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独立したプロデザイナーが、大企業で挑戦する理由| KOELの人々 #8

こんにちは、KOELの小田中です。2021年1月にJOINしたのでKOEL歴はとても浅いですが、加入したての今だからこそ、新鮮な視点でお伝えできることがあると思いますので、お読みいただけたら嬉しく思います。

自己紹介

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グラフィックデザイン・UIデザインが専門で、広告代理店の制作部/デザイン制作会社/外資系デジタル広告代理店などでの就業が10年、フリーランスでの活動が8年です。社会人を8年経験してから、デザインと英語の勉強を目的に2年間ニューヨークへ留学しました。個人の活動としては2020年11月に絵本を出版しました。

小さい頃の夢は美容師だったのですが、小児アトピーで手の皮膚が弱く水を使う仕事は無理だな、と早々にあきらめました。ただ、人や商品の良い面を引き出して輝かせたいという意味では、美容師さんと同じような気持ちで今仕事をしている部分もあるかと思います。

中学校の頃は美術の授業のレタリングや色面構成が好きで夢中になっていました。先日、ロゴデザインのアイデアを手描きしている時に当時のことをふと思い出して、「あ、私あの頃とやっていること変わらないじゃん」と思いました(笑)。あとは、近所の子と紙芝居を作って遊んでいたこともよく覚えています。

それから、私は美大ではなく英米文学科卒業なのですが、作品や作者、時代背景などを徹底的に調べて本質を問う、という研究姿勢が今でも役に立っていると思います。というのも、ヴィジュアルデザインはアウトプットこそ表面的なものですが、そこに至るまでの過程は十分なヒアリングやリサーチ、商品や人に対する理解がないと良いデザインができないので、実際に手を動かしてデザインをするまでの過程は、研究時に行っていたことと通ずるものがあるからです。

以前は、美大出身ではないコンプレックスはあったのですが、今では英米文学科卒でよかったなと思っています。色々な意味で全ては今に繋がっていると思うし、美大出身じゃないことがネックになって一歩踏み出せないデザイナー志望者の方にとって、何か参考になればいいな、とも思います。

実績事例

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会社員時代は企業や商品のプロモーションに関わるヴィジュアルデザインや、デジタルサービスのインターフェイス、それからグッズ制作のデザインもしていました。フリーランス時代は上記に加えて、サービスを0から一緒に考えたり、エンジニアやノンデザイナーの方へ基本的なデザインをレクチャーするなどのお仕事も増えました。また、日英バイリンガル/英語/他の言語など、ターゲットの言語別にデザインをする経験もしました。

幅が広すぎて面談の時にも簡潔に説明することが難しかったのですが、簡単に言うと「平面のヴィジュアルデザイン全般」が私の担当領域です。以前お客さんに「動かないものは全て小田中さんがデザインしてくれる」と言われたことがあり、そういう立ち位置として覚えてもらえているのは嬉しかったし、分かりやすい!と思いました(笑)。

これまで多くのプロジェクトに関わってきましたが、一番心に残っているものは、2018年の「日本・スウェーデン外交関係樹立150周年の記念イベント」のヴィジュアルデザイン全般を手掛けたことです。コンペ形式だったのですが、フリーランスにも関わらずこの大きなイベントを任せてもらえたこと、それから私のデザイン人生の総括とも言えるような印刷物からデジタル、プロモーショングッズまで一通りデザインさせて頂いたこと、日英バイリンガルのデザイン、また国家行事に参加できたことも大きな理由です。スウェーデン大使館の方たちとも近い距離でよい関係性を保ちながらやりとりをさせて頂いたので、色々な意味で心に残るプロジェクトでした。

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KOELに加入した3つの理由

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直近ではフリーランスをしていたのですが、そろそろ次のステージに進む時かなと数年前から薄々感じてはいました。フリーランス時代には、お金周りや事務処理などデザイン業務以外のことや、納品するデザイン自体ではない部分(例えばコミュニケーション方法など)も私の「商品」の一部であることなど、たくさん学ぶことがありとても良い経験をしました。ですが、業務範囲で言うとやはり限られてしまうので、もっと広い範囲で、そして仲間と共に働きたいという想いが湧いてきました。

また、デザイン思考を活かしてビジネスを創造する、という流れが世界的にも主流になってきたことも大きいかと思います。私の専門はヴィジュアルデザインですが、これまで培ってきたデザインに対する考え方やアプローチ方法が専門外でも活かせると思うと、デザインする範囲の広がりにワクワクし、やはり組織に所属して挑戦したいと思うようになりました。

そんな理由で転職活動を始めたのですが、KOELに決めた理由は3つあります。

1. 社会的信用が高く強い影響力があり、事業範囲が広い会社だから
詳しい事業内容は分からないけれど、NTTコミュニケーションズの名前を聞いたことがある人はとても多いと思います。私もその一人で、もちろん社名は知っていましたが、実際何をしているかはあまり知らなかったです(笑)。ですが、よく分からないけれど何か大きな事業をしていて影響力がある会社、それって実はとてもすごいことなんだと思います。それだけ認知度や信用が高く、また社会に根付いたサービスを提供していることの証だからではないでしょうか。

