【在籍エントリ】5人から100人に育ったこの会社のエンディングをみたい
Gaudiyで働きはじめて、2024年10月でまる6年が経った。
同一組織に6年所属するのは、小学校、中高一貫校に続いて、3回目。ここからは人生最長記録になる。
採用面談に出ていても、同じ企業に6年も所属しているエンジニアはあまり見かけないので、自分も社外からそう見られるのだろうか、と責任感も出てきたりする。
ちょうどハタチでGaudiyに入り、20代も後半戦に突入してきたので、この6年を振り返って今感じてることを残しておきたいと思う。
なんでGaudiyに入ったんだっけ?
Gaudiyと出会った経緯は、この6年間ともに開発してきたデザイナーTORAJIROの在籍エントリをみてもらえればと思うが、もともと自分にはやりたいことが明確になかった。
親の勧めもあり、昭和みたいな男子校に行ってスパルタに抗い、周りに医学部を目指す友人が多かったからという理由で医学部を目指して、なんとなく浪人した。
ただ、2つの漠然とした軸はあった。
1: 新しいものを自分の手を動かしてつくること
父がDIY, 自動車整備などなんでも自分でする人であり、また祖父も特許を何個か持っている人だったことから、小さい時から図面が転がっている環境で工具を使って直す・作るを手伝っていた。そんなこともあって、子供の頃からものづくりに馴染みがあった。できるようになったことはつまらなくなってしまい、新しいことを常に追い求める癖は、今もずっと変わらない。
2: ニッチなコミュニティが好きなこと
クルマ、バイク、深夜ラジオ(芸人さん)がずっと昔から変わらず好きだ。ただ、同世代で同じ好みを同じ強度で語れる人はリアルの接点に存在しなかった。それでも、毎週深夜25時過ぎにメールを送ったり、稼ぎをすべて捧げてクルマをつくる人たちの熱量と存在には、インターネット(or ラジオ回線)越しに浸っていた。
だからこそ、クルマ好きコミュニティサービスでインターンをしながら、ブロックチェーンの学生コミュニティに入り浸っていた自分は、
当時の言い方は違ったが、
「ファン国家」あるいは あらゆる人が自分の「好き」や「楽しい」 で生活が成り立つ経済圏 をつくるというGaudiyのビジョンに対して、ペインを持って共感できた。
正直に言ってしまえば、Gaudiyが過去 or 現在サービスを提供しているコンテンツ自体は、自分の好みに刺さっているものは少ない。
ただ、特に2/4輪自動車産業は、Gaudiyが今集中しているエンタメに勝るとも劣らない日本の地の利がある産業だと思っている。例えば最近でも、自分はサーキットを走ることが趣味なのだが、一緒に走る友人は外国人ばかりだ。しかも、日本車で、日本の峠、日本のサーキットを走るために拠点を日本に設けている熱量がある。
アメリカ人パイロット、オーストラリア人エンジニア、中国人レンタカー屋、フランス人YouTuber などなど、クルマを通してでなければ定期的に会ったりLINEしたりする仲にならなかっただろう。
Gaudiyのその先に、自分と同じ好きをもつ人たちと、持続的に好きなことを続けられる世界を実現できる可能性を感じてGaudiyに入ったし、
Gaudiy(CEOのyuyaさん)のビジョンが表面上のピボットはしてきたとはいえ、6年前渋谷の居酒屋で最初に話した時から一切言っていることが変わっていないからこそ居続けている。
web未経験でどう生き延びた?
少し振り返ると、webのコードを書き始めたのは、Gaudiyに入ってから。教えてくれる人がいたことは基本なくて、最初の2年くらいは入社理由のビジョンも忘れるくらい、ひたすらコードを書くことで食らいついてきた。
一時期は、他社で通用するのか?がわからず、同世代のSNSで目立ってたエンジニアと比べて、自分にはできないことがたくさんあるように感じてシンドイこともあった。
ただ、5人から100人規模へと組織が拡大していくにつれて、この変数は自然と消えていった。
というのも履歴書映えするようなキャリアや経験があったとしても、ヒト・モノ・カネといった事業環境や、その他変数によって個のパフォーマンスは当然ながら変わる。もちろん新たな観点を入れていただいて常に学びがあり、刺激を受けている一方で、いろんなケースを目の当たりにしたことによって、良くも悪くも、キャリアや経験への偶像が消えていった。
そして自分の戦い方もわかるようになってきた。
エンジニアとしてはいまだに最年少であるものの、Gaudiyに6年もいる長老であり、過去経緯やビジョンに沿った判断については自分の方ができる。そこに自信を持った上で、経験や得意領域の違いによる別の観点を擦り合わせて実行していきながら、それすらも自分に吸収してしまうことで十分に戦っていけることを知った。
近いところで自分の当たり前水準のバーを上げ続けてくれた元COOのフィードバックがあったからこそ、↑のような戦い方ができるようになったと思っていて、耳の痛いフィードバックによって何回も潰れかけはしたけどw、良い経験になったと思う。
今後はむしろそれを活かして、自分が他の人のバーを適切に高い位置に設定できるようになることと、自分自身のバーを自分で上げ続ける挑戦をしなければいけないと思っている。
辞めたいと思ったことは?
