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「プロジェクトの書」三部作が完成。~入門・思想・実践編のポイントを解説

プロジェクトマネージャー・リーダーとして、初めてプロジェクトに取り組むという方。
プロジェクトメンバーとしてチームにアサインされた方。
他者と意気投合していっしょにプロジェクトを立ち上げた方々。
プロジェクトの失敗を経験された方。
プロジェクトチームづくりに課題を抱えている方などなど。
こうした様々な立場・経験の方々に向けて、盟友後藤洋平さんとつくったプロジェクト本三冊が出そろいました。

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2018年3月に刊行した『予定通り進まないプロジェクトの進め方』
書籍刊行後、数多の講座・勉強会・研修・コンサルテーションを経て蓄積した知見を練磨して、2020年3月に『見通し不安なプロジェクトの切り拓き方』を刊行。
同じく2018年から研鑽を積み重ね、よりわかりやすく、図版やイラストを多用し、プロジェクトという言葉に馴染みのない方でも、取り組みやすくするようにした『紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本』を2020年4月に刊行することになりました。

この三冊が出そろい、『予定通り進まないプロジェクトの進め方』を購読してくださった方には、その続編として『見通し不安な~』をお勧めしていますが、『予定通り~』で提唱した、プロジェクトを進めていくための必要な諸要素の関係性や構造を可視化したツール「プ譜」の書き方をマスターすしたいという方には、『紙1枚~』をお勧めしています。

プ譜1

ただ、初めて私たちの書籍を書店やAmazonなどで目にしてくださった方にとっては、どれから読めばいいか判断に迷われるかも知れません。そこで、三冊の内容から購読を判断しやすくなるための記事を書くことにしました。

端的に申し上げると、三冊は下図のような問題及び好みをお持ちの方々に、それぞれ読んでいただきたいと考えています。

三部作の内容一覧

予定通り進まないプロジェクトの進め方、見通し不安なプロジェクトの切り拓き方、紙1枚に書くだけでうまくいくプロジェクト進行の技術が身につく本

時間軸では『予定通り~』が最も早かったですが、当時の私たちは「プ譜」を使った実績に乏しく、前田・後藤の限られた経験で以てつくりあげた概念的な内容が多かったといえます。
その後の実践を経てアップデートした内容が『紙1枚~』と『見通し不安~』に反映されており、上述したように「プ譜」を書けるようになりたいという方には『紙1枚~』を。そして、「プ譜」をプロジェクトチームの共通言語としたいという方には『見通し不安な~』をご覧いただくことをお勧めします。

『紙1枚~』にはプロジェクトという言葉に馴染みのない方々であっても、この一冊があればプロジェクトの進め方がわかるよう、基礎的な知識、「プ譜」以外のツールの紹介などを行っており、いわば「入門編」ともいうべき内容になっています。
あとは、他二冊と見比べたときの第一印象でお感じになられたように、圧倒的にビジュアルがイケています。

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図版・イラストが多く、しかもオールカラー。一つの内容が1ページで完結するため、とても読み易いのも入門編ならではの配慮と言えましょう(控えめにいって最高です)。

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ぜひ、『紙1枚~』のamazon詳細ページでも図版の一例をご覧ください。

