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【レポート】こうち100人カイギvol.6 ~自分自身のやりたいを信じて~

2019年1月からKochi Startup BASE(以後、KSB略)でスタートした「こうち100人カイギ」。

地域で働く100人をきっかけに、まちの在り方や価値を再発見し、ゆるく人を繋げる「100人カイギ」のルールは1つ。

「ゲストが100名に達したら解散する」。

毎回、高知で活躍する5名のゲストを招いて一人一人の生き方や仕事への思いについて語り合います。
今回は、2019年6月12日に開催されたこうち100人カイギvol.6の様子をレポートします。
※登壇予定だった森田浩路さんは、今回都合により不参加となり4名で開催。


オープニング

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まずはじめに、100人カイギとKSBの概要についてモデレーターから紹介した後、アイスブレイクとして数人でグループを作り、各自、自己紹介や今の気持ちのシェアを行いました。
冒頭に初めて参加した方に挙手をしていただきましたが、今回は半数以上の方が初めて参加。登壇者のファンであったりと、以前より気になっていたり、口コミできたなど、100人カイギの広がりを感じることが出来ました。

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また今回は過去最多の人数の参加者にきていただき、ありがたいことにいつもの会場では収まりきらなくなったため、高知 蔦屋書店3階同フロアにある遊び場「CHUCHU」をお借りし、ゲストトークからは場所をそちらに変更して行いました。

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ゲストトーク ー各者各様の想いー

登壇者1 近澤 朋成 さん(メロン農家/JA高知県新居支所メロン部会プリンセスニーナ部長)

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1982年生まれ 高知県土佐市出身
2009年に就農。最新の技術を取り入れ、高品質なおいしいメロンの栽培に取り組む。栽培する中で、お客様との距離を実感。伝えること、繋がることを生産者がしなければと考えるように。ブランド化をし、他産地との差別化をはからなければ埋もれてしまうと、土佐市産のブランド[プリンセスニーナ]を立ち上げる。当時、農業ではあまり取り入れられていなかったSNS、メディアを利用して組織で情報発信を始める。 お客様との繋がりを大切にしていくことを一番に考え、体験型のイベントを中心に活動中。愛称はメロン王子。

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自分で選び、決定すること
現在、土佐市でメロン農家として働く近澤さん。同じ区域で働く生産者組織のトップとしても活動されています。
専門学校卒業後、環境分析を行う会社の社員として働いていたものの、“人に自分の人生を左右されている“ということに違和感を抱き、自分が決定する立場“経営者”になると決意。26の時に実家のメロン農家を継ぐことになります。農業を始め、最初に感じた「お客さんとの距離」。どんな人が作って、どんな人が買ってくれているかわからない現状をおかしいと思った近澤さんは、現代に合わせてSNSの利用など、様々な提案を当時の組織に持ちかけます。しかし、返ってくるのは『そんなことをしても無駄、失敗したらどうする。』といった否定的な言葉の数々。近澤さんは、その言葉にまた“人の支配下で生きる“ことを感じ、”このままではいけない“と自らが責任を持って行動できるよう、学ぶことを始めたと話します。自分で選択して、失敗したとしてもその失敗は自分を育てる肥やしとなることを実践している近澤さん。自分で自分を変化させ続け、次の世代にいい影響が与えられる人になりたいと笑顔で話してくれました。


登壇者2  長崎 あゆみ さん(幸せな暮らしづくり 家具デザイナー)

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1972年生まれ 四万十市出身 看護師
小さな頃から幸せな結婚を夢みていたものの、実際の結婚生活は1人でいることが多い、寂しさと虚しさを抱える生活を送る。離婚をし、軽い鬱病になり、アトピーを発症。思い描いていた幸せとは程遠い暮らしを送る20代半ば。ふと立ち寄った本屋で「暮らしを楽しむ」という1冊の本に目を奪われ、幸せを手に入れる暮らしをスタートさせるキッカケとなる。独学で家具を作り、暮らしの中で幸せを感じ変化し輝き始めた自分に気がつく。オリジナルの家具をデザイン、製作、販売を始める。コンセプトは「世界で一番幸せな暮らしづくり」。

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生き方をデザインする
看護師としてフルタイムで働きながら、17年間家具デザイナーとして活動を続けている長崎さん。家具デザイナーとして活動するようになったきっかけは、離婚してつらい日々を送ったこと。思い描いていた「結婚して幸せな家庭を築くこと」はうまくいかず、その当時のことを、出口の見えない闇を彷徨っているようだったと話してくれました。
そんな長崎さんを救ったのが、家具作りとの出会い。たまたま手に取った家を楽しむというテーマの本に惹かれ、何かに動かされたかのように一つの棚を作ったそう。不恰好ながらも自分で作った棚に、お気に入りの雑貨を並べた時のなんとも言えない体験が、人生を変えたと話します。
「夢見た幸せではないものの、また違った幸せの形を見つけました。」と長崎さん。家具作りを「心から夢中になれて、心から自分が楽しめること」と話し、「本当の幸せを手に入れました。」と語ってくれました。たくさんの人の幸せに寄り添うよう、フルオーダーの家具作りを行い、家具を通して他者に幸せを届けている長崎さんの次の夢は、言葉で届けること。長崎さんの挑戦は今始まったばかりです。