私はこれまで事業会社で働いたことがなく、大企業での就業経験もありませんでした。また、広告やプロモーションに関わる制作が多かったので、納品後の反響がどのくらいあったのか見えづらい立場にいました。デザインは楽しい、けれどどのくらい機能しているのか、などの反応はいつも気になっていました。

色々な意味でNTTコミュニケーションズ、NTTグループで働くということは、私にとっての初めてのことが多いのですが、その事業規模の大きさ、公共性、サービスに直接的に関わるプロジェクトにやりがいと魅力を感じました。

2. デザインに対する深い理解と、向上心を持って働いている仲間がいること
「デザイン思考」という言葉はここ数年ですっかり定着した感があり、個人的にはデザイナーの活躍の場が広がり嬉しい流れだなと思っています。私も、より広義のデザインに携わりたいと思っていたので、デザイン思考を取り入れたビジネスやアプローチを実践している会社を探していました。ですが、実務レベルではまだまだ発展途上段階で、多くの会社でデザイン思考をどう取り入れ、ビジネスに活かしていくかは試行錯誤中なのが現状だと思います。

KOELも2020年4月にできたばかりの新しい部門ですが、KOEL誕生までには10年の歴史があります。10年前からデザインの力に注目し、研究や学びに時間をかけ熟成し、満を時して誕生したことを聞かせてもらった時「本物だ」と思いました。先見性があること、そして堅実にデザインの組織づくりをしている姿勢に信頼と安心を覚えました。

KOELもまだまだ発展途上ですが、そんな土壌があるのと向上心の塊のような仲間が多くいるので、私も「一緒につくる」という体験をしたいなと思いました。

3. 女性が楽しそうに働いている
選考過程で面談を重ねた後「他にどんな人と話してみたいですか?」と聞かれ、それまでは全員男性との面談だったので「女性の方とお話してみたいです」とリクエストしました。KOELの男女比は半分ずつくらいと聞いていたので、バランスがいいなとは思っていたのですが、実際にお話をして雰囲気を知りたかったからです。

次の面談では二人の女性社員の方とお話させて頂いたのですが、お二人ともとても楽しそうに仕事のことを話してくれたこと、たくさん私に質問をして下さり話が盛り上がったので、一緒に働くイメージがすぐに湧きました。

これまで仕事をする上で性別による差は感じたことはなく、ものづくりの現場はどこもフラットな環境だったのですが、私の中の「いい組織」のひとつの指針となっているのが「女性が元気な村はいい村だ」というジブリ映画に出てくるセリフにあります。熱狂的な宮崎駿監督のファンでもないのですが、女性が元気な組織はいい組織(会社や国)だ、という考えに共感するので、女性が楽しそうに働いている空気がKOELに加入する最後の決め手のひとつになりました。

KOELでやりたいこと3つ

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1. みんなでつくる
8年ほどフリーランスをしていたので、誰かと一緒につくることに飢えていました。私の仕事スタイルは、お客さんを巻き込んで発注者と受注者という関係性を超えてひとつのチームとして一緒につくるというものなので、同じプロジェクトをしているという意味ではお客さんもチームメイトなのですが、やはり同じ組織にいる仲間と一緒に作りたいという気持ちが強く湧いてきました。

KOELはUIデザイナーだけでなく、UXデザイナー、デザインリサーチャー、ビジネスデザイナーが在籍しているので、私の専門外のデザイナーたちと一緒に働くことができる環境はとても魅力的です。違う視点を持った仲間と一緒に、同じ方向性を見てものをつくることに可能性しか感じません。それから、NTTコミュニケーションズの他部署の方たちと共同することも魅力に思います。会社全体としてデザインへの理解と期待を感じるので、より違う分野の専門家と一緒につくる体験を通して、よりよいものづくりができたらなと思っています。

2. ワークするデザイン
広告制作をしている方がよく抱く気持ちだと思いますが、納品して終了のプロジェクトが多かったので、ユーザーがどう思ったのか、どんな結果が出たのか、どんな影響や変化があったのかなど、納品後の状況を知ることが難しいので私もジレンマを感じていました。

なので、使われるデザイン、納品後の状況や影響が分かるもの、学んだことを以降のものづくりに活かせるような連続性があるものなど、ワーク(機能)するデザインを手掛けていきたいです。

3. ヴィジュアルデザインを超える
「1. みんなでつくる」
にも書いたのですが、KOELにはUIデザイナー以外のデザイナーが多く在籍しています。私はこれまで、0からサービスを考えたり、ブランディングのプロジェクトにも関わってきましたが、KOELのような専門性が高くより広い視点を持った仲間と同じ組織で働いたことがないので、その過程に参加することができる、更には越境して挑戦できるフィールドが整っていることはありがたく思います。

専門に軸を置きつつ、上流工程から参加することでよりよいヴィジュアルデザインに落とし込むことができるし、自分のデザイン領域を広げてものづくりに取り組んでいきたいと思っています。

