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【レポート】こうち観光実践しゃべりば#6~歴史と観光、繋いでいくには?~

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第6回目のテーマ「歴史」
『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です。
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。
今回は、幕末維新の偉人達や長宗我部元親などの有名な歴史の痕跡が残る高知県において、歴史と観光を上手く絡め合わせ、持続的な観光振興をしていくにはどうすればよいのか、また自分たちはどうしていきたいかなど、参加者同士で語り合いました。

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チェックインで自分と観光の関わりを発表したのち、まず検討したのは、歴史を軸に置いた観光PRと観光客数との相関について。高知県における近年の県外観光客入込数のグラフを見ると、大河ドラマ「功名が辻」や「龍馬伝」が放送された年は、観光客数の増加がみられることが分かりました。
しかし大河ドラマ効果が過ぎ去ると観光客は去ってしまい、持続的な観光振興は望めません。そのため高知県は毎年何らかの観光キャンペーンを打ち出しており、関係機関の連携が深まってきたこともあって、近年は客数の増加を維持しているという状況です。
ただ、ここで問題となるのが、キャンペーンをいつまでも続けることは、効果の持続やお金などの面で限界があるということ。今後も継続して観光客を呼び込めるような歴史観光をするためには、どういった売り出し方が必要なのか。自分たちには何ができるのか。このような問いをテーマに、今回のしゃべりばを進めていくことにしました。

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高知県の歴史を、どう売り出すか
続いて、高知県の歴史上の出来事や偉人を振り返り、何をどのように売り出せば観光に活用できそうかを考えました。
歴史の素材探しは古代と関わりのある佐川地質館や埋蔵文化財センターにはじまり、「土佐日記」の紀貫之、源平合戦の末に越知町へ辿り着いたとされる安徳天皇の伝説、中世に活躍した長宗我部元親を中心とする土佐国統一のストーリー、代わって江戸時代に土佐藩を治めた山内一豊と彼の居城・高知城、ドラマの題材になるのではとの呼び声も高いジョン万次郎や牧野富太郎、そして坂本龍馬ら幕末維新の志士たちなど、歴史に明るい参加者の方々からたくさんの素材が挙げられました。
また、歴史と観光を関連付ける方法として、例えば
・はりまや橋の純真・お馬の物語をロミオとジュリエット風の芝居にして、はりまや橋付近で上演する
・ガイドの際、史実だけを語るのではなく、ある1人の偉人のストーリーをじっくりと語って共感を誘う
・梼原町の龍馬脱藩の道のり体験など、歴史を語るだけでなく実際に体験してもらう
・神楽、舞など地域独特の伝統文化を見てもらう
・昔の人の生活の知恵をSDGsの学習に絡めるツアーを企画する
などの意見が出ていました。
さらに、ドラマ誘致の話から発展して、歴史に関心を持って来た人に私たちは何を伝えたいのかを話し合ったり、高知らしさとは何なのか意見交換したりと、歴史観光のみにとどまらず非常に活発な議論が交わされていました。

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自分事として考える
歴史と観光について多くの意見交換をしたのち、実際に自分には何ができるのか、何をしていきたいかについて、各自考えて発表してもらいました。
祭事やよさこい、長宗我部、さらには福祉、マラソン(!?) など、それぞれの関心あるテーマを題材に、情報整備や発信、ツアー企画などを行っていきたいという熱い意見が語られ、全体のワクワク感が高まりました。
また、そういった熱い人たちが繋がって生き生きと活動できる環境や、SNSを使って双方向コミュニケーションできる環境の整備も必要ではないかという意見も出てきました。
「もっと高知の歴史を勉強したい!」という前向きな感想や、「歴史のどんな部分を伝えたいかという価値観を固めたい」という抱負など、たくさん語っていただくことができ、終了後も熱気冷めやらぬ楽しい会となりました。

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※総括
今回はやや参加者が少なめでしたが、その分一人一人がしっかり話してくださり、全体的に熱量の高い話し合いとなっていたように思います。歴史や観光に関心のある方々なだけあって、インターネットには載っていないようなディープな史跡・偉人がたくさん挙げられ、その良さや観光への可能性を生き生きと語っていた姿が印象的でした。
普段の活動や得意分野がバラバラな方たちが集まったので、いろいろな視点から意見が出ていたのも、参加者同士良い刺激となっていたように思います。しゃべりば参加者からは総じて観光や高知に対する強い想いを感じるので、この集まりを通じて熱意ある方同士繋がり、何かを生み出していくことに大きな期待を寄せています。


(レポート:陶山智美 )

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