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「年収890万円以下は社会のお荷物」という言葉について

「年収890万未満はお荷物だ」という話が少し前に林先生が言ったことで話題になりました。

しかしこの言葉が本当に正しいのか私は非常に疑問です。

ここでは年収890万円未満の人がお荷物であると言われる理由と私自身がその仮説に疑問を持っている訳をまとめていきたいと思います。

年収890万円未満の人が社会のお荷物である根拠は?

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公共事業を始め学校での生活や医療費などさまざまなものは税金から賄われているといったことは恐らくある程度の年齢に達した方なら聞いたことはあるかと思います。

ここで年収890万円以下の人は自分の支払った税金よりも税金によってもらえるサービスのほうが多い計算になるそうです。

その点から「年収890万円以下の人はお荷物」と言われるわけです。

お荷物といえないと考えるわけは?

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私が年収890万円以下の人がお荷物ではないと思う理由は「必要だけど年収が多くならない業種が多くあるから」というものです。

社会インフラとして必要ではあるもののどうしても伸び切らない業種があります。

基本的に年収が伸びやすいのは「たくさんの経済効果を産める」業種です。

経済効果を産める業種はこのような傾向があると私自身は考えております。

・取引の単価が非常に高い

・一つの仕事で広い影響を及ぼす

上の「単価が非常に高い」というのに当てはまる一例が商社の営業職です。

営業などは足を運んだ相手にしか影響はありませんが、一件あたりの数字が桁違いに多くたくさんのお金が動きます。

そのため一人あたりの売上も大きく。

後者に当てはまりやすいのは最近稼げる業種として言われているのは「IT」ですよね。

IT業界で年収が伸びやすいのは一度構築してしまえば広い範囲でサービスが使われることではないでしょうか。

そのためサービスがあたってしまえば、ある程度のメンテナンスは必要とはいえもういろいろな人にサービスが使われ大量のお金が入ってくることになります。

一方で伸びにくい業種というのは上のような特徴を持っていない仕事です。

代表格として言われているのが、「介護業界」です。

介護業界は入居者のみ、つまり少ない人達に向けて精一杯のサポートをする業種です。

さらに商社のように大きなプロジェクトを回すわけではないので単価も見込めません。

これらのような原因があり介護の業界はもはや社会インフラで必要にも関わらずこういった要因から給料は上がりにくいです。

これだけ社会の役に立ち誠実に働いている人に「お荷物」というのはあまりにも短絡的な結論に感じます。

お荷物とされる人たちがいなくなったら

お荷物とされる人たちがいなくなったら一部の企業の社員(主に外資系)と経営者しか残りません。

まず運送業の人はいなくなりものの輸送はほぼ不可能になります。

ほかに保育園などの施設や学校、老人ホームもなくなり子供やご老人を預けられる施設はなくなります。

電力会社やガス会社も大幅に人がいなくなりインフラも止まります。

すると当然年収が高い人達も自分のやりたいことに集中できずインフラを守るのに精一杯になり890万円を得ることができなくなるでしょう。

インフラを守ってくれている人達がいることも考えずお荷物だといってしまうことの想像力のなさは非常に疑問に感じます。

林先生の発言そのものは責めていない

こういうと私自身が林先生の発言を否定していると思われるかもしれませんが実はそういうことではないんですね。

というのも給与が伸びにくい業種の方を責めるという使われている状況が違うためです。

林先生がこの発言をしたときの企画が「高学歴でも職についていない人に講義をする」というものでした。

高学歴だということだけで「俺は偉い」というプライドを持っていた人に「高学歴が偉いのではなく金を稼いで社会に貢献することが偉いんだよ」ということを伝えたかったんだと思います。

必要で社会に貢献していていても収入が少ないという人を責める意図は全く感じませんでした。

しかしこの言葉を曲解し「890万円ない人はどんなに頑張っていようが無能だ」と言う人が一定数いるらしいです。

この意識を持つ人達が増えてしまうと他の仕事に対する敬意や思いやりというのがなくなってしまいますよね。

そんな意識で労働者の分断が進んでしまいギスギスした関係になるのはなんか嫌な気がします。

多少大げさかもしれませんが、あくまで相手の仕事については収入などに縛られず尊重しあう今回の記事をまとめさせていただきました。

読んでいただきありがとうございました!

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