ゆるく保護-1

【レポート】保護者と教員のゆるーくつながるお話会


今回は、コーディネーターの野崎さんと一緒に、普段なかなかゆっくりと話す機会の少ない学校の先生と保護者が同じ場に集い、それぞれがゆるく繋がるお話会を企画、開催しました。

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<コーディネーター>野崎浩平さん

高知学芸中学高等学校教諭。
1980年生まれ。大阪生まれ神奈川育ち。理科的な教育に関わってきた人。
大学卒業後、講師として学校と予備校で授業を行う。その後、ベネッセコーポレーションへ転職し、小学生向け実験教室の運営・実施・カリキュラム作成等に携わる。ふとしたことから、2013年に高知へ移住。2018年より高知学芸中学高等学校で教員をしている。
「生徒も私も一緒に考えて学ぶ。そうするうちに各自が考えて学ぶようになる」に挑戦中。学校と社会をつなぐ人であり、つながる場を作りたいと思案中。


まずはコーディネーターの野崎浩平さんから、今回のイベントの趣旨説明がありました。

■開催したきっかけ

昔は地域の中に学校が存在し、社会と学校が交わる部分が多くあったが、時代の流れとともに、今は離れてしまっている現状がある。そのため、問題が起きたときに学校側は、保護者や社会から一方的に要求されることが増え、リスク管理に追われ、どんどん社会と学校は離れていくことに。社会と学校の離れてしまったスペースに、学校の中の人が少し足を運ぶことで、学校がまた社会と交わることができる位置に戻していければとお話しされる野崎さん。自己紹介では自分に対して「のざたん」とあだ名をつけ、「先生とよばないでくださいね」と笑って話しました。これには、自分自身を教員としてだけではなく、一人の人間として接してもらいたいとの思いがあり、学校の生徒にも「のざたん」と呼ばれることがあるそうです。

■ゆっくり保護者の方と話したい

野崎さんは保護者とかかわる中で、「保護者が考えていることを何も知らないのかも」「本音で話してもらっていない気がする」「教員のことをもっと知ってもらいたい」と感じていたそう。
保護者と教員がお互いを認め合う安心安全の場があれば「ゆるくつながって話をすること」でお互いのズレやいろいろな課題を少しずつ共有し、解決していけるのでは、と考え今回の企画に繋がりました。

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■自己紹介

今回参加してくれたのは、ゲストとして私立中学校の教員や事務職員の方が。参加者としては現在小学生や中学生の子供を持つ保護者、また学習塾講師の経験を持つ方や長年地域で子どもたちを見守り人をつなげる活動をされている方など教育に携わる様々な方が参加してくださいました。
まずは自己紹介として、名前・今の困りごと・学校(保護者)のイメージについて参加者が一人ずつ話しました。
学校で過去に起きた問題を具体的にお話しされる方、過去につらい思いをした経験をお話しされる方など、みなさん明るく話をされて、会場に笑いが起こりますが、現実的でシビアなお話が多く聞かれました。

■テーマごとにグループワーク

グループワークでは自己紹介の困りごとをもとに、テーブルを3つのテーマに分けました。

テーブル1:教員の労務関係に携わる事務をされている方や教員保護者が語る
テーマ:「先生の働き方大変だよね、大丈夫?」
テーブル2:傷ついた教員を思いやる
テーマ:「保護者の人、優しいよ」
テーブル3:保護者目線と教員目線の違いに悩む
テーマ:「子供と先生の距離感って難しいよね」
それぞれが気になるテーマのテーブルに移動し、ゆるーく対話。
つらい思いをした先生の本音を聞き、話をする先生も話を聞く保護者もお互いが涙ぐみそうになる場面も。
安心安全の場だからこそ話せる本音の内容で、各自様々な思いを打ち明けることができていました。どのテーブルでも熱い思いが語り合われ、予定時間をオーバーしてもまだまだ話し足りない雰囲気。コーディネーターの野崎さん自身も時間を忘れるほどでした。

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■感想をシェア

最後に今日の感想をそれぞれが発表し、シェアしました。
「保護者も学校も子供のことを想っていることが伝わってきた。」
「もう一歩踏み込んで、先生たちとコミュニケーションを取っていこうと思った。」など、教員と保護者がお互いに話ができたからこそ、参加者自身が自分事として、「これから何ができるのだろうか」という思いが込められた感想がたくさん聞かれました。


※総括
今回、「教員と保護者のゆるーく繋がるお話会」として、イベントを企画し、参加者の募集を行いましたが、当日参加してくれた方々の中には、教員と保護者だけでなく、学童の先生や、学習塾の講師、そして地域の方など教育に携わる様々な職種の方々が参加してくださいました。テーマごとのグループワークでは、各テーブルで本音の話し合いが繰り広げられ、大いに盛り上がりを見せました。イベントが終わりを迎える頃には、それぞれの肩書きは関係なく、子どもを思う大人一人一人の熱い思いが会場いっぱいに。教育に携わる大人同士が繋がり、しっかりコミュニケーションをとることの必要性を感じることのできた時間でした。
終了後には、次回開催を望む声もありましたので、これからの教育を熱く語る場はまだまだ続きそうです。



(レポート:公文順子)

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