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10歳が自分で1日のスケジュールを立て、振り返りレポートもできるようになるまで 〜一斉臨時休業からの自主休校で「いのちだいじに作戦」を選んだ家族の自宅学習ノウハウ〜

青森県弘前市では2020年4月6日から学校が再開となりましたが、古川家は自主休校を選びました。自宅学習の環境を整えるために実践したことを、実例とともに共有します。

この記事は有料マガジン内で公開されています。

自宅学習が必要となった方々に向けて、自分たちのノウハウをまとめています。今だけの取り組みではなく、学校復帰がスムーズになること、今後も続けられることを大切にしています。

この後は以下のような記事を予定しています。

・スタディサプリのテキスト運用と学習体制の作り方
・ビデオ会議ツールで習い事のオンライン化
・時間という資産運用の見直し

以下の記事は、休校で学習環境が変わってしまった中で、どういう風に自宅学習を進めてきたか1ヶ月間の記録をまとめたものです。

こちらは無料で公開し続けますので、少しでもヒントになれば幸いです。有料マガジンでは、自宅学習を進める中でより詳細なノウハウや個別事例にフォーカスして読み物として成立するように努めていきます。

一斉臨時休校が転機に

我が家は自営業なので、毎日を日曜日にしようと思えばできますし、休みなく働き続けることもすべて自分たちの判断ひとつです。

学校という月曜日から金曜日の朝8:00から16:00前後まで固定されている時間枠から、自分たちがどこまで時間を確保できるか、優先順位をどうするかというのが決まっていました。

学年が上がるごとに色々と調整は発生します。ですが、休校で「スケジュールが白紙」という状況が無法地帯になることは容易に想像できます。

3月に一斉臨時休校が決まりました。「やったー!休み!」とても素直な反応ですね。

この時点では、3月16日から再開の予定でした。たった数日で状況が変わっていくので、長期化しても良いようにスケジュール立てる習慣が必要だと保護者側では合意。

性格によると思うのですが、娘の場合、遊ぶ時間はあるだけ遊びたいし、時間は無限にあると思っているタイプです。定型作業も得意ではありません。良くも悪くものびのびとした性格です。

きっと嫌がるだろうなー・・・とわかりつつ、スケジュールについて提案しました。

なぜスケジュールが必要なのか?

自宅学習にスタディサプリを採用し、動画の閲覧はPC、授業メモはiPadという環境は、新しいことが好きという性格とも相まって、思ったよりすんなりと進みました。

これまで47都道府県をゲーム感覚で覚えるアプリを楽しんでましたし、何よりゲーム研究一家としての活動をするぐらいですから、デジタル化に抵抗はありません。(iPadを使った教育環境づくりは以前、失敗した経験あり)

「これからは1日のスケジュール立てて過ごした方がいいと思うんだけど、どう?」

不穏な空気です。というか不機嫌です。明らかに嫌そうです。ただ、こういう時に娘は「多分、その方がいい」ということを頭ではわかっています。学校が休み!でテンション上がりまくってるところに水をさされたことが嫌なのでしょう。

これまでの下地で手法は変わる

娘はピアノを習っていて、コンクールに参加する場合は課題曲に取り組まねばなりません。ギリギリで火がつくタイプなので、本番当日の仕上がりを考えて、スケジュール逆算して練習というスタイルではありません。

それで苦労していることもわかっているし、続けていくためには壁であることも本人はわかっています。でも、気が乗らないんですよね(笑)

スケジュールの逆算については、これまで何度も説明してきます。自営業とはどういうことか、自分で計画を立てないとどうなるか、計画ができていればどうなるか等。だからこういう暮らし方ができているんだよ、自分もそっちが良いと思ってるんだったら、取り組めばいいと。

おそらくですが、ここの感覚を共有できていなければ「なんで自分だけ・・・」となりかねないので、万人ができるかといえば難しいかもしれません。

今回の状況にどうにか対応したいと共通認識をもてれば、試してみようという意識づけができると思います。

いつでも元に戻れるためのスケジュール

休校期間中のスケジュールはどういうものか?その定義を共有しました。

スケジュールを立てて過ごすのは、もし急に学校が始まることになっても辛くないようにするため。

この休みは特殊で、いつまで続くかが見えにくいこと。このまま、卒業式や終業式ができず、新学期になっても学校が始まらない可能性もあること。

もし土日のように好きなように過ごしていたら、いざ学校が始まった時にいきたくない、めんどくさいと思うようになるかもしれない。こういう特殊な状況だからこそ、普段通りに過ごそうと話しました。

