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【レポート】自分のキャリアの活かし方 ~客室乗務員だった“私”だからできること~ ~こうち女性起業家応援プロジェクト連続セミナー #12


「こうち女性起業家応援プロジェクト」は、起業や育児休業後の職場復帰や再就職、移住後のキャリアチェンジ、そして、キャリアアップを目指す女性を幅広く支援するという想いから、各分野で活躍する起業家をゲストに迎えたセミナーや、生活目線から考える事業アイデアの創造に向けた学びの機会を提供し、高知の女性が自分事として取り組むことのできる新たなチャレンジを後押しすることを目指し、開催しております。


第十二回目は駒崎 クララさん(株式会社KoLabo代表取締役)。
駒崎さんは、客室乗務員として7年半勤務した経験から、客室乗務員の仕事の楽しさと責任の大きさ、そして、セカンドキャリアの難しさを肌で感じていました。
そんな経験を持つ”私”だからできることをしたいという想いをもとに、起業。
客室乗務員の情報共有サイトの運営やセカンドキャリア支援を展開しています。

そんな駒崎さんをゲストにお迎えし、どのような想いで今の仕事をしているのか、自分のキャリアの活かし方をどのように見つけていったのか、駒崎さん自身の想いを語っていただきながら、参加者とともに深めていきました。

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駒崎 クララ 氏(株式会社KoLobo代表取締役)

5歳から10歳まで約4年間、両親とともにヨットで地球を2/3周する航海を経験。神田外語大学外国語学部を卒業。 アシアナ航空に新卒入社し、客室乗務員として7年半勤務。 CAに特化したSNSサービス『CREW WORLD』やCAのセカンドキャリア支援を展開。2017年よりCAの起業支援も新たにスタート。 2014年、猪熊真理子氏岡田寿代氏とともに女性の学び場「女子未来大学」を創設。

ヨットで過ごした日々
駒崎さんは、幼少期をヨットの上で過ごしました。
ヨットの上で過ごすってどういうこと!?と驚かれた方も多いと思いますが、冒険好きだった両親の影響を受け、当時5歳の駒崎さんはフランスから日本までの、数年にわたる長いヨット旅に同行することを選びました。
基本的に人間に出会わないことや、家族全員で一つのヨットの上なので自分の時間がないことなど、そこでの生活は何もかもが陸上とは違います。ヨットの上で幼少期を過ごした駒崎さんには日常的にやりとりできる人間の友人は少なく、普段の話し相手はイグアナだったそうです。
そんなある日、駒崎さんは「せっかく人間に生まれたのだから、人間のための社会貢献がしたい」と思うようになります。
ヨットでの生活という常に命の危険と表裏一体な環境で育ったことや、世界を回って航海をしていたため英語が話せたことなど、他の誰にもない駒崎さんだけの原体験を活かして、社会貢献出来ることは何か、と考えた時に出てきたものがCA(客室乗務員)になることだったのです。


CAという存在
大学で国際ビジネスを学び、アシアナ航空で働くことが決まった駒崎さん。
はじめは、3年務めたらやめる予定だったそうです。しかし、サービスの水面下でお客様の命を守るCAという職業は、毎日が常に達成感にあふれたもので、もう一年だけ、もう一年だけ、、、と伸びて7年間CAとして働きました。

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新しいキャリアを積もうと、キャリアカウンセリングに行った駒崎さんは、あなたの軸は何ですか?と聞かれます。そこで行ったのが、「3つの輪」や、「ミッションリンク」と呼ばれる、自身の軸をみつけるためのワークでした。その結果として駒崎さんは、
“モチベーション”
“目標を達成した人”
“IT”
という3つの軸が浮かび上がってきました。

