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行列のできる美術展 ゴッホ展 /東京都美術館

 ドツボにはまった。

 昨日まで書き継いできた民藝のことである。大風呂敷を広げてしまい、収拾がつかない。もうちょっと練らせてもらって、続きは明日以降に持ち越すとしたい。


 さて。今日は朝から東京都美術館のゴッホ展に……行く予定だったけれど、これも持ち越すこととした。昨日、会期内に平日休みがとれると判明したからだ。
 ゴッホ展は予約制。会期終了まで、予約サイトの枠はほとんど埋まっていて、空いている枠にかぎって都合が合わない。他のサイトに割り当てられたチケット枠もないらしい。
 当日券は出るには出てもごく少数で、長い行列ができた末に午前中には完売してしまうと聞く(こんなとき、情報収集のツールとしてツイッターは本当に便利だ)。
 それならば、混み合うこと必至の会期末を避け、なるべく早めの平日休みの日に朝から上野の森へ馳せ参じ、当日券の列に加わるしかないじゃないか。
 もっと早くに、計画的に行動すればよかったのかもしれない。
 まったくごもっともなのだが……じつは、ずっと迷っていたのだ。

 わたしはふだん、都美館や森美で催されるような超大規模な美術展、いわゆるブロック・バスター展を意識的に避けている。絵を観て感じたことよりも、人ごみの疲労感のほうが後に残ってしまうからだ。
 殊に印象派だとかゴッホだとかの展示は、それだけでもう、すさまじい動員人数となるのは必至。とても鑑賞どころではない。
 今回のゴッホ展は、それら忌避の対象たるべき要素がそろい踏みで、事実、館内の密具合は相当なものという(これもツイッター情報)。
 それなのに、迷った末にこうして会期末の平日に並ぶ決意を固めたのは、展覧会の質に大いに期待がもてるからである。
 詳しい章立て・内容は公式サイトに譲るとして、単体で主役を張れるクラスの油彩が何点も来ていること、特定のある時期だけを取り上げるのではなく、画家の全貌がたどれそうだという点が個人的には高ポイント。
 
 ものぐさのわたしですら、今回ばかりは動く。初動は遅れたけれど、とにかく動く。
 自分でいうのもあれだが、これはけっこう、すごいこと。
 行けそうな方はぜひ。


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