もちろん、転職や独立も考えたことがないわけではない。
副業などを通じて、Gaudiyより組織規模が大きくても働きやすくスキルも高い環境があることを知ったし、創業期のお手伝いをして、今のスキルセットで6年前のような少人数・高密度な熱量での挑戦をもう一回してみたくもなった。
転職すれば、簡単に給料は上がるかもしれない。
フリーランスになれば、倍くらいは稼げるかもしれない。
ただ、5人から100人規模の組織になるという、それだけでも稀有な体験をすることができてきた。
それが次、500人、 1,000人になるのか?
それとも、大きな失敗があり、縮小するのか、解散までするのか?
はたまた、途中で自分のスキルとマインドのアップデートが間に合わずに、振り落とされるのか?
この結末を見届けたい。
それを見るために、さらに自分のもがき方をアップデートしていきたいと思っている。
この選択の方が、転職で得られるかもしれない数十万の昇給や、フリーランスでの労働時間に上限があるなかでの上がり幅に変えられない経験になるだろうと信じている。
それらは結末を見届けた後からでも遅くない。かなと
だから、お互いの経験がwin-winになるようなコラボレーションや情報共有はぜひしていきたい!(が、めっちゃ営業的なスカウトはもう疲れたよ….)
これからのこと
醸成されてきた、FEとしてのこだわり
Gaudiyに入ってはじめてwebを書いた自分は、初期構成が、Next.js x Firebase だったことから、 Cloud FunctionsくらいしかBEじみたコードを書くこともなかった。
それから組織とプロダクトの成長とともに、Apollo ServerをGatewayとして導入して Firestore を隠蔽してNode Serverくらいは書くようになったが、その後ろの Go micro service のコードを”ちゃんと”書いたことは、役割上フロントに集中すべきだったのであまりなかった。むしろデザインシステムなどは、デザイナーのTORAJIROと一緒にやってきたからこそ、一から育てていまも運用し続けている。
という形で、自分としては 「Gaudiy の成長にコミットしていたら、気づけばフロントエンドエンジニアになっている」という捉え方をつい最近までしてきた。
できるようになったことに興味がなくなってしまう性格もあって、幾度もPMになりたいとかしばらくBEメインで書きたいとか思って、コードが書けなくなる時期もあった。
でも今は、この考え方が変わった。
フロントエンド領域は、
”仕様・デザイン・BE・インフラ、すべての都合を統合して、たった 400px x 900px くらいの画面上に、結果的に唯一ユーザーがみて触るものをつくる役割”
としての大きな責任があると考えるようになった。
だからこそ ”こだわり”をもって、この役割に恥じない基準のアウトプットを出さないといけないと意識している。そのためには、各所に対する興味と課題感を一番に持って、変更や改善を提案していくのが、FEのあるべき姿だと考えている。
「UI/UX実装に関して、ある程度できていればユーザーが学習するから問題ない」
「Amazonも数値表示間違っているから / GitHubもcache更新のタイミング悪いから、自分たちのアプリでも多少フロント実装に問題があっても許容できる」
みたいな言説が、最近もX上に大量に流れていたが、大手の威を借りて自分たちのバーを低く設定して傷を舐め合い、結果としてユーザーに負担を強いる姿勢は、個人的には Not For Meだ。
JSON色付け職人だ?上等だ、舐めんじゃねぇ(口が悪くて申し訳ない)
現状としては、このこだわりは正直、個人としてコードを書くときのものに止まっていて、Gaudiyのプロダクトとして達成できているものではない。でもこれを、自分だけでなく、Dev組織、プロダクト組織として実現させていくことが、当面の自分の目標だと考えている。
そのためにも、現在の自分は組織/プロセス課題の存在と本質に近い部分を掴むことはできつつあると自負しているが、人に影響させて全体解決に導くという部分のスキルを身につけてレベルアップしなければならない。
“Democracy of Innovation”
これはGaudiy創業時に掲げた、最初のMission。現在は ”ファンとともに時代を進める” になっているが、よりターゲットが具体になっただけで言ってることは変わらないと思っているし、自分のビジョン共感の仕方としても、これが相変わらず好きだ。
これが変わらない限りは、Gaudiyに居続けるだろう。
まぁ、3年くらいは確実に変わらなそうだから、20代全部捧げるんだろうな
半分冗談な野望で言えば、Gaudiyから自動車系の事業を立ち上げてスピンアウトしたいっていうのが、Gaudiy本体を離れる野望ではあるw
けど、真面目に自分から辞めるとしたら、なにかの0→1の挑戦だと思う。
具体的なものがあるわけじゃないが、元からある2つの軸は変わっていないので、そこに何かしら沿ったもの。
ビジョナリーな夢を描くタイプではなくて、手を動かして実行していくタイプなので、もしかしたら相方とともにするかもしれない。
やり切ることは前提ですべてのチャンスには常にオープンでいたい。
おわり
Gaudiy入る前から付き合いがあって、仕事でも切磋琢磨してきた toraちゃんが結婚しておめでたい。
最近会話してても、同世代から同棲のために引越しを考えてるとか聞くことが多くなってきた中で、自分だけ趣味のためにバイクガレージ付き物件に引越して、心にダメージがないわけではないw
まぁでも、いつでも自分が好きなことにフルベットできる環境でないと生きれないたちなので、相変わらず脇目も振らず、仕事とサーキットと旅行を好き勝手に楽しんで、カツカツで生きていこうと思う。
おしまい。
もし、Gaudiyもしくは自分に興味持ってくれた方がいれば、ぜひお気軽にお話ししましょう
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