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キャノンボール2035 日本橋トゥ梅田 ~ババアのデス・レース~

「国道1号でレース。ルールは単純、65歳以上の女性が歩行補助車で地上を移動する。これだけです。賞金は…」

 国民の3割がジジババの超高齢社会、日本。
「(カネを握る)ババアに愛され続けるサービスを」を社是に興した会社を時価総額40兆円まで成長させ、今はババアの楽園『BABA TOWN』を建設中の男、後澤勇作が記者会見を開いていた。

「ふん、自分が考えたみたく偉そうに。…まあ利用させてもらうよ」
 後澤に企画を持ち込んだ老婆、風宮トメがテレビを睨み独りごちた。

 レース当日。日本橋に集まった参加者は数千人。つてを頼り妹の旦那の息子の嫁の弟が勤める工場でカスタムチューンした愛車を握り締め、ローラースケートを履いたトメは合図を待つ。

「よーい」

 パン!

「うおお!」
 トメは端から全開!
 亜酸化窒素がエンジンに噴霧され爆音と共に愛車が移動を開始する!
 排気管から猛烈な炎!
 下半身が焼ける!
「AAHHHナニクソー!」

 デッドヒート!【続く!】

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