きました。  1. 自分の行動を決めるときに(無意識に)参照するライフスタイル辞書は、ストーリーによって記述されている。  2. そのストーリーには「自分がこのように行動すればうまくいくだろう」という目標が書かれていて、そのストーリーを実現したいと思っている(目的論)。 私たちは日々生きていく中で、多少なりとも決断しなくてはならないような課題に直

【アドラー教科書】(1) アドラー心理学の本の構成からその特徴を知る

2024年4月16日(火) アドラー心理学の教科書を書いていくときに解決しなければならない課題はその本の構成をどうするかということです。具体的には章立てをどうするかということです。章立てには、そのテーマ、つまりアドラー心理学の体系や理論を、どのように見ているか、そしてそれをどのように表現するかということが直接的に現れるからです。 そこで、今回はこれまでに出版されたアドラー心理学の入門書がどのような章立てになっていたかということを見ていきたいと思います。

ライフスタイルは物語=ストーリーとして頭の中に書かれている(ライフスタイル論#03)

2017年3月6日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の2回目として次のことを書きました。  1. ライフスタイルとは私たちの動き方(Movement)である。それは、(a)対人関係の作り方についての方略、(b)自己・他者・世界についてのスキーマ、(c)自分で作り出した自己理想の追求の仕方、を参照しながら決めていく。  2. それが書かれたものを「ライフスタイル辞書」と呼ぶとすれば、私たちはその辞書を意識することなく参照して日

自分のライフスタイル辞書によって感じ方、考え方、行動の仕方を決めている。(ライフスタイル論#02)

2017年2月27日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の1回目として次のことを書きました。  1. 性格やパーソナリティを捉える方法には、類型論と特性論がある。  2. 類型論の例として「ユングのタイプ論」、特性論の例として「ビッグ・ファイブ」が挙げられる。 こうした特性論的な性格の捉え方は現代心理学が取っている立場ですが、アドラーのライフスタイル論はこれとは一線を画しています。アドラーが考えたライフスタイルとは「その個人に

私たちは相手の性格を知りたいのです。なぜならそれが相手と付き合っていくために役に立つからです。(ライフスタイル論#01)

2017年2月6日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「自分の関心をコントロールすること」ということで勇気づけの方法について書きました。 今回から、これもアドラー心理学の中心的なアイデアである「ライフスタイル」について書いていきたいと思います。 現代は普通の会話で「性格」「パーソナリティ」「キャラ(キャラクター)」といった単語を使っています。まわりの人をその性格や行動パターンでタイプ分けすることは、昔から行われてきました。おそらく、そうすること

【質問】最優先目標とライフスタイルの違い/退職されたあとのゼミはどうなる

2022年12月1日(木) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 質問1『最優先目標』と『ライフスタイル』の違い、相関関係について教えていただきたいです。以前私は、性格=ライフスタイル=最優先目標だと捉えていましたが、最近はライフスタイル≠最優先目標と考えるようになりました。最優先目標までのプロセスや手段が下手(競合的)だった人が経験を経て上手に使いこなせるようになることはあっても、最優先目標自体は生涯変わらないと考えて良いですか?

バケットリストにはその人のライフスタイルが現れそう

2021年9月14日(火) バケットリストというのは、死ぬまでにやりたいことをリストに書き出したものです。英語の言い回しに「kick the bucket」というのがあって、これが「死ぬ」という意味であることが由来だそうです。 さらに、なぜ「バケツを蹴る」が「死ぬ」という意味になるのかということについては、もう少し由来があって、次の記事を読むと理解できます。 バケツを蹴るとなぜ死ぬのか(旭川工業高等専門学校教授 十河克彰) さて、もうすぐ年金をもらえる歳になる私も、そ

[m197] ライフスタイルの形成は隠された生涯教育である

2021年6月7日(月) ハローマンデー! 向後です。 6月26, 27日(土・日)に開催予定の放送大学沖縄学習センターでの面接授業は、Zoom開催に変更されました。テーマは「アドラー心理学の理論と実践」です。沖縄に行くことを楽しみにしていたので、残念ではありますけれども、コロナの状況では仕方ないですね。 そう考えると、4月に高知学習センターの面接授業がギリギリ開催できたのはラッキーでした。 高知といえば、先週の土・日に、高知アドラー心理学研究会が主催となって、アドラ

【Q&A】100万円貸してと言われたら/意味のない研究はあるのか/人間の性格は遺伝と環境だけで決まるか

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問やメッセージは「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 今回は、質問が3つ届いております。 [Q1] 家族、心からの親友を無条件で信じる信頼するというのはわかるのですが、それ以外の人間関係、仕事での関係者ご近所さん、これから二度と会うことがないような通行人に対する心構えはどうすれば良いのでしょうか。そのような人々に突然「100万円貸して!」と言われたらアドレリアンはどう行動するで

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【アドラーオンライン】23 共同体感覚とは自己への関心から他者への関心への拡張

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。 前回は、個人は社会的文脈・歴史的文脈の中でのみ理解できるということをいいました。これを、社会統合論と呼びます。人は社会と共同体の中に埋め込まれている存在だということです。その上に立って人生の生き方を自分で決めることができるのです。

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【経験と感じ】ライフスタイルワークショップ/企業の教育部門の担当者にインストラクショナルデザインのワークショップ

土曜日は最近の出来事の経験とその感じを書いています。 中島弘徳先生のライフスタイルワークショップに参加アドラーよこはまの主催で開かれた、中島弘徳先生のライフスタイルワークショップに参加してきました。参加者は40名ほどでした。アドラー心理学の指導的立場にいる人のワークに参加できるのは貴重な機会です。

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【アドラーオンライン】17 人はまず所属を求める

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。 前回まで、アドラー心理学の2つ目のキー概念である「ライフスタイル」を取り上げてきました。今回から「所属」について取り上げていきましょう。 所属 (Belongingness) とは、居場所のことです。もしあなたが「自分はここにいて

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【アドラーオンライン】16 ライフスタイルは人によって違うからこそ意味がある

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。 前回は、Kefirという人のライフスタイル類型のモデルを紹介しました。A, B, C, Dの4つのタイプはそれぞれ優先するものが、Aは、安全、安心、安楽でいたい、Bは、好かれたい、みんなと仲良くしたい、Cは、リーダーでいたい、支配し

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