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ネットワークビジネス・カルト】ネズミ講、マルチ商法、MLMの真実

ある日、突然、学生時代の友人から連絡が来る。どうやら熱心に勉強会に参加してるらしい。

友「久しぶり、最近どうしてるの?私は最近、とても役立つ勉強会に参加してるんだけどマジで面白いよ」

社会人になって連絡を取っていなかったので少し奇妙な感じもしたが、よく遊んでいた友達だったので思い出話をするのも悪くないと思った。

「久しぶり、そうなんだ。面白そう。お金かかるの?」

正直、同じ日々の繰り返しに刺激が欲しいと感じていたので退屈しのぎで返事を返した。

友「参加費は1,000円でコーヒー飲みながら色々勉強するの。Y日にあるから来てみない?」

そして、久しぶりに会うことにした。

「分かった。参加します。」
PART1:ネットワークビジネス・カルト

会場に着くと、そこは特殊な雰囲気だった。ホールには大勢の人がいてスーツの人も主婦のような人もいる。みんな明るい表情で笑いながら話をしている。エネルギッシュで、ポジティブ、社交的な感じ。しばらくすると友人が現れた。随分とかしこまった服装に身を包み、昔とは全く違う様子に驚きながら話をすると、どうも副業を始めたらしい。そして勉強会でその内容が理解できた。

もしも、あなたがネットワークビジネスという用語を始めて聞いたのなら、これだけは覚えていて欲しい。それはすぐそばにいることを。口コミによって商品を広げていく「マルチ・レベル・マーケティング」という仕組みは、広告費用をかけずに商品を人づてに伝えていく合法なもの。日本国内でも1,000社を超える企業が活動しており、家族、恋人、仕事の同僚、親友。誰もが一夜にして変わってしまうネットワークビジネス。何の問題がある?危険なのか?なぜ嫌われているのか?
もちろん魅力に思える部分も沢山あります。しかし、その艶やかなラッピングの内側に潜む仕組みの特性上、金銭面や人間関係を中心にトラブルを抱えやすいビジネスモデルです。その話は後に詳しくするとして、話を始まりに戻しましょう。


アプローチは大抵の場合、気が付かれないよう忍び足で近づいてくる。「最近どんな感じ?」顔も名前も知っている知人なので返事を返すと会話は前へと進んで行く。その道すがら彼らはこんなキーワードに触れてくるかもしれません。「ビジネスチャンス」「人生を変える出会い」「きっとあなたが気に入る環境」「副業」「ランチ会」「セミナー」そんなことを誘ってくる人間では無いので違和感を感じつつも、参加を決める。会場ではベテランの話し手が力強くマイクを握りしめ、勉強会の始まりです。

PART2:希望

もしも、働かずに定期的な収入を見込めるなら。成功への近道を見出したなら。想像よりも早く夢が叶うなら。今しか手に出来ないビジネスチャンスが目の前にあるのだとしたら。経済的な自由、柔軟性の高い休暇、依存しない生き方。多くの人々は希望を失い、ただ毎日を同じことを繰り返し、未来に期待を抱くことさえ難しい。ここにそこから抜け出すチャンスがある。

とても信じがたい夢物語のようだが、偏見無しに聞いてみると理にかなった真実を語っている。参加を拒否をする理由がどこにあるだろうか?特別な技術も資格も資本力がなくても始められる。友達はこのビジネスで人生を変えた。前で話をしている人も自分と変わらない凡人だった。ここにいる人たちは前向きで心地いい。希望の光へ足を一歩踏み出したい。

ネットワークビジネスは日用品を中心に様々な種類の物がある。化粧品、サプリメント、旅行にアロマ、通信から保険にいたるまで。しかし、その販売方法は全く同じもの。商品を売れるのは販売員(ディストリビューター、コンサルタント、コーチ)に登録した者のみ。商品が何にせよ、それが売れればコミッション・手数料が手に入る。購入者を販売員として勧誘し、販売員になるとさらに別の人を販売員として勧誘していく。自然とピラミッドのような構造になっていき、自分のグループが拡大していけば念願の夢は叶えられる。