これまで×新しさ
これらの軸をもとにして、CAのセカンドキャリアに新しい価値を出せるようなCA専用の情報共有サイトを作ることにしました。そうと決まれば、駒崎さんは全力です。キャリア支援をできるようにコーチングを学び、サイトをつくることができるようにコーディングを学び、駒崎さんは、自力でサイトを作りました。それでも不安になり、業者に発注しようとしますが、発注方法も分からなかったため、自身で紙芝居を作り、直接相談、交渉しました。
そんな努力や、CA×ITという組み合わせが話題を呼び、日経新聞に取り上げられたこともありました。他にもCA個人が持っているスキルをシェアし深められるように、スキルシェアサロンを開きました。そこでも週4回のペースでユーザーにインタビューを行うことで、常に本当に求められるサービスになっているかをチェックしていきました。
これらの経験から、「今までやってきたことと新しいものを掛け合わせることが大事」と駒崎さんは教えてくれました。

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自分の軸をみつける
駒崎さんのお話を終えて、ワークに入っていきます。先ほど駒崎さんの実践をご紹介してくださっていた“3つの輪”を用いた自分の軸を発見するワークです。
このワークは「やりたいこと(will)」「しなければいけないこと(should)」「できること(can)」の3つの円を描き、項目ごとに20個当てはまると思うことを書いていきます。そして、その3つの円により多く関わるものが自分の軸である可能性が高いというものです。
参加者の皆さんは、それぞれ自分なりの円を描いて、悩みながらも20個づつ自分自身を振り返って書いていました。そのあとは、3つの項目にまたがっているものを探し出し、丸を付ける作業をします。
「自分の軸は言語化できていないだけで、実はすでに軸はある」のだと駒崎さんは言います。自分一人で行うのも良いですが、定期的に2人になって壁打ちのように行うと効果的だと教えてくれました。

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相手について話す
次に二人一組になり、相手の書いた3つの輪を見て、本人の気づいていないできることや、実はつながるのではないかと思うところなどを共有しました。そして、相手の3つの輪について、参加者全員に向けて紹介しました。
人と話してみることで、自分自身は意識していなかったことや、話しながら自分の胸のうちにあったものが見えてくる感覚がありました。駒崎さんも、CA時代は軸が分からずうずうずとしていたものの、このワークを通し、自分の軸が見えたことによって、今すぐにでも動き出したい気持ちになったそうです。

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そして、参加者の中にはもうすでにはっきりとした軸が見えている方もいらっしゃいました。「しばてん踊り」の人を笑顔にする力に魅せられ、普及活動を行っている女性の方は、なんと、常にしばてん踊り用の手ぬぐいを持ち歩いているそうで、急遽しばてん講座が始まりました。
駒崎さんはじめ、参加者全員で踊っていると、どんどん楽しくなっていき、会場の外にいた子どもたちも集まりはじめました。この方は、まだ、しばてんに出会ってから2年ほどしかたっていません。しかし、「軸」をみつけると、突き進む突破力が出てくることが、しばてん踊りを体験してみても感じられました。


明日からできることの共有
最後は、より良い自分になるために、個人で明日からできることを書いていきます。
3つすべての丸にかかるためには、何ができるかを考えるとやりやすいと、駒崎さんはアドバイスをくださいました。同時に、具体的な目標だと達成した際にモチベーションが下がることもあるようで、抽象的な目標も同時にたてることが、うまく継続させるポイントです。

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参加者からは「最近疎かになっていた早起きの習慣を取り戻して自分の時間を増やしたい」「まずは自身の身辺整理をしたい」といった明日への決意が挙がりました。


総括
自分自身の経験を活かして、もっと新しく価値のあるものを常に提供しようとする駒崎さんの姿や、“3つの輪”を用いたワークを通して、参加者の皆さんは少なからず自分自身の軸を見つけるヒントを得られたのではないかと思います。参加者と講師の距離がとても近い、面白い会になったのではないでしょうか。ここにいる参加者の方が女性起業家として登壇してくれたら素敵だなと思いました。

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(レポート:檜山諒 )

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