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バケツに思う

11年前には,もう保育園に通っていた

生後7か月で,年度途中で入園できたのは,待機児童がない地方のメリットだろう

公立保育園で,広い園庭があり,0・1歳児用の部屋自体相当な広さだったし,のびのびとした環境で,手厚く育てていただいた

使用済みオムツ用のバケツを用意しなければならず,綿半で買ったのだった

下のきょうだいたちもオムツを卒業し,今そのバケツの用途が生まれ変わった

もう用がないのかと思いきや,今年中学生になって,部活が本格的に始まったことで,毎日の作業として,ユニフォームの洗濯が加わった

かつて使用済みオムツすて用だったバケツは,泥色に染まるユニフォームを洗うための洗濯桶として蘇ったのである

最初,雨天時の練習を経て泥だらけの靴下をウタマロ石鹸で洗ったとき,その地味な作業であっても子育ての一環なのだと味わい,せめて白さがやや戻ったことに喜びを感じていた

ウタマロ石鹸によって汚れが落ちるのだと教えたとはいえ,母として,洗濯を担うことの負担は覚えなかった

しかし,実際は,息子自らが率先してよく洗う

母の出番はなかった・・・

少しさみしくも,しかし,確実な成長を教えてくれるのが何よりうれしい

中学校時代は,勉強だけが友達かのようなさみしいオタク気味な青春で,家庭科の成績すら5段階評価の5を獲得していた

これを母は虚偽だと評価した

家のことが何もできなくても学校の成績だけは評価される

どこかで聞いてきた知人のお子さんは,家のことをよくやっているのに,成績は3程度だという

そういう過去の自分と比べれば,息子の家事力はすでに今の私を超えているように思う

料理への興味関心がよく食べることを促し,体も鍛えられていた

ぽっちゃり見えるけど,バタフライの泳法まで身に着け,そこそこ泳力も鍛えていた分もあるのか,何とか中学デビューでの部活にも気持ちの上でついていけるだけの体力があるようだった

自分で飲み物を用意して,身支度も整え,ひとり登校する

せめて登校する背中を見届けるのが母の務め・・・それだけ

朝ごはんは,早寝早起き朝ごはん信仰にとらわれていないのだけど,朝練が始まると給食までの体力を考えると,少しは口にした方がいいとなって,牛乳を飲むようになったみたい(食べ過ぎると,昼がはかどらず,また,昼食後すぐの部活での動きが気になるので,結局軽食にとどまるのがちょうどいいみたい)

自分で自分の体をコントロールする意識というのも自律力ではないか

汗だくでかえってくると,お風呂に直行して,汗を流すだけではなく,ユニフォームなどの下洗いにも精力的だ

風呂が長すぎるという家族の声もあるが,そうやって,家族のための風呂の準備も整えてくれる

母としての洗濯業務は,洗剤をセットして予約のスイッチを押すだけになってしまった

朝仕上がっている洗濯ものを干すのも息子

夕方,乾いた洗濯をたたんで収納するのも息子

幼稚園に通う2人分の,ハンカチタオル(1日2セットが2人分なので4セット)やランチョンマット,マスク置きタオルも翌日には使えるように定位置に収納する

気をきかしすぎて,残り湯を洗濯に使うためのホースを収納して,残り湯も排水してしまったことがあった

天気のいい日は,もう一回寝具も洗ってしまおうと思っていたのに,残り湯がなくなっていたことについて,息子は一言「ゴメン~」と言える寛容性を発揮する

突然の休校からの短縮版卒業式,青空入学式後の一斉休校継続,分散登校,通常化,期末試験,部活開始,夏休み,,,という具合の今年は異常な展開ではあったけども,中学生になった夏

ずいぶんと成長していることがよくわかる

家族の一員として,今や母を監護すると言われるほどである
(一緒にお昼を自宅で食べたけど,すでに2人分のお皿を下げて洗ってくれた)

お勉強には不安がある


でも,お勉強ができた子であっても不安だらけだったことは,自分の親を想えばよくわかる

生き抜く技術は伝えたい 

何とかなるさという心意気と,しかし,最低限やるべきときはやらなければならないときの効率的な努力の仕方

あとは,自分が楽しいと思えるものに一生懸命になれること,友人に恵まれること,よい青春ではないか!!

来るべき男女平等の未来を生きる準備を進める自慢の息子である

願いは #パパに会いたい

これを叶えるために,お弁当作りも洗濯ものも何もしない母だけど

日本を変えようと思う


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