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引き寄せの法則に隠された真実】信じている人は見ないでください

話を始める前に、前提を確認しておきたい。きっとみんなも1度や2度は聞いたことがあるだろう、引き寄せの法則。良いこと考えれば、良い出来事が起こり、悪いことを考えれば、悪い出来事が引き起こされる。頭の中に描かれる思考が、人生で起こる全てのことを引き寄せる。ポジティブな姿勢を保ち「思考そのもの」を変えることで現実は変えることが出来るという。

幸せ、健康、富、恋人、権力、目標。望むものは全て、思考を変えることで実現できる

このブームの火付け役になったのは2006年この映画「ザ・シークレット」それから自己啓発の市場で盛んに取り上げられるようになり、出版から数十年が経つ現在でも評価の半分は星5のベストセラー。コーチングやワークショップ、自己啓発系コンテンツでもよく耳にする内容だ。

しかし、注意深く聞いて欲しい。

これからお伝えする内容は引き寄せの法則が引き起こす問題点、心理トリックの罠、エセ科学の危険性を共有する。本当に現実はすべて思考が作っているのか?ファンタジーと真実の境界線は?人間の心の弱さを商売にする悪人はいないのか?なるべく偏りのないを意見をここに述べたい。

驚きの秘密「思考は実現する」

私たちの住む家、地球、宇宙のあらゆるものを構成している物質は原子であり振動をしながら周波数を発している。動物、植物、海、山、川、目に見えない空気、光、音、色、匂いはエネルギーが波動となって存在している。

そして私たちの抱く思考や感情も、同じ仕組みを持っている。どう考えるかは、どう感じるかに直結し、感じたものは潜在意識から波動となって宇宙へ放出される。やがて宇宙の法則に従い同じ周波数のものを何でも引き寄せてしまう。ちょうどラジオのチューニングを合わせるように、頭の中から周波数が宇宙へ送られ、選曲された音楽だけが聞こえてくるように。

人生も同じもの。自分の望むものを強烈にイメージし、その周波数と同じ波動で考え、感じ始めれば、宇宙がそのメッセージを受け取り、自動的に引き寄せられる。それが金であれ、人であれ、幸せであれ、同じ周波数のものを磁石のように引き寄せる。どこからともなく適切な時期に、適切な人が現れて、目標が近づき、偶然のような奇跡が舞い降りる。例えば運命の人と偶然出会うような、不治の病が一夜にして消えてしまうような、雨の予報でも晴天になってしまうような…、
幸運だけでは説明しがたい偶然。これらは極シンプルな言葉で説明できる。「思考は実現する」

ポジティブな思考や感情は、ポジティブなものを引き寄せるように、ネガティブな思考や感情も、またネガティブなものを引き寄せてしまう。例えば借金や人間関係のトラブルによってネガティブな感情が先行すれば、それが磁石となってトラブルをさらに引き寄せる。だから貧しい考えは捨て去り、怠惰、怒り、恨みなどは締め出すように心がける。反対に明るい気持ち、良い感情で内を満たすように心がければ、世界に満ち溢れた豊かさが、愛と平和が、喜びが自分のもとへと引き寄せられる。驚きの秘密じゃありませんか?

思考と感情を変えれば、現実を変えることが出来る。

そして、これから話を進める前に重要なことを確認しておく必要がある。それはこの法則の一部に、有益な要素も紛れている点だ。

ポジティブシンキング。人生は変えることができると前向きに捉え、主観的に幸福な人は、病気が少なく、寿命が長く、想像力に優れ、収入は多い。

ビジュアライゼーション。願望を想像によって具体的、視覚化することで問題解決や動機付けを促すイメージトレーニング。

瞑想、アファメーション、目標設定。

これらのアイディアは決して悪いものではありません。それぞれのアイディアには論理性、再現性、普遍性が独立しており、引き寄せの法則とは別の場所にあります。

引き寄せの法則は、これらのものにスピリチュアルの要素が加えられたもので、ファンタジーの一種として信じない人もいるでしょう。しかし、自己啓発の産業では未だに根強い人気があり、目を見張る大金が動いているのです。

もしも心の弱った人間を利用するために、大金が動いているなら知る必要があると思いませんか?もちろん、この問題の根底に流れているのは、誰しもが楽をしたい、夢をみたい、愛が欲しいと願う願望。売り手の成功を支えている源流をたどれば、それは間違いなく買い手に違いありません。

もしも、すでに引き寄せの法則を強く信じているのであれば、そして、その信念を批判されたり、指摘されたくない人はここで見るのを止めて下さい。

いいですか?それでは同じ穴の貉へ入っていきましょう。

疑似科学(エセ科学)

