私の税理士事務所敗戦記番外編こがねむしクラブ誕生秘話Part2パラレル起業論
前回に引き続き、こがねむしクラブの誕生秘話について書いています。今回はパラレル起業の良い例、悪い例についてかなり突っ込んでみました。
Excelは誕生してから30年以上経ち、数億人のホモ・サピエンスの創意工夫が蓄積した人智の結晶だと思います。
VBAのマクロプログラムが加わると、およそできないことが無いくらい色々なことができます。
「資金繰り実績表こがねむし」の開発で習得したVBAでの開発が楽しくなって、自分が困っていることを解決するためにさまざまなソフトを作りました。
それが10数本溜まった時点で、自分だけじゃなくて他の税理士さんにも使ってもらおうと思いました。
自分が困っていることは、他の人も困っているだろうという発想でした。
サグラダ・ファミリアソフトと呼んでいるように絶え間なく改善をしているので、売り切りよりも会員制にした方がよいと考え、
「こがねむしクラブ」という会員制ダウンロードサービスを始めたのが2015年12月のことです。
Facebookで告知するとすぐに30名ほどのイノベーター的な税理士さんに加入して頂きました。
第1号会員は税理士法人アクセスの鈴木浩文先生で、その後も色々アドバイスを頂いております。
その鈴木先生こそが、以前書いたあのTハウスをも利用したおしている、転んでもただでは起きない尊敬すべき人です。
2016年2月にはFacebookを見ていただいていた税理士向けサービス提供会社Kachielの久保社長から販促を手伝わせて欲しいというありがたい申し出がありました。
コンサル報酬1時間当たり数十万円といわれる久保社長がわざわざ京都まで会いに来て下さいました。
春と秋にキャペーンを行って頂き、そこから一気に会員数が増え、現在では会員数は200名を超えています。
マーケティングでは、ライバルと比較されないポジショニングをとれといわれます。
私は税理士としては二流、プログラマーとしては素人に毛の生えた程度ですがそれを掛け算すると、かなりライバルは減ります。
しかし税理士にも元SEなど、私よりITに強い税理士は多数います。
私の場合、そこに以前税理士向け有料会員組織を運営していた経験がさらに掛け算され、ライバル不在になったのだと思います。
先日、ホリエモンや西野亮廣さんが引用されている藤原和博さんのセミナーに参加しました。
100人に1人のレベルの分野が3つあると100万人に1人になれる、つまり同世代に1人の希少価値になり得るというものです。
1つの分野だけで100万人に1人になろうとすると999999人のライバルに勝つ必要があるわけです。
野球でいえばイチローレベルです。
3つの分野の掛け算だとそれぞれ99人づつに勝てばいいのでそんなにハードルは高くありません。
高校野球をちょっと頑張ったレベルでもいいわけです。
でも、何でもかんでも掛け合わせれば良いというものではないと思います。シナジーとケミストリーを起こす必要があります。
たとえば、アイスクリームとコーヒー、アイスクリームとメロンと、それぞれでも美味しいものを組み合わせるとスペシャル感が出てより美味しくなります。
一方、カレーライスやラーメンにアイスクリームをトッピングしたらどうなるでしょう?
実際には、パラレルに事業を行っているつもりが、キーマカレーバニラアイスクリームぞえみたいな、キテレツなことをやっているケースがあります。
バラバラに食べた方が美味しいのにです。
実はかつての私がそうでした。
税理士をやりながらマインドマップというノート術、思考法のインストラクターをやっていた時期があります。
小学生からシニアの方まで約1000名に教えました。
良い経験にはなりましたが、ビジネスとしてのシナジーは生まず、むしろ時間とパワーを分散させて疲弊してしまいました。
これだとたし算なので200人にひとりしかならないのです。
パラレルでビジネスを行う場合、市場や業界の視点が重要だと思います。
アイスクリームとメロン、アイスクリームとコーヒーは同じデザートというカテゴリーに属します。つまり同じ業界です。
私の場合、今は税理士という業界の中で、ソフトウェア販売を税理士に対し行っています。
つまりアイスクリームとコーヒーの関係なのでうまく行っているのだと思います。
以前のマインドマップのセミナー講師は、一般の人を対象にしたので、ラーメンとアイスクリームの関係になりシナジーが起こらなかったのです。
例えば、税理士✕コピーライターでパラレルを考えるなら、
顧問先か潜在顧客になる中小企業事業者のコピーを作れる税理士か、
税理士にコピーライティングを教えるというポジショニングをとると掛け算になりやすいと思います。
しかし、コピーライターになりたい人にコピーを教えるだとたし算にしかなりません。
書籍の出版に関しても同じことが言ますし、これからYoutubeをやろうとされてる方も同様だと思います。
誰に対して何を提供するのかを考えるのが、やはり商売の基本ということですね。
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