入社してから今日まで

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入社して3ヶ月目に突入しましたが、会社や組織、事業内容を勉強中なのと、実際のプロジェクトは参加し始めたばかりなので、まだまだお伝えできることは少ないのですが、そんな中でも私が感じたことをお伝えしていきたいと思います。

1. 事業領域
入社前の漠然とした事業内容から、実際に参加したりKOELで手掛けているプロジェクトを知ると、改めてその事業領域の広さと公共性を実感します。「公共のものをつくる」「ICTインフラを支える」「社会性の高さと責任」。どのプロジェクトでもこれらのキーワードが当然のように根底にあるので、責任と共にやりがいを覚えています。

KOELの仲間ももちろんそうですが、同じプロジェクトの他部署の方たちからも「公共のものをつくっている。インフラを支えているんだ」という責任感と、静かだけれど確固としたプライドと情熱を感じます。

2. 素晴らしい仲間
現在KOELには30名弱の仲間がいます。入社前にはNeWorkやSlackで事前にコミュニケーションする機会を何度か設けてもらったのですが、親切でウェルカムムードがとても伝わってきました。入社後もその雰囲気は変わらず、困ったことがあればすぐに対応してくれたり、分からないことがあればすぐに教えてくれるので、入社後のギャップや不安は一切ありませんでした。本当にみんな優しいんです♡。

今はリモートワークなので実際に会ったことのない方の方が多いのですが、ビデオ会話の機会も多いですし、Slackでのコミュニケーションも盛んなので、距離感を感じることもなく楽しく過ごさせてもらっています。

優しさ溢れるKOELのメンバーですが、スマート、意欲的、向上心、好奇心、誠実、これらのキーワードもよく当てはまると思います。皆さんとても優秀なので多くの刺激をもらっていますし、私もよい刺激を与えられる存在でいたいと思うので日々精進を心がけ、お互いに高め合える関係でありたいと思っています。

3. 充実した学びの環境
KOEL、NTTコミュニケーションズには学びの機会がとても多いので、とてもありがたく思います。書籍の購入、年間20万円の自由に選べる研修費の補助、それから組織内での学びや共有会も盛んに行われています。

これらの制度に加え、意欲的で勉強熱心の人が多いので話をするだけでもとても勉強になります。個々人が目的意識を持って意欲的に学んでいるカルチャーは、本当に素晴らしいなと思います。

4. デザインへの期待
KOELは自分たちのデザインスキルやアプローチをプロジェクトに活かすことが業務ですが、その他にNTTコミュニケーションズの他部署のためのデザイン組織の設計や、デザイン人材育成の役割もあり、全社を上げてデザインを学び積極的に業務に活かしいくという決意が至るところで感じられます。

長年デザインに携わって来た身として、この環境はとても嬉しいと感じる反面、期待値が高い分の責任や成果への道筋を真剣に問い直していて、私自身も改めてデザインに向き合っている最中です。新しい挑戦に試行錯誤中ですが、しっかり成果を上げていきたいと思っています。

5. 大企業だからこその自由と挑戦
これは自分でも想定外のことでした。大企業と言えば、安心安定、信頼、堅実、などのイメージが優勢かと思います。ですが、こういった環境があるからこその自由と挑戦なんだ、ということは入社して一番の気づきかもしれません。

フリーランス時代は体や時間こそ自由でしたが、どこかで収入をいつも気にしている状態だったので、今のようなメンタル面での安心はありませんでした。また、それ以前の会社員時代もNTTコミュニケーションズのような規模の会社で働いたことがなかったので、大きな組織に属している安心感は初めて経験するものです。

もちろん何が起こってもおかしくない世の中なので、この先何が起こるかは分かりませんが、それでもこの土壌だからこそ生まれる余裕は存在していて、だからこその自由と挑戦できる余白を感じ、大いに活かして行きたいです。

最後に

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ここまでいいことばかり書いてきたので(笑)、最後に私が思う今のKOELの課題について正直にお伝えします。

スマートで優しくて信頼がおける、そして向上心があって意欲的なKOELですが、もっと個性を発揮すればより創造的になれると思っています。今はまだ組織づくりの途上にあるので、みんなの意識を同じ方向に向けることに注力していますが、土台が整ってからはユニーク性やユーモアの表現にもっと注力していけたらなと思います。

なぜなら、バックグラウンドや専門が違うからこその視点の違いを、クリエイティブな方法で掛け合わせれば、素晴らしいものができると確信しているからです。ヴィジュアルデザイナーには作れないアイコンやロゴだったり、UIデザイナーでは思いつかないインターフェイスがきっとあると思います。もしかしたら、そっちの方が新しくて面白い可能性も十分あります。それから、私が素人目でぽろっと言ったことがリサーチの大きなヒントになり得るかもしれません。

専門は違うけれどデザインと言うキーワードで繋がる仲間がいる、越境して活躍できるフィールドがあるのだから、それぞれの個性と専門性を輝かせてこの恵まれた環境を十分に活かしていければと思っています。

私も日々の変化を楽しみつつ、KOELと共に成長し、よりよいデザインを生み出していきたいと思っています。

KOEL note

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