登壇者3  井伏 香保里 さん(香の里 オーナー)

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1974年生まれ。土佐市出身。
高校を中退して17歳から高知市に移り住み、飲食の世界に入ることに。平成13年飲食店「香の里」を開業し、現在に至る。また平成31年に作家としてもデビューし、自伝的エッセイ「私の人生を変えた顔」を出版。趣味・好きなことは、料理、日々の筋トレ、旅行、音楽、ダンス。

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自分で人生は変えられる
香の里のオーナーとして、19年間お店を切り盛りしている井伏さん。
井伏さんの顔には生まれてきた時から“太田母斑“という青あざの一種があり、そのせいで自分は人と違っていた、と自身の経験について話してくれました。
思春期に近づくにつれ、大きくなるあざの範囲と、人に見られたくないという気持ち。周りの人の見る目が違うことに気づき、普通の女の子の生活は挫折した。と当時を語ります。そんな中学時代も終わる頃、友人に声をかけられ、夜のスナックで皿洗いのバイトをすることに。それから夜の世界の華やかさに魅かれ、その世界に引き込まれていったそう。初めは夜で暗く、化粧もして顔もはっきり見えないからと思えたものの、仕事を続けるにつれて湧き上がってくる『顔を治したい』という強い想い。高額な治療費や治療の痛みに、辛い経験もたくさんしましたが、”治したい“という想いを力に、ひたすら頑張り、お金を貯め、何年もかけて井伏さんは今の顔、そして自由な生活を手に入れました。現在は自身の経験を自伝的エッセイとして記しています。
顔のあざのせいで自信が持ってなかった自分が、治療に踏み切り運命が大きく変わった井伏さん。『自分で人生は変えられる。』そう参加者にエールを送るように話してくれました。


登壇者4  赤木 将太 さん(IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー))

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1988年生まれ。長崎県佐世保市出身。
大学卒業後。証券会社に入社。約1000人のお客様の資産運用を担当。京都・高知・広島と転勤を経験後、2018年8月に退職。「もっとお客様に寄り添った仕事がしたい。」との想いから独立。2019年、高知へ移住。高知・岡山・広島を中心にIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)として活動中。

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自分が納得して選んだものを伝えたい
フリーランスの証券マンとして働く赤木さん。今年、高知に移住し、高知、岡山、広島を範囲として活動しています。
あまり身近では聞き慣れない“フリーランスの証券マン”。こう働くことを決意したことには、3つの想いがあります。その中の一つ、「嘘をつきたくない」ということには、赤木さんがプライベートでよく行くお寿司屋さんでのある出来事がきっかけです。ある日、ネタケースに入った魚を指して、大将に「この魚が食べたい。」と伝えたところ、「そのネタは出せない。今日の魚は良くないから。」と言われたそう。
当時赤木さんは、まだ会社に属しており、中には会社の意向として勧めなければならない商品も。赤木さんの仕事内容上、結果販売であるため、勧めたその時、その商品が良いか悪いかわからないこともあるものの、それでも自分が納得できるものをお客様には紹介したい、という想い。その想いには、“お客様にも、自分自身にも嘘をつきたくない”という、あの日の大将の気持ちが重なります。他にも「(証券マンの)イメージを変えたい」「(お客様と)繋がっていたい」という熱い気持ちを原動力に、赤木さんはお客様に寄り添った仕事を目指しています。

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ネットワーキング
ゲストトークの後は、登壇者と参加者の交流の時間。こうち100人カイギでのネットワーキングは、登壇者と参加者が、できるだけたくさんの人とつながることを目指しています。肩肘張らずに、ゆるく人と人とが繋がることができる時間です。

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場のルールに沿って、登壇者を囲んで、一人ひとりが気づきや想い、考えを伝え合う時間。様々な対話が飛び交い、あちこちから笑い声や驚きの声が。今回は参加者の人数が多く、参加者同士の輪や交流も目立ち、良い化学反応が起きていたようです。

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総括
今回は参加者の人数も過去最高を記録し、いつもよりさらに盛り上がりを増したイベントとなりました。
登壇者の4名のお話からは「自分自身の想いに正直でいること」「自分の“やりたい”という気持ちを大事に」が共通しているように感じ、その想いに共感する方も多く、涙を浮かべて傾聴している参加者の姿も。
違った立場の方に登壇や参加をしていただき、たくさんの発見や気づきを普段出会えないような方々と共に共有することができる、そんな貴重な時間となりました。


(レポート:畠中 詩織 )

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※100人カイギとは
100人カイギは、一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の“身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。https://100ninkaigi.com

▼こうち100人カイギvol.7 はこちらから。


お問い合わせ
Kochi Startup BASE®
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1高知 蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

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