SNSではブランディングが展開され、前向きな名言、幸せなライフスタイル、表彰旅行、会社から受け取ったプレゼント、在宅勤務、カフェテラスからお送りするお馴染みのフレーズ(経済的な自由、柔軟性の高い休暇、依存しない生き方)などが投稿に並ぶ。

なぜ?
希望が彼らの本質的な価値だから。

ビジネスは販売員として登録し、毎月のメンバーシップ費用を支払うことで活動が認められる。これが最も重要な初めての自己投資。契約が結ばれることで、メンバーズパックが自宅に届けられる。それから普段使っている商品も、自社製品に置き換えるよう勧められる。理由は大きく2つある。そもそも販売する商品を知らずに、それを売ることは出来ない。そして、商品の購入に使用された金額がポイントとなって換算され、それに応じて手数料の配当率、ボーナスが変化する。

仕組みは単純。チャンスを提供した友人は、自分のアップラインとなり、自分が勧誘した友人はダウンラインとなる。この植物が根を張っていく勧誘システムはリクルートツリーと呼ばれ、源泉となった種にはツリーが実らせた全てのポイント(手数料)が付与されることとなる。例え自分自身は何もしていなくても毎月。きっと魅力的に感じるでしょう。

商品は高額な値段設定となっているがポイントは自分の為にも、仲間の為にもなる。だからメンバーを増やすか、購入量を増やすかして企業の商品たちは広告を打たずに販売網を広げていく仕組みである。

毎月のポイントに応じたタイトル別の報酬も公開されて入り、アップラインがどれだけの収入を得ているのかおおよそ見当がつく。おとぎ話の主人公ではなく実在の人物が目の前で幸せなライフスタイル、成功の秘訣を話してくれる。これがあの時に参加した勉強会だ。

彼らは懸命に働くことを動機付けてくれる。

どんな障害物に出会おうとも、前向きでいるよう説得する。

成功したければ、凡人の言うことは聞くなと教える。

そして最も重要な教訓として、勧誘こそ全てだと念を押す。場合によってはもう少し柔らかく「周囲にチャンスを提供すること」だと表現するかもしれない。「自分の大切な人に正しい商品を伝えること」だというかもしれない。それが何であろうと成功の為に勧誘は欠かせない条件です。

PART3:教育

参加を戸惑う必要はありません。グループ内部では勉強会やフォローアップミーティングが定期的に開催されており、初期段階の教育カリキュラムの一例では100人の声かけリストを作る課題が用意されています。縁故開拓法です。

友達、家族、同僚、電話帳、フォロワー、行きつけの美容室。誰でも、知り合いは全員リストに上がります。

次にステップメッセージを送り始めます。ソーシャルメディアで発信も始めます。ファミレスで会食も始めます。毎月、商品も買い始めます。もう一度確認しましょう。これは自己投資、自己成長のプロセス。お勧めされた本を購入し読み始める。毎週のセミナー・イベント・ミーティングにも参加し始める。アップラインは一貫して励まし続けてくれるでしょう。懸命に働くんだ。諦めるな。前向きに考えよう。周囲の話は聞くな。モティベーションを高めるために伝説的なアップラインの動画にも夢中になる。

結果を出した人は目の前にいるのに、現実は思惑通りいきません。100人のリストには既に声をかけました。家族には反対され、友人には白い目で見られるようにもなった。しかし、上手くいかないんです。だから辞めようと思います。

まだ勧誘が上手くいかない?

それは全力を出していないからだよ。ポジティブな考えをしてないから。マニュアルをよく勉強してないから。

友達が参加したくない?

それは間違った友達と付き合っていた証拠。新しい友達を作る絶好のチャンスだよ。友達5人の平均が君なんだ。

新規獲得のためにSNSの投稿にも勢いを付ける。例えそれが嘘だと感じていても。偽りのライフスタイル、偽りの収入、偽りの巨勢は好奇心の目を自分に振り向かせるまで拡大し、顔の面は分厚く、人間関係は薄くなっていく。それも、これも希望のため。

