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【ジャーナル】[Part 3]こうち100人カイギ vol.10 田中誠一(中土佐町地域おこし協力隊)/小野義矩(いの町地域おこし協力隊)


2019年1月よりKochi Startup BASEにて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。
今回は、2019年11月13日(水)に開催された、vol.10に登壇いただいた5名、1人1人の話にフォーカスを当てています。

記念すべき10回目の今回は、「地域おこし協力隊」として働く5名、それぞれの想いについて語っていただきます。

参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。

<こうち100人カイギ vol.10の登壇者>
5名それぞれの話をもっと深く知りたい方は、こちらの記事もチェック!
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。

高瀬 あおいさん(Part 1掲載)

小野 加央里さん(Part 2掲載)
溝渕 恵里さん (Part 2掲載)

田中 誠一さん (Part 3掲載)
小野 義矩さん (Part 3掲載)


4人目の登壇者は、中土佐町地域おこし協力隊の田中 誠一(たなか せいいち)さん。

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1975年生まれ、東京出身
東京で生まれ20歳まで過ごしたあと埼玉で暮らす。東京で生まれ たばかりになんとなく東京で暮らすものだと思い込んでいたが「 人生は環境で決まる」、と気付き移住を決意。埼玉→フィリピン→群馬→秋田→高知と移動中。現在は中土佐町久礼の地域おこし協力隊として漁協に勤務。鰹の入 札を手伝う日々。使命、ビジョン、天職、やりたいことだけをやるために目下飲食の屋台を準備中。

人生幸せグラフを振り返る
田中さんは東京に生まれ、なんとなく受け身の人生を過ごしてきた、と人生グラフを使ってこれまでを振り返りました。過去を思い返しながら、「東京は刺激がたくさんあるので、受け身でもなんとなく生きれちゃう場所だな、と今は思う」と言います。サラリーマンとして就職した先は、ブラック企業。仕事で心身ともに疲弊し、死の淵、崖っぷちのところまで追い詰められ、引きこもりにもなりました。当時35歳、この出来事がきっかけで、自分探しを始めることに。普通の人に比べると遅いかもしれませんが、やっと幸せについて考えるチャンスがきた、と色んなことに挑戦しました。いきなり海外へ留学したり、怪しいセミナーにもいったり、中には、高額なものにも参加したこともありますが「自分と向き合う時間が必要だった」と笑って話しました。迷いながらも、たくさんの経験を積み重ねたあるとき、生まれなおしたり、悟ったり、という不思議な感覚を手に入れたそうです。

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本気になれることに出会えているか
様々な経験を重ねて、高知にたどり着いた田中さん。「今は本当に生きているだけで、幸せだなと思う」と言います。また、「面白いことをやったもん勝ち」という考えにもたどり着き、たった一度の人生、自分の好きなように生きたらいい、と自身を受け入れました。その為に必要だと考えているのは、本気になれることに出会えているか。あれがしたい、これがしたいと思うものはたくさんあるものの、自分の『天職』ってなんなんだろう、自分の使命、ミッション、ビジョンとは何か、と未だにに探し続けていると話します。しかし、その気持ちに焦りはありません。諦めずに進んでいれば見つかるであろう、自分は自分を信じているので、と言葉を続けました。


自身の活動について
現在、中土佐町の地域おこし協力隊として活動している田中さん。活動のメインは、鰹の一本釣りで有名な久礼地域で漁協の手伝いです。捕獲された鰹を分けて、漁師さんと魚屋さんを繋ぎ、手数料をもらって成り立っているのが漁協。しかし、鰹が獲れなくなると傾いてしまう不安定な手数料でのビジネスには、ビジョンがあまりない、と感じています。そこで、自分自身にミッションを作らないといけない、と田中さんは考えています。