引き寄せの法則やその類を主張するのであれば、それなりの根拠が求められる。そのときに引き合いに出されるのがアインシュタインのこの言葉ではないだろうか。

「万物はエネルギーであり、それがすべて。自分が望む現実の周波数に自分を合わせれば、現実は自ずからそうなる。それ以外にはなりえない。これは哲学ではない。物理だ」

彼はこんなこと言っていません。SNSでしばしば目にすることのある知らない誰かの二次創作品です。

彼はその代わりに、こう言っています。

「インターネットで読む名言なんていちいち信じるな。なぜならあんなこと俺はひと言も言ってないからだ」

生誕135周年に公表された一文です。

こんなことは氷山の一角に過ぎず、科学的根拠がないにもかかわらず、あたかも科学的に正しいと実証されたように見せかける。数字や権威に弱いタイプであれば容易に信じることとなり、他人にもそれを拡散する、

疑似(エセ)科学

根拠が不十分な主張を科学的な根拠があるかのように装るエセ科学は、自己啓発産業のみならず、健康や代替医療、宗教にいたるまで、現在でも淘汰されていません。
そのため消費者は,これらが科学的とは言えない主張であることを正しく認識できず、または指摘を受けてもその信仰を捨てさることはなく、血液型性格診断や星占い、マイナスイオンや水素水、陰謀論や超能力が日本ではお馴染みのものだ。
「法則」や「原理」などと名付けられた情報は、いつの時代においても金になり、リアリティのある正しい説明のように錯覚され、悪意を持ってそれを利用すれば、カルト勧誘や詐欺商法の役に立つ。受け手もそれを信じて他人に教えたり、販売したりすれば自分の利益につながるので無自覚のまま、よく考えたり、疑ったりもせずに喜んで思考を停止する。

ザ・シークレットの作者であるロンダ・バーンは水を飲む前に毎回「ありがとう」と語りかけるらしい。そうすることで自分の体に魔法をかける事ができるという。影響は日本の博士である江本勝氏の発表した『水からの伝言』のようだ。日本でも一部の小学校において道徳の教材として採用され、話題となった。その著者である江本氏は「波動」に関するビジネスを展開しており、その実験に関する核心の部分はこういうものだ。

「水は言葉を理解する。なぜならば、水を凍らせてできる氷の結晶を見ると、ありがとうという文字を見せながら保存した水からは、きれいな結晶が、ばかやろうという文字を見せた水からは、きたない結晶ができる」

という主張である。信仰者の中からは江本氏が科学者であるという声も上がっているが、彼の持っている博士号の出どころは「学位」を金で買える。つまり、ビジネスとして利用することの多い非認定大学から受け取ったものだ。江本氏は科学者でも博士でもない。
確実にいえるのは、もしも今度、権威者(博士や教授)から「波動」「周波数」「エネルギー」という言葉が出てきても、科学的な説明が保証されているとは考えない方が良い。

江本氏本人も出版から6年後、多くの学者たちからの批判を受け、同書については

「ポエムであり、科学だとは思っていない」

と告白している。

科学のフリをした「誤った考え方」が広まる社会で、おとぎ話と真実を判断できなければ、問題はさらに深刻な事態を引き起こす。

例えば私が、とあるコーチと出会い引き寄せの法則を信じたとする。そして、数年か、数十年間、熱心に引き寄せの法則を学び、実践した。すると導かれる結果はふたつのうちのひとつ。望みを受け取るか、受け取れないか。今回は残念なことに受け取れなかった。私は再びコーチのもとを訪れ、引き寄せの法則が機能しないことを相談する。

※コーチの返答
「引き寄せの法則が働かなのは、あなたが潜在意識で本当に信じていないからです」

引き寄せの法則は、その核心部分が証明できないものであり、根拠のない主張や考えは、悪意のある人に道を開きます。これは潜在意識と呼ばれるものも同様に、近代科学でも解明しきれていない人間の神秘です。無いとも、有るともいえる土俵で、量子力学や脳波など不明瞭な情報を科学であると偽って、このテーマについて語る資格がないと思われる自称:専門家たちがしきりに、この話題に取り上げる。
このような検証されていない科学用語を口にすることで権威的なイメージを築くことができ講座やプログラム、本を売り込むことができる上、批判を受けたとしても検証が不可能なので完全なる無罪放免。
まともに研究をしている主流の科学者たちは霊能力者と同じ部類になってしまい、悪意を持った権力者にとっては都合の良い世の中です。