学校には戻りたいんでしょう?と聞いたら、本人もそうだと。卒業式、離任式、終業式、入学式、始業式・・・別れと出会いが起きる、重要なタイミングです。

東日本大震災が起きた時、娘はまだ小さかったので普段の暮らしがどれだけ貴重なことか、今回で実感することでしょう。

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最初のフォーマットは保護者が提示

年齢を問わず、新しいことを始めるというのはエネルギーが必要です。スケジュールを立てようと思っても、初めてのことはいきなりできません。

まず、父が例えばこんな感じで書いていってみようと基準をひとつ提供することにしました。

やりたいことリストを出してみる

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ゲームばっかですね(笑) 父がゲーム好きに仕立てたので当然として、「やりたいことリスト」を作ってもらいました。

我が家の家訓で「やらなきゃいけないことを終わらせて遊ぼう」があります。義務であっても楽しければいいのですが、なかなかそうはいきません。工夫して義務を先に終わらせて、その分できた時間を自由にしようと何度も話してきています。自営業の人からすれば当たり前なのでしょうけども。

やりたいことリストのため、普段やっておかなければならないことを出してもらうと、娘の中でも優先度が見えます。わざわざ順位を付けているものは、自分でも大事だと思っていることのようです。

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負荷テストをかねた1週間のスケジュール作り

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結論からいうと、できませんでした。ただでさえ新しいこと、慣れないことばかりで脳がオーバーヒートしたようです。

生活サイクルを崩さないよう、学校に近いスケジュール感でまずは3日分を。あとは、試しながら変えていこうと話しました。

前記事の繰り返しになりますが、進め方について認識を合わせておくと良いと思います。

また、今後の進め方を話す時に必ず伝えたほうがよいこととして「途中で方法が変わるかもしれない」「相談しながら進めよう」の2点があります。

保護者が先生の立場になりますが、誰しもミスや見通しの甘さはあります。だから間違うことは悪くない、途中で変えていい方法を探していこうという姿勢の共有が大事です。決まり事のように捉えれば「なんで!?」みたいな不満も出にくくなるでしょう。

相談しながら進めようというのは「主役はあなたです」と伝える意味です。もちろん保護者のサポートは欠かせないのですが、思い通りに進めること、成果を出させることが目的ではありません。
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自主休校を決めた家族が取り組んできた自宅学習の環境構築ノウハウ
https://note.com/kogawak/n/n1ee6d8cda9fd

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1日のスケジュールは1ページに

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1ページを隅々まで使って詰め込むと、予定を変更する場合に、書き直すスペースがなくなります。

紙と違ってアプリですから、やり直しと編集のコストは低いです。範囲選択して、書き込んだ内容を移動することも可能です。

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囲んだ範囲をまるごと動かせるので便利ではありますが、ご覧の通り移動するにも余白がなければ編集は難しくなってきます。

デジタルだからページ数は(ほぼ)無限

紙のノートはページ数に制限がありますし、なくなれば買い足さなくてはなりません。デジタルであれば、ページ数の制限は無限に等しいので1ページを贅沢に使うことができます。

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スペースがあるからって、文字を雑に書いていいわけではないんですけども(笑)

この辺、あればある分だけ使おうとする性格がモロに出てますね・・・この課題への対応は別の機会にしましょう。

まずは1ページに1日のスケジュールを書けるか試してみたら、対応してくれました。「学校の時間割に合わせてみて欲しい」「食事と休憩の時間も入れてね」と伝えたところ、これも自分で組み込むことができました。

食事の時間について、家庭によって異なると思います。我が家は自営なので、食事の時間も自由といえば自由です。

家族のスケジュール次第(買い出しなど外の用事)も考慮して、今日は何時ごろになりそう?と相談するようにしようと話しました。

定型で決められる家庭なら、ここは省略できますね。

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フォーマットより残す理由を重視

現在は iPad で GoodNotes というアプリを使用しての運用です。

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小学生の娘と、自宅学習できるように試してきたこと、その記録を共有します。学習サービスはスタディサプリ、授業ノートは iPad + Good…

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