孤独な散歩者

自らの心象風景に形を与えるため、言葉を紡ぐことにしました。土台不可能な取り組みなので、…

孤独な散歩者

自らの心象風景に形を与えるため、言葉を紡ぐことにしました。土台不可能な取り組みなので、温かい目で見守っていただければと思います。特に定まったテーマはなく、日頃考えていること、身の回りに起こったこと、考えさせられた言葉などを書き留めていきます。

最近の記事

「存在」と「不在」

「不在は存在を濃密にする。」 思い返せば、このテーマは、私の20代における思想課題であったように思われる。 最初の不在については20代前半で経験した。 なんてことはない、当時周りが見えなくなるほど没入していた彼女と別れたのである。 ほとんど同じタイミングで異郷へと引っ越した。 異郷は私にとって心機一転の地とはならず、その土地が持つ独特の灰色の景色にますます気は滅入るばかりであった。 煩悶に煩悶を重ねた。 …その彼女は最早近くにいない(不在)。 しかし、不在か

    • 孤独

      自らの良き理解者だと思えるような親しき他者との間に、僅かな感覚のズレを感じた時、人は初めて自らが根源的孤独から逃れえない存在であることを知る。 孤独を受容した人間は、その小さくて大きな溝を一生抱きしめたまま生きていかざるを得ない。 しかし、やがて、そうした存在が自分だけではないことに思いが至り、他者の孤独と共に歩んで行く覚悟を決めるのである。 彼は、深い孤独を身に纏っているが、不思議と物寂しさや孤立とは無縁の世界にいる。 そして、静かな熱を帯びながら、彼の愛する他者を

    「存在」と「不在」