「子どもの才能が輝く21世紀教育」イベントレポート②
こんにちは。
Kodomo Eduスタッフです。
先日10月24日に行われたオンラインイベント
[ 子どもの才能が輝く21世紀の教育とは?〜親が知るべき10の新常識〜 ]
(※イベントは終了しています。)は、好評のうちに幕を閉じました。
前回に引き続き、今回は第2部のダイジェストをお伝えします。
第二回は、Kodomo Eduの代表、上田佳美と竹村詠美さんの対談です。
イベントのチケッティングサービス「Peatix」の共同創業者であり、マッキンゼー、アマゾン、ディズニーといったグローバル企業に勤務してきた経験も持つ竹村さん。そしていま、国内外の最先端教育を調査しながら、次世代を担う子どもたちを育てる教育改革を先生たちと一緒になって取り組んでいます。『新エリート教育』の著者でもあり、一般社団法人「Future Edu」と「Learn by Creation」の代表理事も務める竹村さんと、世界の最先端の教育について話しました。
■学びの中心は、子どもたち本人 by竹村さん
ご自身も中学生と高校生の2人の子どもを育てる竹村さん。様々なグローバル企業で働き、時代の最先端の働き方を体感する中でも、子どもたちの教育に疑問を持ち、国内外の学校を調べ始めたことから教育への関心が高まったと話します。「Most likely to succeed」という米・High Tech高校のプロジェクト型教育の現場を報告するドキュメンタリー映画を日本に紹介し、その新しい教育方法は大きな話題となりました。
「いま、激動のVUCAの時代と言われる時に、学校が楽しくないということなく、生き生きとワクワクと子どもたちが学べる環境を提供したいと思って、活動をしています」という竹村さん。以下は、当日のお話からです。
■学習者中心の学びへシフト
世界の教育の大きなシフトの1つとして見られるのは、これまでの工業化時代に合わせたカリキュラム中心の教育から、新しい時代に向けて「子どもたち=学習者中心の学び」への動きです。そして、学校で一方的に教え込む教育ではなく、教師、保護者、学外リソース、学習カリキュラムといったすべてを活用して、いかに子どもたちに合わせて適した学びを提供できるかという方向へ動いてきています。
■心も身体も頭も、バランスよく整う子育てを
その代表例が、竹村さんが書籍でも紹介しているホールチャイルドアプローチです。
ホールチャイルドアプローチ(Whole Child Approach):
子ども一人ひとりの心身頭全体の調和が取れた発達を促すことで、すべての子どもが学びに喜びを感じ、主体的に学ぶことで、自らの可能性を引き出し、自分らしい人生を歩みながらコミュニティや社会に貢献する人材を育てること。
決まったカリキュラムがあるわけではありません。1人1人に合わせた教育を考えていくことです。
・心(Heart):
学びのキーワードはSEL(Social Emotional Learning)。自分の感情に気づき、コントロールできるようになるためのプロセスですが、心の教育をきちんと子ども起点でやっていこうという考え方です。
探究的な学び舎深い学びは大切ですが、知識だけだけでなく、自分の心を大事に学びへ迎えるように。
・身体(Body):
最先端の学びをする学校では、ひとりひとりの生徒らしさとともに協働の場としてパフォーミングアートを取り入れている学校が多いです。
共通しているのは、チョイス(選択)とボイス(自己表現)のある学び。
演劇やダンスなどを通して、自分らしさを表現し、コミュニケーション力も高まります。更にスポーツなどもありますが、完全に部活動だけでなくても、季節ごとに選べる気軽なスポーツや健康維持のためのヨガやフィットネスなども含め、考えられています。
・頭(Mind):
高度な思考力を育てることが最近の教育では注目されています。生徒は主体的に取り組むようになると、より深い思考へと進むことができるという調査もあります。
記憶や理解だけでなく、情報を分解したり、自分で価値判断をしたり、情報やアイデアを組み合わせて新たなものを創り出すというところまで進むように、プロジェクト型学習なども取り入れられています。
そして、「何より大事なのは、大人のマインドセットのシフト」。私達大人がいかに環境を整えられるかが重要になってくるのです。
■親が子どもの学習に向き合う時に意識すべきことは?
さて、Kodomo Edu代表、上田とのディスカッションでは、様々なテーマで話がされたので、いくつかダイジェストでお伝えします。
Q1.親は、学校の成績をどう考えればいいのか? 子どもの学習にどのように向き合えばいいのでしょうか?
学びは、結果ではなくプロセスだと考えましょう。
テストの成績だけ見るのではなく、なぜ子どもが例えば嫌がってるのか、理解できていないのかを一緒に考えて上げることが大事ですよね。プリント学習があってないのか、学ぶ方法があっていないのかなど、学び方の特性や適した学び方は子どもによって異なります。
例えばプリントで計算問題が苦手なら、好きなレゴを使ってみたり、デジタルでやってもいいですし、その子が好きな方法を使って補助輪をかけてあげれば、きっと興味を持ってはいっていけるのではないでしょうか。
言語的活動でも、作文を描くのは苦手でも、動画で話すのは好きかもしれません。では、動画を撮るならシナリオを書こうと誘ってもいいかもしれないですね。
こうして親子で学びを探ってみることで、子ども自身も自分の学び方の特性を理解できる機会にもなり、生涯学習者として今後の学び方にも生かしていけますよね。
Q.様々なグローバル企業で働かれてきて、そうした企業では学歴はどのくらい重視されていると感じますか?
今、日本の会社でもジョブ型採用が広まってきましたよね。ジョブ型だと学校歴より何ができるかのほうが大事になりますよね。海外では、学校名は見ないという会社も増えてきました。私がいた会社でも学校名は履歴書にあってもそれを重視することはなく、カバーレターと呼ばれるその人の職歴や思いが書かれた書類を重視して、面接することが多かったです。そして、面接に進めば、もうその人なりに注目しますよね。
そして今はSNSでもレファレンスと呼ばれる他の人の推薦コメントなども見られるようになっています。レファレンスのいい人は、学歴に関係なく引く手あまただと思いますよ。
学校の成績では判断できない、その人の主体性やコミュニケーション力、取り組む力などが重要になってきますよね。
Q.学校はどうやって選べばいいですか?
最近は学校の種類もすごく広がってきていますよね。
山村留学や英語村のような学校、オンラインを使った教育などオルタナティヴなものも増えていますよね。
日本では、身体は元気でも学校に行けない「健全な不登校」も増えていますが、外部リソースやオンライン教育を使いながらお子さんの興味やタイプに合わせて学ぶという方法もできるようになってきています。
公立でももちろんいいですし、私立、国立の学校なども特徴ある学びを提供するところも増えています。保護者がそうした特徴ある学びを求めてくれば、さらに学校も個性が出てきて、良いスパイラルができますよね。
私立の優秀校がいいと簡単に判断するのは危ない。学校の知名度や偏差値よりも、多様性や個性、その家庭がお子さんの成長に何を求めるのかということで異なります。
ただ、お子さんが学校の先生と合わなくなった時に、他に選択肢を求めるなど今後どうしていくかということは考えておくといいかもしれないですね。やはりお子さんの感じている状況を親がしっかり捉えて判断してあげることに注意したいところです。状況によっては、プランBを考えておいてチェンジするのも必要ですよね。
次回は、第3部の様子をお伝えします。
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