もし仮に「4月生まれの人は特に不幸を呼び寄せますから、この石が必要です」と科学者が偏った数値と意味不明な専門用語で売り込んできたら、どうしますか?相手は博士号を持った先生と呼ばれる人物。信じて石を買ったとしましょう。

人間の集中力には複数の情報が溢れる中で特定の情報を、選択的に注意する機能(RAS)が存在するため、思い当たる節は必ず見つけ出せます。例えば大勢が話をして騒がしいパーティーでも、自分の名前や関係する言葉だけは聞き取ることができる。これは波動によって自分が突然、人気になったのでも、有名になったものでもありません。もともと存在していたものを見つけただけです。

しかし、石に投資した私はそのパワーに驚くのです。当然です。自らが感情的、金銭的に投資した結果が報われるために正当化する何かを本人は探し出し、結論付ける。これは原因と結果の因果関係に著しい幻想を抱かせます。世の中には様々な変数が存在し、それらの偶然によって結果が導かれることなんて山のようにある。それを一言でまとめ上げれるほど単純な構造にはなっていません。

本人が明るくなるなら良いじゃない?なぜそんなに引き寄せの法則を信じさせないの?一体、何が問題なんだ?

その答えがこの記事で伝えたい最後の指摘です。

あらゆる事象をポジティブに感じれば、さらにポジティブなものが引き寄せられる。しかし、その逆もしかりだということを忘れてはいけません。

ネガティブなことを考えたり、感じてしまえば、ネガティブなことが引き寄せられる。ならば、もしも恋人に振られ、孤独感を味わっているのであれば、本人の波動が悪いのです。働いていた会社が潰れてしまい無職になって、不安を感じているのは本人の責任です。そんなネガティブな波動を宇宙に出していたのですから。どんな局面であっても楽観的に考え、常に最高の気分でいること。苦しみは全面的な悪で、全ては自分の責任です。

もちろん、客観的に見れば、この状態は自身を神格化し過ぎて、物事の分別がついていません。現実的でもありませんし、健全でもありません。
人間には出来ることに関して範囲があり、願うだけで疫病を鎮めることも、他人の自由意思をコントロールすることも、現実を変えることだって出来ません。そしてコントロール出来ないものに執着するとき、人は無力感に苛まれ心は弱ります。その為に知性を備えたのです。どんな不遇の苦しみに遭遇しようとも、原因と結果を分別し、未来の為に建設的な行動が取れるよう知恵と教養を育てているのです。

心が弱ってしまえば権威の力は強力です。思い出してください。この産業は小さなものではありません。多くの支持者が引き寄せの法則を信じています。そして、そのコミュニティでは思い通りいかないことがあれば、その根底には常に責めるべきは自分自身であるという信念があり、罪悪感を感じることさえ自分の落ち度なのです。

このようなエセ科学に基づいた信仰体系が及ぼす、心理的、経済的損害を想像してみて下さい。病気になったのも、治らないのも引き寄せの結果、貧しいのも、不自由なのも否定的な考えや疑いを持った自分の責任。その都度、情報屋はマッチポンプ式に儲かり、非難されるのは情報屋ではなく信仰した本人です。

『ザ・シークレット』の指導者であるジェームス・レイは、参加者に36時間の断食をさせ、高温の蒸気サウナに入れるメンタルトレーニング(1週間で10万円)を主催したのだが、寿司詰めにされた参加者の多くが体調を崩し、18人が負傷、3人が死亡しました。レイはサウナで参加者が崩れ落ち嘔吐している間も、ロッジ内にとどまるよう急き立てたようです。その後、レイは自分に責任はないと無罪を主張しました。

悪事は思考の停止した幸せな人々によって支えられています。

仕入れも原価も必要のない情報屋にとって、財布を開けない99人がいたとしても、1人が信じてくれれば十分なんです。

人類は進歩の過程で、いくつもの有意義な発見を繰り返して来ました。ポジティブシンキング、ビジュアライゼーション、瞑想、アファメーションや目標設定。全ては合理的で、有益な習慣です。

それらと引き寄せのを含めたスピリチュアルな情報を見分けることが出来ますか?

決して成功の道しるべでもなく、幸せになれる秘訣でもなく、その情報を個別の道具として捉え、役立てることが出来るでしょうか?

この質問を最後に私の主張を終わります。

引き寄せの法則で、真の勝者は誰ですか?

🎥動画でおさらいはYouTubeチャンネル↑↑

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今回の記事、最後まで読んんでいただき
ありがとうございました。

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