アイデアソン

【レポート】事業創造アイデアソン ―レゴ®シリアスプレイ®を活用してSDGsの次のアクションを考えよう―


事業創造アイデアソン・キーノート『中小企業がSDGsに取り組む意義と役割』をテーマに、大川さんにお話していただきました。

2019年11月1日、「事業創造アイデアソン」がKochi Startup BASE®(以下、KSB)にて開催されました。このイベントは、LEGO®SERIOUS PLAY®メソッドを活用して、一人ひとりが自分事として取り組むことのできるSDGsのテーマや課題を見つけ、その解決に向けたアイデアを描くアイデアワークショップとして実施しました。

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<ゲスト講師>大川哲郎さん(株式会社大川印刷 代表取締役社長)

東海大学 法学部法律学科卒。1993年、株式会社大川印刷入社。2005年11月、代表取締役社長に就任。2001年、社会起業家との出会いから、「印刷を通じて社会を変える」視点に気付き、2004年、「本業を通じて社会的課題解決に取り組む『ソーシャルプリンティングカンパニー』」と言うパーパス(存在意義)を掲げる。
現在、複数の社会的課題解決プロジェクトを各種NPOと協働し推進。NPO、NGOとの協働の経験から市民参加のワークショップなどでファシリテーターを数多く務める。


チェックイン
最初に4人グループに分かれ、名前と所属、今の気持ちのシェアをチェックインとして行いました。
今回は、大学生から社会人まで幅広い年齢層の参加者。最初は緊張気味に見えた方もチェックインを通じて、同じグループの方の背景が見えたことで、少し心がほぐれたように見えました。

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大川さんの講演『中小企業がSDGsに取り組む意義と役割』
その後、大川さんの講演がスタートしました。
講演のポイントは『SDGs~中小企業が取り組むとこれからいろんなことが変わる!?』
SDGsの簡単な説明から、世の中で起こっていること、そして大川さんの会社での取り組みや注意点など、様々な角度からのお話を聞かせてくれました。
会社紹介を交えてご自身の人生を振り返る中で、原体験となったエピソードが話されました。それは、医療事故で無くなった父親のこと。訴訟をしても父親が帰ってくることは無いという現実、このときの課題感、そして人権に関することを今も胸に抱えています。
父親の死後、卑屈な想いを引きずっていたままでしたが、音楽好きだった大川さんは外国に行き、大きく気持ちが変わりました。そして、バブルの崩壊後に会社を受け継ぎ、課題解決を仕事でやっていくことを決意し、SDGsと出会いました。
SDGsは、17つのゴールと169のターゲットが設定されていますが、その全てを理解しなくても良い、と言います。また、SDGsの「誰一人、取り残さない」という精神。難しい言葉のように感じますが、大川さんはこのように解釈しています。
それは、「自分さえよければいい、をなくす」こと、「私には関係ない、をなくす」こと。
他人事を自分事に置き換えるだけで、行動は変わる、と力強く話しました。

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また、個人だけでなく企業としての在り方についての考えもお話しいただきました。よく「SDGsは儲かるのか?損か、得か?」ということを聞かれるそうですが、損得レベルではなく、企業は存在意義を賭けて取り組むべきことだ、と返しているそうです。
「明日、会社が無くなったときにお客さんが本当に困るか?」これが企業の存在価値と存在意義です。これからも必要とされる企業、個人として生きていくためには競合とも連携していかなければなりません。
そのために大事なことは3つ。1つ目は、個々の経験と課題感、想像力を重視すること。2つ目は、関心事と仕事、SDGsとの接点に気づくこと、(経営者であれば従業員さんに気付かせてあげること)。3つ目は、やらされ感をできる限り排除すること。
その他、SDGsの推進について、大川さんの会社で実際に取り組んだ事例のご紹介、自分の事業でどうやってSDGsを取り入れていくかなどをお話しいただき、最後に「ひとりひとりが自分にできる“世界平和”を行動していく」という目指すものを教えてくれました。

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アイデアワークショップ(LEGO®SERIOUS PLAY®ワーク)
大川さんのお話が終わった後は、グループ内で講演の感想をシェアしました。
その後、LEGO®SERIOUS PLAY®メソッドを活用してのワークを実施。まずは専用のブロックに慣れるための簡単なワークから始まりました。選んだブロックや作品を介して、自分自身の想いや考えを伝えることを繰り返しながら、実践的なワークへ進んでいきました。
SDGsからのコアテーマとして、自分にとっての「最悪なSDGsプロジェクトとは?」、「あなたがSDGsに取りくむ理由は?」、「あなたが取り組みたいSDGsプロジェクトは?」という3つのテーマに取り組み、想いや考えを表現し、完成後はその都度、グループ内で発表とシェアをしました。

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チェックアウト
チェックアウトもLEGO®SERIOUS PLAY®の専用ブロックを使いました。大川氏のお話を聞いての感想や共感した部分など、アイデアソンを受講しての自分の気づきを作品で表現しました。自分の傾向が分かったり、言葉だけでなく、1つクッションがあるだけで、言えないことが言えたりすることを体感した参加者からは、様々な感想が聞かれました。

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※総括
今回の事業創造アイデアソンのテーマはSDGsということもあり、知っているようで意外と知らないこともありましたが、大川さんのわかりやすい解釈ですんなりと理解できました。
アイデアワークショップでは、言葉では表現し辛い想いや考えを、作品を通じて伝えあうことを繰り返しながら、理解しようと真剣に耳を傾ける参加者の姿が印象的でした。
全体的に満足度も高く、有意義な時間になったという声が沢山聞かれました。



(レポート:上野 伊代)


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