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こうち観光実践しゃべりば#19 ~高知の新・観光ビジネスを考えよう~


第19回目のテーマ「高知の新・観光ビジネス」


『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。

今回のしゃべりばでは、高知県で取り組むべきwithコロナ・afterコロナ対応の新・観光ビジネスを考察し、自分事として考えました。


コロナ禍と観光について考える

チェックインでお互いのことを知った後、参加者の方々のイメージで、コロナ禍によって観光業がどう変わっており、これからどうなっていくのかについて意見を出し合いました。
宿泊業界やインバウンド向け商品、夜の街などはまだまだ厳しい状況だという意見が出た一方で、メディアが国内に向いていて情報発信しやすいという意見や、地方は自然が多く安全なイメージがあるので、むしろチャンスではないかという前向きな捉え方も出ていました。

中には、ゲストハウスに多様な使い方を含ませたり、“修学旅行”という大市場を掴んだりすることで、新たな機会が生まれるかもしれないという話も挙がっていました。

しばらくは遠距離間の移動が制限されることから、客足回復はまず近隣からであること、また、個人・少人数、かつ非接触・非対面の観光形態へとビジネスモデルの転換が必要だということを確認し合いました。

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他地域の事例を学ぼう

コロナ禍と新・観光ビジネスについてのイメージを膨らませた後、過去に紹介した他地域の取り組みを復習しました。オンラインでのバスツアーや宿泊体験、コミュニティ形成を重視した地域デザインの一部としての観光など、今注目されている観光形態を学んだ上で参加者からは、「高知でもやれそう」という意見が挙がっていました。

マーケティングの本質 ~顧客視点と顧客起点~

続いて、コーディネーターの岡林さんから、高知の新・観光ビジネスを考えるヒントになるマーケティングの考え方についての解説がありました。
非常事態の際には、顧客がサービスに対して持つ“不満、不便、不足、不安”の順が反対になり、“安心安全”なことが最も重要視されるということや、どんなときにもマーケティングの本質は変わらず、人の欲求や習慣などを知ることが大切だということを学びました。
その上で出てきたのが、“顧客視点”と“顧客起点”という二つの言葉。2つはよく似ていますが、“顧客視点”が「私がもしお客さんだったら、どんなものが欲しいか」という想像をもとにしたサービス設計であるのに対し、“顧客起点”は実際のデータを見て顧客の動向を探り設計するものであるということを教わりました。

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高知の観光商品を顧客目線で捉え直してみよう

自分の提供したい価値と顧客の欲している価値をバランス良く見極めることが大切だというインプットを踏まえ、高知の観光商品を顧客視点/起点で捉えてみて、どんなものがあるかを考えてみました。

まず挙がったのは、食。高知の農産物や水産物は“安心”というイメージが強いので、それをメインにした観光商品は人気がありそうという意見が出ました。ただ、同じ名物を一つの地域に集約させて食べ比べてもらおうという取り組みはあまり惹かれないという意見が挙がり、「作った人がめちゃくちゃ楽しんでいるものに惹かれる」という率直な感想も出ていて、参加者は自分なりの気づきを得ていたようでした。

また、今まで都会に出ないと集客できなかった“音楽”というジャンルも、地方に移ってくるのではないかと考えた参加者もいました。高知はナイトツーリズムの場所が少ないこともあり、音楽を聴きたい人と、演奏したい人が集ってくつろぐナイト・ミュージック・スポットがあったら面白いというアイデアに、参加者一同盛り上がっていました。特に、高知では少子化の影響で中学・高校の吹奏楽部が存続できなくなっているそうで、そうしたところがジャズバンドなどに変われば、ジャズの先進県になるかもしれないという逆転の発想が挙がっていました。
龍馬パスポートについても賛否両論挙がり、電子化すべきなどの改善点を顧客視点から積極的に出し合っていました。

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ジブンゴト宣言

最後に、参加者それぞれがこれからしていきたいことを、紙に書いて宣言しました。
“顧客視点”と“顧客起点”が印象に残った参加者が多かったようで、「データに基づいて客観的に現状や顧客のニーズを分析する習慣を身に付けたい」といった目標が挙がっていました。
今回の学びを踏まえ、次回はさらに具体化した新・観光ビジネスを設計していきたいと思います。

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※総括
参加者それぞれの趣味や得意分野の知見も生かした、顧客目線の様々なビジネスプランが飛び出し、コロナ禍をチャンスと捉えた明るい議論となりました。オンラインで県外から参加してくださった方もいたことで、他県と比較しながらより多面的に高知県観光を考え直せたのではないかと思います。
“顧客起点・顧客視点”というマーケティングの考え方を使ってみて、参加者は客観的に物事を捉えることも意識できたようでした。次回はこの内容を活かし、さらに具体的な形に落とし込んでいければと思います。

(レポート:陶山 智美)


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