しゃべりば8

【レポート】こうち観光実践しゃべりば#8 ~高知のアドベンチャーツーリズムを考えよう~

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第8回目のテーマ「アドベンチャーツーリズム」

『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です。

講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。


今回のテーマであるアドベンチャーツーリズムは、トレッキング、ラフティングなどのアクティビティ、自然、異文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行のことを指し、欧米を中心に近年人気が高まっている旅行形態です。今回のしゃべりばでは、このアドベンチャーツーリズムについて学んだうえで、高知県で成功させるにはどうすればいいのかを自分事として考えました。

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アドベンチャーツーリズムを高知でするなら?

チェックインで自分と観光の関わりを発表したのち、まずはアドベンチャーツーリズム(以下AT)の概要や近年の動向について学びました。
ATは類似の旅行形態であるエコツーリズムやグリーンツーリズムに比べレジャー的な意味合いが強く、長期滞在して楽しむ富裕層が多いことから、経済振興への効果が期待されていること。また海外で急成長している市場であることから、今後のインバウンド需要が見込まれることなどを学びました。
概要について知ったところで、ATに取り入れられそうな高知県の資源について、参加者全員で意見を出し合い、検討しました。「自然」の要素は海・山・川・農村・地形など、とにかく充実していることに気付き、それに付随して「アクティビティ」の要素もトレッキング、フォレストアドベンチャー、ホエールウォッチング、ダイビングなど色々なものが可能性として考えられると分かりました。
「異文化体験」についても、よさこい、神楽、土木遺産、食文化など、他地域の人からは新鮮に映るものばかりであると分かりました。
また、話し合いの際、「資源が今すぐ使いこなせる状態に保たれているかどうかもポイントになるのでは?」という意見も飛び出し、高知県では人と自然とのつながりが強いので、比較的それが保たれているかもしれないといった気づきを得ることもできました。

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他地域の事例から学び、自分事へ

後半からは、ATを用いた観光振興の先進地域の事例を見ていき、実際に取り組むにあたってのポイントなどを確認しました。国内では北海道や長野、海外ではニュージーランドがATに積極的に取り組んでおり、参加者は熱心に事例を聞いて気づきを発表していました。また、トレッキングやウォータースポーツなどの参加者自身の経験談も交えつつ、どのような形態だと高知県にも取り入れられそうかを考えていきました。
参加者からは、「アメリカやニュージーランドでは体験場所の近くにシャワー施設があるなど、インフラが整っているので、アクティビティをするハードルが低い」といった気づきが挙げられ、日本であればラフティングと温泉を組み合わせた吉野川の成功事例があると分析していました。
別の参加者からは、成功事例では「資源をむき出しの状態で提供しているのではなく、計算されたストーリーとして仕立て上げている」という気づきが挙げられていました。これはATに限らず、観光振興全般における成功への重要なカギなのではないかと思いました。
最後に、自分のしている活動の中で何ができるかを考えて共有しました。
「自分の活動する地域“だからこそ”できる体験を通して、地域のストーリーを伝える」「自然保護との兼ね合いを考慮しつつ、質を重視した体験を提供する」といった抱負が語られていました。また、新たな取り組みに挑戦しようとする参加者もいて、今回のしゃべりばを通して色々なヒントが得られたことが分かりました。

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※総括
観光形態が多様化している中で、「儲かる観光」「持続可能な観光」のための先手を打った戦略が必要であり、今回取り上げたアドベンチャーツーリズムはそのことを考えるきっかけにもなったように思います。
ATは、比較的必要な条件が揃っている高知県で成功する可能性を秘めている一方で、ただ他地域の真似をしただけでは長続きせず、アクティビティの準備に多額の費用が掛かっただけ、という結末にもなりかねない危うさがあります。自然環境の保全も意識しつつ、質の高いオンリーワンの体験を提供することが大切だと、今回の話し合いの中で確かめることができました。大変内容の濃い話し合いができ、参加者は互いに知見を深め合うことができたと喜んでいました。
AT関連の仕事をしている参加者同士、今回の場をきっかけに繋がりを持ち、高知のATを推進していく仲間となってもらえれば何よりです。



(レポート:陶山智美 )

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