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【レポート】こうちマイプロジェクト道場 2期#3 ~自分事で取り組むことのできる社会課題を見つけ出す~


連続講座のこうちマイプロジェクト道場。
2期 第3回は、「自分事で取り組むことのできる社会課題を見つけ出す」をテーマに、幸福度数の高い街づくりを目指し地域再生に取り組んでおられる大西 正泰さんにお話頂きました。


2019年12月3日、「こうちマイプロジェクト道場」がKochi Startup BASE®︎(以下KSB)にて開催されました。このイベントは、一人ひとりが自分のライフヒストリーと紐づいた自分自身の本当にやりたいこと(will)に向き合い、仲間と共にその第一歩を踏み出し、そこでの気づきを対話を通じて深め、さらにアクションを重ねながら、起業や事業創造、プロジェクト実践を進めていく連続講座です。

今回は、自分らしい生き方で全国各地で挑戦を続けているゲストを迎え、彼らのストーリーを共有しながら、参加者一人ひとりの想いを掘り起こしていきました。

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<講師>大西 正泰 氏(一般社団法人ソシオデザイン代表)

1970年徳島県生まれ。野球で甲子園を沸かした池田高校のある池田町出身。教育学及び経営学修士。小中高大学の教員、製薬会社役員、コンサルタント、シェアカフェ、シェアバー、ゲストハウスと異なる職種を経験。
幸福度数の高い街づくりをテーマに、ポスト資本主義での地域再生をライフワークとしている。
現在は葉っぱビジネスやゼロ・ウェイスト運動で有名な徳島県上勝町をフィールドにし、2011年以降、40を超える事業者を創出している起業風土をベースにした、リノベ・サードプレイス・起業家育成の3点セットでの街づくり手法を全国で講演している。
2018年中小企業庁「創業機運醸成賞」受賞。香川大学非常勤講師など。


チェックイン
はじめにチェックインとして、参加者が一人ずつ今の気分や気になっていることを交えた、自己紹介を行いました。講師の話への期待感や参加者の最近の出来事などを共有し合い、なごやかな雰囲気の中で講座が始まりました。
チェックインのあとは、進行の須藤さんからマイプロジェクトの特徴や進め方についてお話頂きました。

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大西正泰さんのキーノート
次に、講師の大西正泰さんから、自身がまちづくりや地方創生の仕事に携わる中で感じている“もやもや”(現状に対する疑問・危惧)を話題とした、これからの日本について考えるお話をいただきました。
関係人口の呼び込みにより「地方が商品化している」という危機感や、小さな過疎集落に多額の税金を遣ってまで地域活性化をする価値がどこにあるのかといった問題を、参加者にわかりやすく提示していただいた上で、「自分の地域とは」「地域の未来とは」といった内容を講師と参加者とで意見交換しながら考えました。

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「地域活性化しなきゃいけないみたいな風潮があるが、ポジティブな未来しか描いてはいけないのだろうか」といった意見もあり、人口減少の中ですべての地域が生き残っていくのは難しいという考えの元、「どう閉じるか」に重点を置く地域も出てくるだろうという話題も上がりました。そういった場合、「人口0人の“もと集落”があったら、何をするか」ということも全員で考えました。
今まで見て見ぬふりをしていたような地域・日本の未来について、ハッとさせられることも多く、一人一人が自分事として深く考えることができました。
大西さんは最後にこんなことを語ってくださいました。
「人口8,000万人になっても楽しく生きられる日本、800人でも楽しく生きられる田舎をデザインしていかなければならない。」
 人口減少が免れられない未来、先行きが見えにくい未来を生きていく中でも、「自分は」どう楽しんで生きていくのか、そしてその生き方をするために周りの環境をどう捉え、再構築していくのかという問いかけを、参加者は胸に刻んでいました。

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フリートーク
次に、話を聞いて感じたことや、参加者が感じている“もやもや”についてなど、自由に共有し全員で考えました。
参加者の地域に対する想いはさまざま。大西さんの話に衝撃を受けたり、自分のしていることを考え直すきっかけになっていたりしたようで、自分や自分の地域に対する内省も含めたアウトプットが出てきていました。

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「これからどんな地域が生き残っていくだろう」と投げかけられると、「地域に残る自然や文化、芸術に“遊び”の題材としての価値を持たせる」「逆に、山奥の誰もいなくなった集落を0から創り直して、すべて最先端技術で運営する新しいまちにする」など斬新なアイデアも飛び出していました。
対話の中で「この先地域はどう生き残り、私たちはどう生きていきたいのか」を、様々な角度からじっくりと考える時間になりました。

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チェックアウト
最後に、参加者一人一人が今日感じたこと・考えたことを発表しました。
「自分は“地域の明るい未来を作らねば”という責任感を勝手に背負い込みすぎていたかもしれない」「自分の地域にはうんざりしている一方で、あと少しという想いで頑張りたくなってしまう自分もいる」といった感想が出ていました。
大西氏のお話を受けて、地域や自分の活動に対する新たな目線での課題意識が生まれ、悩んだ参加者も多かったようですが、一人一人が自分なりの考えを伝えていた姿が印象的でした。

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総括
地域活性化に対する“もやもや”を取り上げた大西さんのお話から、参加者は地域の将来や自分の生き方について深く考えさせられたようでした。その後のフリートークでは、参加者が考えたことや参加者自身の“もやもや”についても共有する中で、地域の課題がより具体的に見えてきました。
悩みながらも、自分なりの地域のありかたを模索している参加者の姿を見て、課題や自分自身を見つめ直すよいきっかけとなったことがわかりましたので、それぞれが今回考えた内容をプロジェクトに反映させてもらえたらと思います。



(レポート:陶山 智美 )


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