見出し画像

【ジャーナル】[Part2]こうち100人カイギ vol.15 今村 かをりさん(ハワイアンデトックスナビゲーター)/岡田 美保さん(寺子屋きんいろ代表)


2019年1月よりKochi Startup BASE®︎にて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。

今回は、2020年11月24日(火)にKochi Startup BASE®︎での現地開催とzoomを使ったオンライン開催にて行いました。
15回目の100人カイギにて登壇いただいた5名、1人1人の話にフォーカスを当てています。

参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。


<こうち100人カイギ vol.15の登壇者>
5名それぞれの話を
もっと深く知りたい方は、こちらの記事もチェック!
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。


池田 詩乃さん(Part 1掲載)

今村 かをりさん(Part2掲載)
岡田美保さん (Part 2掲載)


藤野 幸彦さん (Part 3掲載)
三谷 真平さん (Part3掲載)


2人目の登壇者は、ハワイアンデトックスナビゲーターの今村 かをりさん。

画像1

高知県出身。1985年生まれ。
アトランタオリンピックを観たことをきっかけに陸上競技に興味を持つ。高知県立香長中学校、高知県立山田高等学校にて陸上競技に没頭。2004年高校卒業後、実業団へ。京セラ株式会社にて陸上競技を続けるが、けがをきっかけに入社3年で引退。自分の人生に疑問を持ち、2014年京セラを退社。 その後は自分探しの日々を過ごす。長野では農業、三重ではオーガニック野菜の流通、大阪では営業やイベント会社など様々な職種を経験。2016年夏、自分を見つけることができないまま帰郷。リヤカーでのひき売りや、牧場での動物たちの厩務員を経て、究極の自分探しは自分自身を癒すことだと気づく。現在は、「あるがままの輝き」をテーマに、一人ひとり、「あるがまま」でよいと感じられる癒しの場づくりを行っている。

幼少期からの夢を諦める

今村さんは小学2年生の時、バルセロナオリンピックで感動している母親の姿を目にし、「陸上選手になりたい」という夢を持ちました。元々運動神経が良かったわけではなく、マラソン大会も後ろの方で激励を受けるような小学生時代を過ごしていましたが、突如掲げた大きな夢に対して周囲は否定せずに、喜んで応援してくれたと話します。そのおかげもあってかトレーニングを継続でき、中学進学で陸上部に入部。夢に向かって中学高校と努力を続けた結果、念願の実業団に入ることができました。夢のまた夢だと思っていた『オリンピック出場』が近づきましたが、そう人生はうまくいきませんでした。今村さんは怪我のため現役選手を3年で引退することに。小さい頃から夢だけを目指して進んでいたため、引退が決まった時には自分にはもう何にもなくなったと当時を振り返りました。

自分探しの日々

引退しても入社した会社は働かせてくれましたが、「走れなくなった私は、一体何者なんだろう」と自身の挫折をきっかけに、今村さんは自分探しの旅をはじめました。長野県で自然農法を行う農家に下宿し野菜の栽培をしてみたり、三重県のオーガニック野菜の卸売会社で働いたり、広告代理店やイベント会社で働いたりと、かたっぱしから気になることに手を出しました。しかし、様々な経験を得たものの、しっくりくることが見つからず、今から3年ほど前に高知へ帰省。帰省後も挑戦は続き、牧場で動物の世話をし、農産物をリアカーに載せて引き売りという一風変わったことも行いました。

画像2

新たな目標との出会い

高知帰省後も自分の興味がある活動に次々と手を出していく中で、今自分の軸として取り組んでいる『ハワイアンデトックス』と出会いました。『ハワイアンデトックス』というのは、古代ハワイに伝わる海水を飲む健康法を現代風にアレンジしたものです。今村さんはこの時、『ハワイアンデトックス』を3日間体験。テレビも携帯もない環境で、自分の好きなように自分の好きな時間を過ごす日々は「まるで時間のない時間のようだった」と話します。身体や心を自分で整えていくことが、人生を大きく動かしてくれるエネルギーになることを実感。そこで、それまでの自分は怪我によって積み上げてきたものが0になった状態で焦っていたと気づきました。自分を癒すことが自分自身の最初のゴールではないかと感じた今村さんは、かつての自分のように目標を見失ってしまった人たちに届けるため、ハワイアンデトックスナビゲーターになることを決意しました。

画像3

あるがままで過ごすために

今村さんが一番大切にしている思いは『あるがまま』であること。人にはそれぞれ役割があり、皆個性が違っているので、苦手なことを頑張るのではなく、得意なことを持ち寄ればいいのです。しかし、それにはまず自分の苦手な部分を認めること、自分の『あるがまま』を受け入れることが必要。自分自身がそれをできないと、人の『あるがまま』も受け入れられないので、その手助けやきっかけになるように『ハワイアンデトックス』を行っていきたいと言いました。それをベースに今後は、高知の豊かな自然を生かしたハワイアンデトックスリトリートや、親子向けのイベントなども積極的に行いたいと考えています。これからも興味のあることに手を伸ばし、そのご縁を繋いで一つずつ実現していきたいとこれからの夢を語ってくれました。



