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ASDフレンドリーな世界のために

この記事は2954文字あります。個人差はありますが、5分〜7分でお読みいただけます。

どうして発信活動をするのか?

先日Twitterで次のようなことをつぶやきました。

まだまだこの領域での知識も経験も少ないのは重々承知しておりますが、それでも有難いことに講師としてお招きいただくことがあります。これまで、一般の方々向け(当事者の方も含む)、支援者の方々向け、僕のような心理職向けなど、さまざまな対象の方々に向けてお話をさせていただいております。

元々そんなに目立ちたい方ではなく、こうした発信活動も関心がない方だったと思います。それでも講師を受けさせていただいたり、発信活動を始めたのは「啓発」が理由です。

啓発活動に時間を使うよりも本来の支援に時間とエネルギーを注いだ方が良いのでは?という意見もあると思います。そう思った上でも、僕はやっぱり啓発活動にもエネルギーを注いでいきたい、長い目で見れば、その方が日本の自閉症支援へお役に立てることがあるのではないか、そんな風にも考えています。

今までの自分の活動に感じた疑問

僕の考えが絶対に正しいとは全く思っていません。違うこともあるでしょうし、自信のないこともあります。偉そうなことを言っていても、実際にはうまく対応できていないことも少なくないこと、これは僕が一番よく知っています。

僕の話や考えは偏っていたり、多くの人には届けられないかもしれません。でも、そうしたうまくいかなかったことも含めて、色々な場所で共有させていただくことで、どこかで誰かのお役に立つのであれば、それも一つの役割かもしれない、そんな風に考えています。

だけれども、自閉症の方々やそのご家族の暮らしを考えた時に、「啓発はとても大事。でも本当にこの方向でいいのかな?」と疑問も持っています。その時々、その場その場で必要な支援を受けられること、そしてそのためには自閉症を理解する支援者の存在は非常に大切です。

でも、実際にはそうした限られた空間だけではなく、地域で皆さんは暮らしています。

普通に生活しているだけで、人の1.5倍〜2倍くらい疲れていると思う

自閉症の当事者の方より教えてもらったこと

こんな風に教えてくれる当事者の方々がいます。

そして、「特別な支援」ではなくて「ほんの少しの理解や調整」で生活の質が大きく変わる方々にも多く出会ってきました。また、映画「梅きらぬバカ」に関するコメントで加賀まりこさんが「無理に手を差し伸べなくてもいいけど、出会ったら微笑んで」と仰っており、僕はとても共感しました。

関心が少ない人たちにこそ情報を

地域における支援をしていると色々なことがあります。以前、自閉症の青年と外出した時に、周囲からみられたり、避けられたりすることがありました(独り言をよく話される方で、それで周囲には誤解を受けていたのかもしれません)。当時色々な思いを抱えたことを覚えていますが、当事者やご家族のお立場であればより一層さまざまな想いがあると思います。

一方で、こちらが何も伝えなくても、お店の店員さんがとても穏やかに対応してくれたおかげで、安心してお店や社会資源を利用できる方々もたくさんいます。

こうした経験の中で次のようなことを感じてきました。

  • 自閉症やその支援に関心がある方々よりも、そうでない人の方が圧倒的に多い
    また社会では関心ある人たちだけでなく、関心がない人たちとも接点がある
    ほんの少し理解してくれる(例えば、大きな声を出したり、叱責したりするのではなく、穏やかに対応してくれる)だけでも生活の質が大きく変わる人たちもいる

  • そして、その結果として大きな困難として顕在化しない人も少なくない

  • だとすれば、同じ啓発でも支援者の育成だけではなく、関心がない人に知ってもらうことの価値はとても大きい

これらの今までの自分の啓発活動で達成できるかといえば、難しいようにも思ったりです。

CROSS TEAMとの出会い

2022.6.4 ワークショップにて

だからこそ、違った形での啓発活動も大切で、その取り組みの一つが「CROSS TEAM」の方々との出会いです。皆さんは「共創」を理念と、その理念のもと社会へ発信をしていくチームです。

CROSS TEAMのMisson&VisonをHPから引用して紹介します。

小さなチカラを大きな夢へ、
チームのチカラを感動へ、
輝くチカラをクロスして。

CROSS TEAM公式HPより

今まで障害福祉に携わっていない方々が、障害のある方々とチームになり、社会に新たな価値を共創していく、そんな取り組みをしておられます。これまでさまざまな活動をしてきておられます。ちなみに、本当に偶然ではあるのですが、僕がコンサルテーションに入らせている事業所さんともコラボレーションした活動もしており、「世の中狭いですね笑」と話をさせていただきました。

非売品ではありますが、このようなTシャツも作っていたりします。僕は結構気に入っていて、私服としても使っています。

「あ、それ素敵だね。どこの洋服なの?」
「CROSS TEAMのだよ」

そんなやりとりが色々な場所で生まれるといいなぁと思っています。

より多くの方々に届けるために

2022.6.4 ワークショップにて

CROSS TEAMは昨年の12月から羽田空港で"共創のデザイン展 Challenged Design Collection"を開催していました。そこでは、延べ来場数約36,000名となっており、非常に多くの方々に想いや情報を伝えられています。

36,000名というのは、僕個人が一生懸命啓発を続けた場合に、どのくらいの年月がかかるんだろう、あるいは難しいかもしれないという人数です。

僕が何かしているわけではありませんが、こうした志を持った方々とクロスして、より広い視点、領域に情報を届けることができれば、自閉症の方々にとって、そしてそれ以外の方々にとっても良い社会になるのではないかと思っています。

まずは、少しでいいから知ってもらうこと

2022.6.4 ワークショップにて

そのためには、色々な立場の方々とご一緒させていただきながら、これまでとは違う形での啓発もしていきたいと思っています。

そして、何年後になるかわかりませんが、「2022年にそう思って良かった」そんな風に思えるよう、これから歩んでいきたいという決意表明的な内容でした。

皆さんもぜひ応援してください。
僕も頑張ります。

CROSS TEAM 加藤勝也さん、久世迅さん、前田鎌利さん(書家)と共に

佐々木康栄

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