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こうち観光実践しゃべりば#18 ~コロナ禍でプラスになる観光って何だろう~


第18回目のテーマ「コロナ禍でプラスになる観光」

『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。

今回のしゃべりばでは、withコロナ期における新たな観光形態について学び、参加者の方同士で情報交換していただく中で、自分にできる第一歩を考えました。


コロナ禍でプラスになる観光って?

チェックインでお互いのことを知った後、参加者1人1人のイメージで、「コロナ禍でプラスになる観光」とはどんなものかをペアになって語り合いました。オンラインツアーや“ふるさと”を感じられる観光などの意見や、人とあまり対面できない今だからこそ、サービス業の真価が問われるのではないかという意見もありました。

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他地域の事例を学ぼう

参加者の中でWithコロナ期の観光についてイメージを膨らませた後、実際に他地域でどんな取り組みが始まっているのかを学びました。

まずは、前回のしゃべりばで取り上げた地域内観光「マイクロツーリズム」や、テレワーカー向けに需要が高まることが予想される「長期滞在型旅行者向けの観光プラン」が紹介されました。これは、高知のような地域ならではの強みを生かせるツーリズムで、新たな客層を取り込み、地域経済を回す効果も期待されています。
上記のようなオフラインの旅行が、感染防止対策をしながら成長を続けている一方で、新たな市場を切り拓いているのが「オンライン観光」です。地域の生産者や土産物店、芸能分野の方などと協力しながら行われているオンラインツアーや、ゲストハウス主催の『zoom』を介して全国の人々が交流するオンライン宿泊など、様々な工夫のもとで自宅に居ながら旅行を疑似体験できるサービスが生まれ始めています。
参加者はスライドや動画を見ながら、新たな観光形態について学んだり再確認したりしていました。

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インプットでの気づきのシェア

インプットの後、事例を学んで気付いたことや考えたことをシェアしました。
「個人旅行の前に団体ツアーで“まず行ってみる”ということはこれまでも行われてきていたが、オンラインツアーがそれに成り代わっている」「こういった取り組みが可能であることをもっと地域の事業者が知る必要がある」といった意見が出ました。一方、新たな観光形態についての課題も挙げられ、アンコールワットで無料のオンラインツアーをやることが厳しく取り締まられている事例から、「オンラインだからといって料金を取らないのは持続可能ではないよね」という話も出ました。

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今こそ、高知の観光を見つめ直す

Withコロナの観光形態を学んだうえで、高知に当てはめるとしたらどんなニーズがあり、どんなこと(もの)が必要なのかを議論しました。
『グリーンスローモビリティ』と呼ばれる、環境にやさしい乗り物を観光に活用したら面白いのではないかという案や、「自然の豊かさ=安心感」と受け取られることは高知の強みになるから、マリンレジャーや森林を用いた観光はビジネスになるかもしれないという意見が出てきました。通常の挙式ができないカップルの、高知でのプチ・ウェディング需要があるという情報も飛び出し、これを一過性のものとせずチャンスにしていかなければと話し合いました。

さらに、議論は高知の観光の未来についてまで及びました。観光について学ぶ学生はいるが、高知に残って観光業で生活していきたい、という若者はいないという課題が浮上。観光で儲けている人が高知に少ないこと、学生のニーズとマッチする企業が少ないこと、行政主導なので事業を通して自分の成長や達成感を感じられにくいことなどが原因として挙げられていました。コロナ禍で観光がストップしている今は、こうした課題を議論できる時間でもあるのだと感じました。

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ジブンゴト宣言

最後に、参加者それぞれがこれからしていきたいことを紙に書いて宣言しました。
‐日本・高知と環境の似ているニュージーランドがこれからどう観光復興していくのか注視したい
‐地域の自己肯定感を高める仕事を作る・魅せる
‐OJTによる観光人材の育成と高知での仕事作り
‐まずは自分が高知の観光人になり、地域の人を巻き込んでいく
など、それぞれの立場からしていきたいことを力強く語っていました。高知の観光人材不足の話で盛り上がったこともあり、事業のプランニングだけでなく、もっと根本的な部分で高知県観光をどうにかしていきたいという参加者の熱意を感じる宣言でした。

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※総括
今回は観光に詳しい方や実際に高知県観光の振興に取り組んでおられる方が参加されていたこともあって、新しい観光形態のアイデア出しに留まらず、観光人材の育成にまで話が広がるような深い語り合いが行われていました。高知県観光のこれからについて非常に真剣に語られている参加者の姿が印象的でした。
コロナ禍で思うように動けないからこそ、新しい発想が生まれたり、あまり考えてこなかったことを議論できたりするので、今後もしゃべりばを通してそれぞれが持つ情報や想いを交換し、次への一歩を見出してもらえば幸いです。
今回はオンライン・オフライン同時開催だったので、機材トラブルなどご不便をおかけしました。改善しつつ、幅広い方々にご参加いただけるような場を引き続き準備していきたいと思います。


(レポート:陶山 智美 )


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