3人目の登壇者は、寺子屋きんいろ代表の岡田 美保さん。

画像4

高知県出身。1985年生まれ。
いの町在住。3人の子どもを育てながら、いの町の金蓮寺(こんれんじ)にて寺務に従事。伊野南小学校での図書支援員の経験で「いろんな体験を通した対話の機会」の大事さを感じる。自身の経験や子育てをしていく中で、学生を中心にいろんな世代が集う場が必要。そして、自分の感情を社会の中で言葉にできる機会が、大人になる以前にもっともっと必要という思いのもと『寺子屋きんいろ』という場を作り、お寺のひと部屋で小学生から大学生、親子を中心に「体験を通した対話の場」として場を提供している。

画像5

寺子屋きんいろ 

お寺に住み、3人の子どもの子育てをしながら寺務に従事する岡田さん。お寺に届くさまざまな方からの手紙を手にして、「きれいな字を見ることが好きと思った」と笑って場を和ませました。
岡田さんは2020年9月から自らの取り組みとして、住んでいるお寺の一室を一般の人も活用できる場としての提供を始めました。30畳ほどの広さがあるその部屋には、『寺子屋きんいろ』という名前がついています。この名前には、『金蓮寺』の“金色”と、その寺に集う人たちの心が輝いているように、という意味が込められているそうです。

画像6

自らの不安を確かめて

『寺子屋きんいろ』では、過去にSNSを活用した活動の届け方を考える会や、学校の先生にきてもらって小学生向けの科学を楽しむ会などを行いました。
岡田さんがこの場を始めたきっかけは、自分自身が子育てをする中で「高知は学びの選択肢が少ないのでは」という漠然とした不安があったこと。しかし、本当にそうなのか実際に県内で行われている学びの機会に足を運んでみると、思った以上にイベントや場があることが判明しました。高知でも学びの機会を提供している人がいることがわかった岡田さんは、自身でも「学びの機会を知れる場所を作りたい」と思い、『寺子屋きんいろ』を作ることを決意しました。


子どもの思いを支える場

『寺子屋きんいろ』を作るにあたり、岡田さんはもう一つ考えたことがあります。それは、子どもたちの思いをフォローする場所がもっとあれば、ということ。
一般的に、家や学校が子ども自身の思いを聴き、支えてあげられる場所と位置付けられています。しかし自身の子育てを通じて、両親や学校の先生だけでなく、第三者、様々な背景を持つ大人の存在が、子どもたちと関わることで、その子に良い影響を与えてくれるのではないかと感じました。子どもたち一人一人が、多種多様な人の生き方や個性に触れ、その体験を通じることは「自分はどんなことで心が動くのか」といった自分を見つめることに繋がります。そして、それは子どもたちの自信に直結するのです。『寺子屋きんいろ』は、そういった場としても機能するようにしたいと話は続きました。


新たな繋がり、選択肢の提供も

『寺子屋きんいろ』の場は、小学生から大学生までの子ども、社会人など幅広い年代の人たちが学びながら楽しめるイベントの場を提供しています。
今現在は大人が学びの場を提供して、そのなかで対話の場が生まれるようにしていますが、今後は学生と呼ばれる世代が主体となって、この場を使っていけるようにしていきたいと岡田さんは考えています。そのためにはまず『寺子屋きんいろ』を知ってもらうことが大切。多様な大人にこの場を知ってもらい、新たな繋がりを生み出していきたいと言いました。
子どもも、大人も共通する『学び』を通して、新しい価値が生まれる場になるように今後も活動していきます、とこれからの『寺子屋きんいろ』の展望についても話してくれました。


【総括】

小学生のときに夢見た姿を実現させようと努力を重ね、目前に控えた状態で夢を諦めざるえなかった今村さん。しかし、その後も夢中になれるものを探し求めた姿に、とても心を打たれました。
また、寺務だけでなく自身の子育てで感じた「あったらいい」を実際に形に変えた岡田さん。岡田さんの思いのこもった『寺子屋きんいろ』を見てみたいのはもちろんですが、実際に行われるイベントに、是非参加してみたいと思いました。

どちらも自分自身の体験や思いを大切にしていて、今の自分たちにつながっていることが感じられる内容でした。


(レポート:畠中 詩織)

100人カイギとは 
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。


問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0822 高知県高知市はりまや町3-3-3 GAIAビル2階
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

皆様からいただいたサポートは、今後の活動・運営に使用させていただきます。