そこまで勧誘が難しいとは思わないでしょう。ビジネスの話を聞いた瞬間には一緒にやってくれそうな2,3人の顔が思い浮かぶものです。しかし現実はきっと、何人かの友人からは返事が返って来なくなった。それでも構いません。彼らは成功にネガティブな影響を与える人たちで、棚卸にちょうど良かった。まさにアップラインから教わった通り。これが成功の筋道です。経験豊富なアップラインは継続的な自己投資を励まし、未だお財布の中は寂しい限りだけども、希望の光は消えていない。企業はカンファレンスを開催し、優秀なリクルーターを表彰します。チャンスを多く提供した栄誉を称えます。スポットライトに照らされ、花束を持った受賞者が苦難の道のりを語ります。

新鮮な希望は、やる気を再び呼び起こし、このコミュニティは自分の仲間たち、家族、戦友。同じ目標、同じ関心、同じ用語を共有し自然と共同体感覚も芽生えていく。だからサイクルは続いていく。過去のアイデンティティは捨て去り、人付き合いもがらりと変わり、グループへの忠誠心が育つよう戦略的に、そして巧妙にデザインされている。チャンスを理解できない奴はアホか愚か者の類で、タイミングが来るまで辛抱強く待つのも成功の秘訣。しかしポイントの換算は毎月締め切りが迫る。

PART4:カルト

次第に倫理観の境界線は薄れ、致命的な策略家へと変貌し、勧誘の目的を隠して新たな出会いを求めるようになり、ネットワークビジネスが禁止されているコミュニティに忍び込む。マッチングアプリだろが、趣味の集まりだろうが新たな人脈を広げようとする。同窓会は思い出を語らう場所ではなくなり、結婚式はお祝いの場所ではなくなる。初めは陰謀がバレないように親しみ深く良い人で、しかしその内側にはカルト的な目標達成の思考が機会を伺っている。

このダブルスタンダードに合法ながらも様々な論争を引き起こし、人々から歓迎されない独特の特性が隠されている。一度築き上げたツリーはメンバーである内側から、そして社会である外側から様々な圧力を受け、ときには根腐れが起き始める。芋ずる式の退会である。

もちろん勉強会やフォロワーアップミーティングで崩壊が起きないようにケアに余念がないが、入会の敷居が低い分、社会の圧力には影響を受けやすい。事実、平均的なメンバーの80%は2人以上勧誘に成功すること無く辞めてき、99.6%は投資金額を回収できずに損をしている。国税庁の実態調査によれば年間1,000万円以上を稼いでいるメンバーは0.07%。その成功者がイベントでステージに上がり、生存者バイアスを他の販売員に引き起こし、99%メンバーが収入を得ていないことを見過ごさせる。死屍累々の屍の山を踏み越えて頂点に立っていることが、放たれる希望の光でよく見えなくなるのだ。

まとめ。

ネットワークビジネスは広告費をかけずに口コミによって商品を広げていく合法のマーケティング手法。やり方は同じでも、その体質は一律のものではありません。どこにポイントが隠れているのかまとめます。

Q:お金のメインストリームは誰から流れて来ているのでしょうか?

消費者の購入がメインなら健全なものです。対照的にメンバーの購入がメインなら自己投資という名の自爆が伝統になり、勝ち組となるのは極限られた先行者たちだけです。市場の均整は崩れ、需要が頭打ちを迎えたとしても、供給者は不自然に増え続け、共食い状態のカニバリズムが横行する。それは依存しない生き方?別の見方をすれば3倍近く高額な商品の請負業者かもしれません。企業の設定した商品も価格もスキームも変える権限がないはずです。

もしもこの動画を見てネットワークビジネスに加わりたいのなら、賢明な判断を下してください。

もし希望のある商品を売って、簡単に金が稼げるなら、お気を付けて。

もし販売ではなく勧誘がメインなら、お気を付けて。

もし憧れの権威者が理解しない人とは距離を取るよう勧めてきたら、お気を付けて。

また上手くいかないのは努力が足りない、ネガティブなのが原因だと言ってきたら、お気を付けて。

不労所得で自由な人生を送るなど、誰もが望む夢ですが一般的ではありません。しかし何が現実的で、何が夢物語なのか私も含めて誰も決めることは出来ません。決めれるのはあなただけです。

🎥動画でおさらいはYouTubeチャンネルも覗いてみて↑↑

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今回の記事、最後まで読んんでいただき
ありがとうございました。

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