三冊をベン図で表現すると以下のようになります。

予定通り進まないプロジェクトの進め方、見通し不安なプロジェクトの切り拓き方、紙1枚に書くだけでうまくいくプロジェクト進行の技術が身につく本2

プロジェクトが失敗する本質について知りたければ『予定通り進まないプロジェクトの進め方』

『予定通り~』はプ譜という方法が世に出た第一作です。本書は「なぜ、プロジェクトは失敗するのか?」という問いのもと、プロジェクトがその未知性や複雑性、想定外の事象などにより、「そもそも失敗するようにできている」というコンセプトを提示しました。プロジェクトがそうした性質であることを前提に、プロジェクトを「管理」するのではなく、「編集」することに問題解決の秘訣があり、そのためのツールとして「プ譜」を提唱しました。
ただ上述した通り、『予定通り~』はまだ概念的な部分が多く、プ譜の記述方法や更新方法が十分に詰め切れていませんでした。本書の書評を拝見すると「大規模プロジェクトには適用できないのではないか?」といったことや、「個人の頭の中を整理するにはよいが、チームに実装するにはどうしたらいいのか?」といった批判・疑問をいただいていました。
この意味で、『予定通り~』は実践に乏しいところがありますが、プロジェクトを「編集」していくための方法や知識を詰め込んだ、三冊の中では最も思想的・教養的な成分が多い一冊になっています。

チームに課題があるなら『見通し不安なプロジェクトの切り拓き方』

こうした批判・疑問のうち、プ譜をチームに取り入れたいと思ってくださった方には、『見通し不安な~』にぜひ進んでいただきたいです。
プ譜をプロジェクトメンバー一人一人が書きながら、合意形成をしつつ、プロジェクトのプランもつくり、チームの志向性を統一していくための方法を記載しています。

予定通り進まないプロジェクトの進め方、見通し不安なプロジェクトの切り拓き方、紙1枚に書くだけでうまくいくプロジェクト進行の技術が身につく本3

二年間で経験した業界も規模も内容も異なる様々なプロジェクトの現場から、プロジェクトのステークホルダー間のコミュニケーションや考え方のズレが、ほとんどのプロジェクトの失敗の原因になっており、その原因の解消に「プ譜」が役立つことを、これでもかと詰めこんています。そのため、目次をながめていただき、「この事例は自分たちの問題に近そうだ」というものから読み始めていただければ、必ず読者のみなさんのプロジェクトの問題解決のヒントを得られると思います。どれぐらい詰まっているかについては、こちらの記事に詳しいので、よろしければご覧ください。

プロジェクト初心者には『紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本』

プロジェクトに初めて取り組み、かつ、まだどの本も買っていないぞという方には、迷うことなく『紙1枚~』をお勧めします。
本書は、『予定通り~』を読んだ翔泳社の渡邊康治さんが、「プロジェクトの種別・大小を問わず、何らかのプロジェクトを進めている人・進めることになった人が、わくわくした気持ちでいられる“プロジェクト進行の入門書”を作りたい」とオファーをくださって企画・制作した本です。
実際に本を読んで「プ譜」に可能性を感じてはみても、なかなか筆が進まない・・・という方が、気軽に始められるように。ちょっと難しそうととらえる方にも、書き方のコツやヒントを、図版を多用してわかりやすく、楽しく取り組めるようにしたいという意図が、本書の全編を通して貫かれています。
渡邉さんの熱意と編集力が「わかりやすさ」「取りつきやすさ」に滲み出ている本書をぜひご覧ください。

その後、チームに取り入れたいとお考えになれば『見通し不安な~』を。個人としての視野を広げたいと考えになれば『予定通り~』に進んでください。

予定通り進まないプロジェクトの進め方、見通し不安なプロジェクトの切り拓き方、紙1枚に書くだけでうまくいくプロジェクト進行の技術が身につく本4

下の写真は研修などで使用しているプレゼンテーションのスライドをプリントしたものの一部ですが、冒頭にも述べたとおり、この三冊、特に『紙1枚~』と『見通し不安な~』は、『予定通り~』刊行後の二年間で行ってきた講座、勉強会、研修、コンサルテーションなどの体験と関係諸氏・諸分野からの学び、古今東西の叡智、成功と失敗例を編集し、練り上げた、切れば血の出るナレッジの集まりです。

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ぜひご自身に合った一冊から手に取っていただき、みなさんのプロジェクトを成功する一助としていただければ幸甚です。

最後に、三冊ともに登場する重要なフレームワーク「プ譜」の詳しい情報は下記のページを。

プ譜の書き方はこちらの動画で解説しています。よろしければご覧ください。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。