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これからの野望
まだ地域おこし協力隊として活動を始めて半年ですが、来年はパキスタンカレー屋を行うよう準備をしています。高知でなかなか食べられるものでは無いことから、思いついたそう。また、その企画を進めつつ、キッチンカーやゲストハウスなどの新たな構想も練っていると言います。過去に1度でもやりたいと思ったことは、実現できるかどうかはさて置いて、まずは挑戦してみたいと意気込みを話してくれました。


大事にしていること
また、地域おこし協力隊としてではなく、自身のライフワークとして取り組んでいるものもあります。それは、人材育成を目的とした『A COMMON BEAT』という体験型の市民ミュージカル。100人が100日で一つの作品を共に作ることで、多くのコミュニケーションが生まれ、人と人とが本音でぶつかり、心の深い部分で理解し、認め合う体験ができます。今はお隣、愛媛県松山市で来年の2020年4月18・19日の本番に向けて、下は大学生から、上は70代まで、様々な層、100名が集結しつつあるそうです。田中さんも参加するこの取り組み、一つの作品を100人皆で作り上げていく100日間にとても魅力を感じています。「もし今、本気になれることを探している人や、これから新しいことに挑戦したい人がいれば、一緒にミュージカルをやりませんか?」と最後に、取り組みへの熱意を会場に伝えました。



5人目の登壇者は、いの町地域おこし協力隊の小野 義矩(おの よしのり)さん。

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1984 年生まれ。神奈川県川崎市出身日本大学理工学部建築学科卒業
都内の工務店に就職した後、スポーツバイク業界へ転職。米国ブランド”TREK”の専門店、BEXISOYA 川崎店の店長として7 年間勤務。
2017 年5 月からいの町伊野地区初の地域おこし協力隊に着任。今年9 月にはいの町商店街にある古民家をDIY を交えて自費改修し、自身の事務所も兼ねた喫茶店GOOD FIVE を開業。県中央部初のサイクリングイベントGREAT EARTH 高知仁淀ブルーライド(2018,2019 年開催)を発案するなど、自転車、アウトドア、食、DIY を軸に活動中。現在TOMO’S CRAFT(ともコーラ)と共に高知クラフトコーラ(仮)の開発や、雑誌PAPER SKY とバイク&カヌーツアーを企画したり、県内初開催のアウトドアイベントBIKE LORE(来秋開催予定)を誘致するなど、様々な企画が進行中。

家族との時間と新しい挑戦
2年前に家族と高知に移住し、いの町いの地区では初の地域おこし協力隊となった小野さん。移住を考え始めたのは、二人目のお子さんの出産のとき。当時はロードバイクやマウンテンバイクなど、スポーツ用の自転車の販売店で働いていましたが、サービス業のため、年末年始や連休は休みなく働き、子育てにかけられる時間はありませんでした。そんな中、上のお子さんが2歳になった頃、一緒に出かけたいなと、家族との時間を見つめ直したことがきっかけでした。
前職の関係で「スポーツバイクに乗れるところ」という移住場所の絶対条件があった中、日本地図を広げ、暖かく雪が降らない、海山川があるところを探し、マッチしたのが高知県。元々、いの地区では、地域おこし協力隊を募集していませんでしたが、いの町では『中心市街地活性化計画』というものがありました。移住する前の年に移住フェアでそのことを紹介され、自分のスポーツバイクが、いの町の取り組んでいるこれからのまちづくりに合致したこともあり、縁あって移住することになりました。


地域おこし協力隊として
地域おこし協力隊としてのミッションの一つは、中心市街地の活性化。いの町は大きく3つの地区に分かれています。本町役場や椙本神社、大きいイベントで言えば毎年5月に行われる『紙のこいのぼり』の会場エリアがいの地区。小野さんは、中心市街地の活用は空き家の利活用だと思い、自費で解体からDIYまで行い、9月末に『good five』という喫茶店をオープン。いの町産の有機生姜を使用し、メイン料理としてカレーを提供しています。また、カレーにはコールドプレス専用のジューサーで絞り出したジンジャーショットを添えています。ジンジャーショットを提供している店舗は高知では『good five』だけ。「皆さんがあっと驚くようなことをしたい」と、とにかく行動していると話してくれました。

