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【ジャーナル】[Part 1]こうち100人カイギ vol.10 高瀬あおい(四万十町&十和&地域おこし協力隊、布人形作家、カード占い師)


2019年1月よりKochi Startup BASEにて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。
今回は、2019年11月13日(水)に開催された、vol.10に登壇いただいた5名、1人1人の話にフォーカスを当てています。

記念すべき10回目の今回は、「地域おこし協力隊」として働く5名、それぞれの想いについて語っていただきます。

参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。


<こうち100人カイギ vol.10の登壇者>
5名それぞれの話をもっと深く知りたい方は、こちらの記事もチェック!
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。

高瀬 あおいさん(Part 1掲載)

小野 加央里さん(Part 2掲載)
溝渕 恵里さん (Part 2掲載)

田中 誠一さん (Part 3掲載)
小野 義矩さん (Part 3掲載)



1人目の登壇者は、四万十町&十和&地域おこし協力隊/布人形作家/カード占い師の高瀬あおいさん。

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1994年11月17日生まれ。和歌山県和歌山市出身。
和歌山では『観音山フルーツガーデン』のパッキング部門担当。
和歌山以外の世界を知りたいと思っていた時に四万十町の知人から『うちが持ってる空き家に住んでみないか?』という誘いを受け移住を決意。同時に前から興味があった地域おこし協力隊の募集が行われていることを知り応募、無事選考通過し2018年5月1日より着任。
以降原木椎茸の栽培~販売、加工に携わり、現在は『協力隊で椎茸作ってる子』として地域の人達に認知されるようになった。協力隊の他に地元の青年団にも所属している。最近の趣味は懐メロを聴くこと。

四万十町での活動
和歌山県の農業系企業で4年間働き、昨年の5月から四万十町の十和地区に移住。現在地域おこし協力隊として活動している高瀬さん。自身の活動としては、地域おこし協力隊の活動だけでなく、趣味のタロットカードを使って占い師や布人形作家として活動していたり、地元の青年団に所属しお祭りに参加したりと、多忙な日々を送っています。そんな高瀬さんの四万十町でのミッションは『原木椎茸の栽培振興』。2年目となった今年は、栽培しながら販売や加工にも携わっています。地域の方と交流し、生産者の手伝いをすることで、今では「椎茸を作っている子」と、地域の人たちに認知されるようになりました。

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椎茸の栽培について
椎茸には2つの栽培方法があります。一般的にスーパーなどで売られているのは、木くずや米ぬかに椎茸菌を混ぜて室内で行う菌床栽培で、これが全国的に椎茸栽培の主流です。
もう一方は、原木椎茸を栽培する『原木栽培』という方法。クヌギや楢といった雑木に穴をあけて椎茸菌を打ち込み、木漏れ日が入る程度の場所に立てかけて栽培します。高瀬さんの移住した四万十町十和地域は、この原木栽培を60年以上行なっている地域です。
しかし、人口減少と高齢化で栽培者が減少傾向。原木栽培は屋外での栽培で、労働力が必要となってくることも一つの要因です。なんとか栽培者減少を食い止められないか、と四万十町で地域おこし協力隊の公募があり、縁あって高瀬さんがその募集を見つけ、採用されました。


実際に携わって
十和地域の中でも地吉や古城といった栽培が盛んな地区がありますが、そこで原木が山にずらりと並ぶんでいる姿は圧巻だ、と話します。原木栽培は山に木を大量に並べて行いますが、この並べる作業も人の手で行なっています。木の皮が水分を含んでいるので、かなり重量がありますが、1人2人の少人数で作業をしているそうです。
また、原木栽培にはクヌギや楢の木を使用していますが、もちろんその木も自分たちで用意します。十和地区の山は急斜面が多く、山から木を下ろすのも一苦労。木を切る前に、ワイヤーを木と木の間にかけておろしやすくする作業は至難の技です。現在はベテランの山師さんでなければ、出来ない作業ですが、重要な作業なので今後は高瀬さんや若い世代が受け継いでいかなければ、と話してくれました。


協力隊として大切にしていること
高瀬さんが協力隊として大切にしていることは4つあります。1つは『地域を起こそうとしない』こと。地域を助けてあげるという発想を捨てること。大事なのはやろうとしていることが、自分にとって楽しいことかどうか、と考えることだと考えています。
2つ目は『周りを頼る』こと。1人では解決できない問題でも周囲の誰かが解決策を持っていることが多い、と感じています。自分自身が経験したことがある分、とにかく困っている人がいれば、一緒にやっていくようにしていくようにしています。
3つ目は『この地域ならではの生活を楽しむ』こと。お祭りや習慣、話し方など、前に住んでいた土地との違いを楽しむことも大事で、高瀬さん自身も青年団に入り、地域の行事など積極的に体験しています。
そして、4つ目は『任期後の生活を意識する』こと。地域おこし協力隊を卒業した後もこんな風に過ごしたいと思える生活を、今からやっておくことも大切だと思っています。

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大事にしたい思い
高瀬さんが地域おこし協力隊として来た頃は、「起業するぞ!」「地域活性化させるぞ!」という思いを持っていました。しかし、1年間の活動を通して思ったことは「それだけじゃない」ということ。高瀬さんがそれまで思っていた『協力隊のあるべき姿』というものはそもそもあるのかと、違和感を感じ、今は思っていた在り方にこだわらなくても良いのでは、と思うようになりました。
最後に、移住するため、定住するためのツールとして『地域おこし協力隊』という形も選択肢の一つとしてある、と思うようになったと話してくれました。それには自らが体験した、普通に移住するより地元の人と関わりが濃くなることや、地域のことをよく知っている方々と関われること、助けてもらいやすくなることが例として挙げられます。地域おこし協力隊として活動することで、「地域を愛するために動ける。肩の力を抜いて動くことができる」と言います。
「こんな隊員もいます。」と笑い、最後には、「卒業したら就職し、四万十町に定住しようと思っている」と話してくれました。


【総括】たくさんの経験を通して、今までとの考え方が変わったことを話してくれた高瀬さん。今活動している、四万十町が好き!という強い思いが伝わってきました。最後に話してくれた、「あるべき姿」にとらわれない考えは、地域おこし協力隊だけでなく、すべてのことに通ずるのではないでしょうか。


(レポート:畠中 詩織)



 100人カイギとは 
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

お問い合わせ
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運営:エイチタス株式会社 高知支社
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