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自分の得意分野で高知を盛り上げる
地域おこし協力隊として、もう一つのミッションがあります。それは、前職のキャリアを生かしてスポーツバイクを活用した観光振興。現在、住んでいるいの町を含めて、仁淀川流域の6市町村を合わせて『仁淀ブルー』と称し、県内外に向けて観光アピールをしています。小野さんはスポーツサイクリング、ロードバイクを通じて、県外から仁淀川流域に来て欲しいという目的で、『仁淀ブルー』初のサイクリングイベント『GREAT EARTH高知仁淀ブルーライド』を手がけています。このイベントでは、6市町村をぐるっと一周りし、エリアごとにある特産物を食べたり、飲んだりすることができます。その特産物を提供するのは、地域の事業者さんで、参加者と交流を図ることができる仕組みになっています。同イベントは今年の5月に2回目を終えましたが、500人定員をオーバーするほどの人気で、参加者の74%は県外の人でした。これをきっかけに、高知に来てくれる方も多いようで、来年はもう少しスケールアップをして台湾からのツアーも考えているそうです。


楽しいを作り上げる
また、小野さんは『バイクロア』というイベントにも携わっています。これは、自転車で1周2キロ程度の不整地を走るイベントですが、単なるレースイベントではなく、コースの周りにはアウトドアアクティビティを散りばめます。仁淀川河口にある波川公園を使ってフィンランド式のテントサウナパーティーを呼んだり、ツリークライミング、カヌー、SUPなどのアウトドアをツールとしている遊びの達人を呼んだりと、県外のアウトドア分野で活躍する方々に高知を知ってもらい、一緒に楽しいイベントを作っていきたいと考えています。
また、そういった遊べる拠点を高知にも作ってもらえるように、ということも視野に入れ、友人たちと一緒にイベントも開催しようと思っています。想定は東京だと2日間で1万人参加するようなマンモスイベントの規模。高知ではそこまでは来場数は行かなくても、2,000人くらいは集めたいと思っています。
今はそのために、まず色んな飲食店事業者とコンタクトを取って作り上げて行こうかと考え、行動していると話してくれました。

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新しい高知を提案
小野さんの経営する喫茶店で取り扱っている商品に『ともコーラ』という商品があります。これは昨年できたブランド、100%天然由来でできた日本初のクラフトコーラです。コーラというと、ケミカルなイメージがある中、これは日本原産の和ハーブや国産の柑橘類、15種類以上のスパイスを煮詰めて作っている漢方に近い、非常に体にいい飲み物だそう。そのブランドとコラボレーションで『高知クラフトコーラ』を春にリリース予定だと話す小野さん。今、そのコーラも含めて、高知の和ハーブや山椒、有機生姜、柑橘類などを集めた高知をぎゅっと詰まったお土産を作り、ネットショップの立ち上げからプロデュースに至るまで構想していると話してくれました。


【総括】
「みなさんは幸せですか?」と会場に問いかけ、自身の話を始めた田中さん。人生のどん底も知り、様々な経験を経た後に口にする「生きているだけで幸せ」という言葉には、とても重みがあるように感じました。

また、自身の積み上げてきたものを生かして前へ前へと進んでいる小野さん。
今回、短い時間の中でたくさんの活動を話してくれましたが、まだ話せないけれど計画として始動しているものもまだあると最後に話してくれました。今後の小野さんの活動も楽しみです。


(レポート:畠中 詩織)



 100人カイギとは 
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

お問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1 高知 蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

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高知 蔦屋書店内に開設された高知県初の共創型スタートアップ支援施設です。新規事業創造セミナーや起業家育成プログラムのほか、ワークショップの開催、貸しスペースの提供等を行っています。また自分らしい生き方や働き方を実現できるきっかけづくりを目指した様々なプロジェクトを展開しています。